これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

新型コロナウイルスと政治

2020-02-15 11:45:02 | 社会問題
 今回は予定を変更して、新型コロナウイルスに対するお粗末な政治について、私の考えを書きます。

【私は怒っています!】
 テレビを付けたら予算委員会で「桜を見る会」について討議していたので、”腸が煮えくり返り”ました。中国では、「武漢に応援に行く看護婦達が、大切な髪を切って丸坊主になっている」、「トイレに行く時間が欲しいので”紙おむつ”をしている」などと報じられています。ダイヤモンド・プリンセス号では感染の恐怖に怯えながら四千人近い人が閉じ込められています。こんな時に、貴重な予算委員会で「桜を見る会」を取り上げる野党の政治家の頭の中はどうなっているのでしょうか?!

 自民党と公明党の議席数は衆参ともに過半数を大幅に上回っています。衆議院に至っては2/3を超えています。こんなに沢山の議席を与えられているのに、なにもしなかったら、”でくの坊”の集団と言われても、反論出来ません。

【ダイヤモンド・プリンセス号】
 ダイヤモンド・プリンセス号は、2004年から就航している外国の船です。(三菱重工で建造中の2002年に火災が発生したニュースを覚えていますか?)

 外国の船でも日本の港に停泊中は、『国際海洋法条約(UNCLOS :United Nations Convention on the Law of the Sea)』によって日本の法律が適用される様です。この条約に日本とイギリスは批准していますが、アメリカは批准していません。

★ 船主 :アメリカのプリンセス・クルーズ社
★ 船籍 :イギリス・ロンドン
★ クルーズの運営 :東京の(株)カーニバル・ジャパン
★ 旅客定員 :2,706名
★ 乗務員 :1,238名

【プリンセス号での感染経緯】
 旅客と乗務員合わせ3,760名程が乗っていて、乗客の半数は日本人の様です。

★ 1月20日 :横浜港出航
★ 1月25日 :香港で新型コロナウイルス感染者が1人
★ 2月3日  :横浜港に帰った。
★ 2月4日  :横浜港沖で再検査 ;61人が陽性→病院に収容
★ 2月5日  :早朝まで船内では通常通りの生活・・・歩き回っていた。
★ 2月8日  :3人感染→病院に収容 (累計=64人)
★ 2月9日  :6人感染→病院に収容 (累計=70人)
★ 2月10日 :65人感染→病院に収容 (累計=135人)
★ 2月12日 :39人感染→病院に収容 (累計=174人)
★ 2月12日 :船内で検疫していた担当官が1人感染
★ 2月13日 :44人感染→病院に収容 (累計=218人)
★ 2月14日 :希望する80才以上の11人下船→和光市・税務大学校
★ 2月14日 :感染者を運んだ救急隊員が1人感染

【お粗末な政府の対応】
 私は、加藤勝信氏が厚労相ですから、適切な対応をしてくれると安易に信じていました。 (加藤氏は東大の経済学部卒で、上級国家試験(国家一種)に合格し、エリートコースの大蔵省主計局で仕事を始めた方です。)

 私が政府の対応で、一番不思議に思うのは、武漢には飛行機を派遣したのに、プリンセス号に乗っている日本人は救出しないことです。船の中に沢山の人間を閉じ込めたら、感染が広がるのは素人にも分かります。私は、2月3日の時点で、全員を下船させて隔離すべきだったと考えます。

 プリンセス号に乗っていた方で死亡者がでたら、誰かが責任を取らなければなりません。加藤氏は大臣を辞めるだけで無く、議員も辞めて二度と政界に復帰すべきでは有りません。そのくらいの覚悟で、今後、対応して欲しいと思います。

(私の独断と偏見) 私は東大卒の方・20人以上と仕事をして来ました。入試問題は答が一つですが、現実の問題は正解が無いか、近似解が幾つも有るケースが多々有ります。東大卒の方の多くは、「仮定を導入して近似解を幾つか出し、このケースでは”どの解”を採用すべきか?」と言った判断をするのは苦手でした。加藤先生!「東大卒でも出来るんだ!」と言う証明をして下さい。

【はやり病で死ぬのは寿命では無い!】
 日本でも大昔から伝染病で、沢山の方が亡くなりました。『はやり病』で死んだら、「寿命だたのだ! 仕方ない」と諦めたのだと思います。 私の記憶する近世の流行性疾患を列記しておきます。

◎ 1918年~19年 :スペイン風邪 ;感染者=5億人、死者=5,000万人~1億人
◎ 1976年6月~    :エボラ出血熱 ;南スーダン→
◎ 1981年~    :AIDS(エイズウイルス発見)
★ 2002年11月~3年7月 :SARS ;中国→
★ 2012年9月~    :MERS ;サウジアラビア→
★ 2020年1月~  :新型コロナウイルス ;中国→
◎ 2019年~ :アメリカ・B型のインフルエンザ大流行 :感染者=2,600万人、死亡数=2.5万人

【私の提案① :法律改正】
 現在、国会開催中ですから、流行性疾患に関する法律を制定/改正する絶好のチャンスです。

 政府が手配した飛行機で中国から帰国した二人が、検査を拒否したと報じられました。私は「とんでもない人間だ!」と思いますが、日本の法律の不備を明確にした”功労者”かも知れないと思います。 異常時で無くても、検疫官が必要と判断したら、検査を義務化すべきです。 国籍によらず、拒否する人間は入国させないとすべきです。

 中国では、武漢に行った事実を隠して他人を感染させ、その人が死亡したら、最高刑は死刑の様です。 今回、検査を拒否した二人が、誰かを感染させて死亡させたら、ドンな罪になるのでしょうか? 私は、少なくとも彼等と感染した人の、治療費の全額を彼らに負担させるべきだと考えます。

【私の提案② :担当大臣の緊急任命制度】
 総理を除いた大臣の定員は、内閣法で最大17人と決まっていますが、緊急を要する事件が発生した時は、(国会の審議無しで)その事件を担当する(専任の)大臣を一人追加出来る権限を総理大臣に与えるべきです。 法律を新たに設ける必要が有ります。 (2011年・民主党政権の時に、東日本大震災の復興を担当する大臣が一名追加さました。2015年にオリンピック関連で一人追加されました。 従って、現在・大臣は19名ですが、近い将来17人に戻ります。)

 縦割り行政ですから、全ての権限を持った専任の大臣で無かったら、今回の新型コロナ肺炎に対処するのは難しいと思います。 隔離施設、医療スタッフ、医療資材(薬、防御服等々)、調理/配膳スタッフ、清掃スタッフなどの確保が必要です。

 国立病院や国立大学の付属病院に活躍して貰う必要があります。全国で沢山・病院を運営している赤十字社も協力してくれると思われます。私は、防衛省が所轄する病院の協力が不可欠だと思います。

 政府は防衛庁が運営する病院を減らす方針ですが、私は大反対です。今回の様な非常時の為に、防衛医科大学校を二、三校増やし、全ての都道府県に一か所以上・自衛隊地区病院を設けるべきです。日本医師会は大反対すると予想しますが、問題が発生した時に日本医師会が責任を持って医療スタッフを確保/派遣してくれるとは到底思えません。非常時の医療体制については、非常時に責任を取りそうに無い、医師会のわがままを聞く必要は有りません。

❶ 独立行政法人・国立病院機構 (2019年末現在)
★ 病院数 :141
★ 病床数 :53,520床
★ 職員数 :約62,000人

❷ 防衛省
★ 防衛医科大学校 :医科定員=80名 ;学費無料、手当=約11万円/月✙賞与2回、衣食住付き
★ 病院数 :17 (医科大学病院、自衛隊中央病院、自衛隊地区病院)
(注記 :1) ダイヤモンド・プリンセス号に医療スタッフを既に派遣しています。
(注記 :2) 自衛隊病院を一般に開放する方針が決定されています。

【私の提案③ :隔離施設を確保】
 アメリカは、中国に派遣した飛行機を空軍の飛行場に着陸させて、軍の施設に全員隔離したと報じられています。ロシアはシベリヤの施設に全員隔離した様です。 今回は、経営者の英断で『勝浦ホテル三日月』が確保出来ました。然し、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客を全員隔離する能力は、まだ確保出来ていません。

 野党の論客(蓮舫氏、辻元氏、枝野氏・・・)の身内がプリンセス号に乗船していたら、乗客への対応が今国会で議論されていたと思います。 然し、乗客の半分程は日本人の様ですから、「桜を見る会」どころでは無いはずです。 家内と私が乗っていたら、料金は二人で税込み44万円~304万円もするそうです。野党は金持ちが苦しむのは、”痛くも痒くもない”のですね!

 将来、同様の問題が発生する事を想定して、隔離施設を建設すべきだと考えます。アメリカの様に自衛隊か海上保安庁の施設を活用するのが、一番合理的な様に思います。 私は自衛隊病院の拡充か病院船の建造を推奨します。  皆さんも考えて下さい!

(病院船) 戦前には日本も病院船を多数保有していましたが、戦後は一隻も持っていません。 先進国の多くは保有しています、特にアメリカはスゴイです。 船だと災害の有った地域の近くに、直ぐに駆け付けられます。 ハードの確保だけで無く、スタッフの確保についても検討/法制化しておく必要が有ります。

【私の提案④ :水際対策の神話】
 新型コロナウイルスの様な流行性疾患の防疫は、入国ゲートの外側は国の管理で、内側は都道府県の管理で行われる様です。 (ゲートの内外で適応する法律も違う様です。) 流行性疾患の侵入をゲートで食い止めると言うのは、”神風”と同様の『神話』です。

 「ゲートを通過する前に患者が何人いたか?」は厚生労働大臣が発表し、二、三次感染者数は都道府県知事が発表するのを見られて、馬鹿馬鹿しい制度だと思われませんか? 危機管理意識が日本には無いのですね! 情報を一か所に集めて、公表することは現在の法律のもとでも出来るはずです。

 ゲートの外でサーモグラフィー(赤外線温度分布測定装置)でチェックしていますが、解熱剤を飲んでいたり、潜伏期間中だったら”OK”になってしまいます。一旦、入国してしまうと個人情報保護法に守られて、全国どこにでも自由に行けます。都道府県知事には渡航歴は報告されません。病状が悪化して感染が確認されて初めて、渡航歴を調べる事になります。(こんな状態になって渡航歴が分かっても遅すぎです。)

 都道府県が発病者の国内での行動を追跡して、『濃厚接触』した可能性の有る人を調査/特定して監察または隔離する事になります。こんな体制で感染を止められると思われますか?

【私の提案⑤ :観光立国】
 ビザ無しで外国から観光客を呼び込む等々したので、海外から沢山の観光客が来ています。新型コロナウイルスが問題になって、政府の対応の不味さ(まずさ)が露呈しました。将来、新しい流行性疾患が発生する恐れが有りますから、今回を教訓にして国民の犠牲を最小限に抑え、かつ、観光客にも安心して貰える体制を確立する必要が有ります。

 私が上で提案した様な隔離施設を設けて、必要なスタッフを集められる体制を整備して置けば、ダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に帰って来た2月3日に全員下船させて、陸上で検査/治療/隔離していたと思います。 感染者数はずっと少なかったでしょう。 日本は安全な素晴らしい国だと世界に認めて貰えたと思います。 絶好のチャンスを政治家達の無能で逃してしまいました。

 日本は「事が起こってからしか行動しない国」だと言われています。今回、将来への対策が何も出来無かったら「事が起こっても何も出来ない国」と世界から蔑(さげす)まれてしまいます。政治家諸君!『観光立国』を目指して、直ぐに行動を起こして下さい。