これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

政治家や官僚と賄賂 (その2)

2020-02-22 11:22:06 | 社会問題
 今回は領収書の貰えない金の話しと、金に纏わる不正の話しです。日産のゴーン氏は桁違いですが、会社の金を旨く回して、個人名義で不正に不動産を買った社長が何人かいました。ここには書きませんが、中小企業で、その会社に無くてはならない(首に出来ない)社員が、複数の出入り業者からワイロを貰っていたのも知っています。人間の金に対する欲望は底知れず/凄まじいですね!

【闇献金の集金】
 脇の甘い政治家は事務所の裏などで闇献金を受け取っていましたが、裏事務所での遣り取りも多かった様です。お粗末な政治家は、選挙中に人の出入りの激しい選挙事務所で受け取るケースも有った様で、金を運んだ人が「警察にばれないか?」心配していました。

 某県では一つの裏事務所が県全体の闇献金を一括して受け取っていました。別の県でも一括受け取りでしたが、なんと!責任者が野党の古手市会議員(A氏)だったのです。当時・私達は、その県で毎年の様に受注していたのですが、A氏は高齢だったので次の市会選挙に立候補しませんでした。「何処に金を運んだらよいのか?」と営業担当者が悩んでいたら、「同じ野党のB氏市会議員」を指定してきました。 警察が、A氏やB氏の不審な動きを察知しても、野党議員ですから立証は至難の業です。

【不正な金を要求する人は沢山います!】
 民間企業のサラリーマンでも、時々でしたが、公然と”金”を要求する人がいました。私の経験した範囲では、最高が40万円でした。国の検査を代行する団体に天下った元公務員が、”金”を要求するケースは結構多かったです。 『せこい役人の話し gooブログ』で検索して見て下さい。

 去年、私が管理している賃貸マンションに家賃滞納で強制執行が行われました。 巧妙な手を使われたので強制執行は不調になりました。 この時の経緯は、『法律の不備を正せない日本  gooブログ』で検索して見て下さい。 某弁護士さんに教えてもらったのですが、「家賃保証会社の一部では、執行官に小遣い程度の金を渡して、執行日を速めてもらったり、部屋で問題の書類が見つかったらポケットに入れてもらう」様です。 執行官は裁判所の職員ですから、不正な金を受け取っていたら、世も末ですね!

【民間企業の悪人】
 有る中堅の装置産業の某工場の営繕課(えいぜんか)の話しです。課長が本社から転勤して来ました。営繕課の係長は業界で有名な悪人で、高額の付け届けをする会社にだけ発注して私腹を肥やしていました。 歴代の課長達は無視されていたのです。

 新任の課長は我慢できなくなって、私の会社に「係長に内緒で、計画を進めたい」と言って来ました。課長は機械についての経験/知識の無い方でしたが、手取り足取りで、何とか計画を纏めました。問題の係長は、注文書を発行する為には課長印が必要な事を忘れてしまっていた様でした。結局、私の会社が受注しました。

(余談 :憎めない悪人) 超大手企業のメイン工場の機械設備担当課長さんの話しです。彼はマージャンが趣味で、強かった様です。週に一、二回、出入り業者を集めてマージャンをしました。 二、三半荘(二、三試合)はルールに従った正常なマージャンですが、彼は突然「待った!、あれはポンだった、それはチーだ、それで上がってた!」と言い出すのです。そんな事を何回か繰り返して、十分な掛け金を得たら、「僕のおごりで飲みに行こう」と言いました。 彼は、「絶対に業者の接待は受けない、業者と飲む時は僕が金を出す」と公言していました。

 彼は結構な酒豪でしたが、綺麗な飲み方をしたそうです。問題点をお気付きになりましたか? 領収書が貰えませんよね! 企業の担当者は自腹を切るか?裏金を作るか?する必要が有ります。

【若い資材課の担当】
 これは私の会社の恥かしい話しです。ある工場の資材課に、大学卒で入社二年程の男性社員(A氏)がいました。 私は出入り業者の社長を沢山知っていたのですが、M社長から「30万円くれたら数百万円の仕事を回すと、さっき、A氏に言われた」と相談を受けました。「その仕事が欲しいかったら、金を渡すしかない」とアドバイスしました。M社長はこの時は、A氏にキッパリと断りました。勿論、仕事は別の会社に発注されました。

 A氏は、段々と大胆になってきて、入社五年目頃に工務店に依頼して一戸建ての家を建て始めました。懇意にしていたN社長が遊びに来て、「A氏からシステムキッチンを買えと言われたので、現場を見に行った。S社長とT社長が瓦と浴槽を持って来ていた。」、「柱、板材、クロス材等々、すべて出入りの業者に手配させたらしい!」と言いました。もう、二人で笑うしかなかったです。 結局、N社長は高価なシステムキッチンを持っていきました。 ドラマは勧善懲悪ですが、A氏は今でも首にならずにいると思います。もしかしたら、資材部長になっているかも知れません。

 私が資材課長に、A氏の悪行を報告したとします。資材課長が部長に報告したら、「君は部下の指導が出来ないのか!」と怒鳴られるのが必定です。部長が真面目な方で、上司に相談しても、「君は部下の指導/監督が出来ないのか!」と言われるのです!

 コンプライアンス遵守を標榜する会社が多くなっていますが、本気で取り組んでいる会社は少ないと思われます。多くの会社ではコンプライアンスの定義が曖昧で、A氏の様な悪行を無くそうと努力している会社は殆ど無いと思います。

 A氏が巧妙に動いたとしても、A氏の噂は社内に広まってしまいます。 会社の進めているコンプライアンス運動に違反する事を、上司から命令されても、「A氏のやっている事より罪は軽いから、まあいいか!」とやってしまうでしょう。

【接待費を自分のために使う社員】
 この話は裏金の話しでは有りませんが、親の七光りで入社して、やりたい放題した社員のとんでもない話しです。お坊ちゃん育ちですから、顧客の接待は大の苦手で、顧客に胡麻をするなんて事は全く出来ない人間でした。 親がいくら偉い方だったとしても、”ぼんくら”で”我がまま”で、会社の金を私用に使う人間を営業課長にしてはいけないと言う話しです。

 私が東京勤務の頃に担当していた機械の営業は、課長(S氏)と部下3人の部隊でした。課長のS氏は、昔・メインバンクの副頭取だった方の息子で、何をやっても咎められませんでした。 S氏は酒は殆ど呑めないのに、女性を口説きに高級クラブに足繁く通っていました。

 課の接待費は半年で二、三百万円ほどでしたが、殆ど全てS氏が個人の遊興に使っていました。 転属して来た課員が、一年ほどしてS氏を見習う様になったので、営業はお歳暮やお中元を買う金が無くなってしまいました。

 官公庁向け案件が多かったのですが、担当者の机の周りに座って話を聞いてもらうケースが殆どでしたが、盆暮れの時は各社が待ってきたお歳暮やお中元を、お雛様の様に並べた部屋に通される事が多々有りました。真面目な営業担当者二人が、ボーナスを出し合ってお歳暮やお中元を買いました。余りにも気の毒だったので、私はボーナスを貰うと毎回数万円、二人に渡しました。

(余談) 年に一、二度、クラブのママさん達が会社に取り立てに来るのです。ママさんが来ると営業担当者が私を呼びに来てくれました。毎回、S氏は早々に逃げてしまうので、ママさんは部長に噛みつきました。「これは酒の金では無い、身体の金だ! この金を払って貰え無いと私は銀座で商売出来無い!」と大きな声で部長を責め続けました。部長は終始無言で、ママさんは小一時間すると、諦めて帰りました。

 当時、部長の接待費は半年で五百万円ほどでした。 部長は自分の接待費でママさんが要求した金を処理させていました。 普通の社員だったら首になったと思いましたが、S氏は部長から叱られる事は無かったので、全く懲りずに悪行を続け、一年もしない内に別のママさんが押しかけて来ました。 (彼の机の引出しには、呑み屋の請求書が溢れるほど入っていました。)

【民間企業のフィードバック】
 昔は非上場で中規模のオーナー会社が結構沢山有りました。そんな会社から10億円の仕事を貰ったとすると、数千万円を現金でフィードバックする慣習が有りました。(会社が給料として社長に支給すると多額の税金が掛かります。要するに脱税していたのです。) 私の経験では、2000年頃にまだやっている会社が有りました。

 当然の事ですが、フィードバックする金には領収書は発行されません。税務署にバレナイ様に数千万円用意するのは、想像以上に大変な事です。

【飲む打つ買う】
 『飲む打つ買う』と言う言葉は若い人達には死語になっている様に思います。『大酒を飲み、ばくちを打ち、女を買う』と言う、男の煩悩です。私は、「自分の金でやれ!」と言いたいのですが、その金を企業に要求する人間は今でも絶えません。

 『飲む』は領収書が貰えるケースが多いいですが、『打つ』の金は裏金を渡すしか手が無いように思います。『買う』の金は意外と領収書が貰えます。

 昔は大手企業の一部に、重要な顧客を接待する”寮”が有りました。”寮”は、高級料亭であり、宿泊所でもありました。夜の接待をする女性達が沢山いたのです。1970年までに”寮”を廃止した会社が多かったですが、1975年頃まで私の勤務していたビルの近くに、某大手企業の”寮”がまだ有りました。 その寮の担当者と仕事で知り合ったのですが、彼はまだ三十歳ほどで、入社以来15時頃から寮関係の仕事をしていました。 勿論、私は昼の前後に彼に応対してもらったのです。 彼は、「会社を辞めたい!」と言い続けていました。

 女性を要求する顧客は少なかったですが、今後も絶対に無くならないと思います。『英雄色を好む』と言いますから、そんな要求をする顧客は”遣り手”の方が多く、重要な顧客です。税務署が認める業種の(実在する)会社名で領収書を発行して貰える、超高級ソープランドに営業が連れて行きました。『容姿端麗、眉目秀麗』の若い女性達が働く、顧客満足度No.1・請負のソープランドだった様です。 (この手のソープランドは今でも有る様です。)

【昔の個人の不正】
 1987年の『マルサの女・伊丹十三、宮本信子』は面白かったですね! 確か?二号さんが隠し貯金の印鑑を多量に隠していて、見つかってしまうのです。 当時は、同じ金融機関で同じ名義で通帳を何通も作れました。 新しい口座を開設する時、印鑑さえ持って行けばOKでしたから、他人の名前や実在しない人の名前でも通帳を発行して貰えたのです。

 万年野党だった社会党の重要な使命の一つは金持ちの脱税防止だと、私は考えていました。 1980年頃に、不法な資産隠しの防止が出来るマイナンバー制度の導入を自民党政権は進めていたのですが、反対して潰したのは社会党などの野党でした。 野党の政治家達は、金持ちの実態を知らなかったのか? 政府のやりたい事に反対すれば票が集まると考えたのか? この時、金融機関の口座とマイナンバーを連動させていたら、映画『マルサの女』は製作されなかったと思います。

(余談) 大昔、私は、まだカードの無い時代に大手銀行に口座を設けました。去年、カードが必要になって銀行に電話して手続き方法を聞きました。暫く後に銀行から電話が有り、「貴方の名義の通帳が3通有るので、1通・解約して欲しい」と言われました。 全く心当たりが無く、「どこの支店の発行か?残高は幾らか?・・・」と聞いたら、「個人情報ですから答えられない」との回答でした。 個人情報は本人にも秘密なんですね! 今でも他人名義で預金する方がおられるのですね!