これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

日本のコロナ対策 (その2)

2020-05-02 11:03:33 | 新型コロナウイルス
 今回は、先週・投稿したデータ/情報をベースにした、私の考えを書きます。

【贔屓目(ひいきめ)の日本のコロナ対策】
 日本のコロナ対策を批判する記事は、インターネットに毎日出ます。 私は、敢えて天邪鬼(あまのじゃく)になって、(熱烈な安倍晋三ファンになったつもりで、)日本のコロナ対策を擁護してみる事にします。

① 水際対策 :現在の様なグローバル社会で、コロナの侵入を水際で完全に防ぐことなど出来ません。適当にやっておけば、国民は納得してくれます。既に、「水際対策が不備だったから、感染が広がった!」と批判する人は殆どいなくなっています。

② オリンピック :どんなに頑張っても今年・予定通りにオリンピックを開催するのは不可能だから、「予定通りにやる」と言い続ければ、IOCが「来年に延期する」と言い出すだろう。そうしたら、国民は納得してくれる。 全世界に感染が広がってしまったので、日本の感染を抑えても、来年・オリンピックを開催するのは無理だから、「来年やる」と言い続けよう。 多分・IOCが中止か延期を発表すると思う。 その時は、「渋々承知する」と言えば国民も納得するだろう。

③ PCR検査 :「PCR検査キットの開発と量産化をメーカーに働き掛けるのは、政府の仕事だ」とは思いますが、自覚症状が無い感染者を特定しても、隔離施設を確保するのは難しいし、入院施設を増やすのは、もっと難しい。 当面は、PCR検査キットの量産化はメーカーに任せよう。 木村もりよ氏などが、「PCR検査を増やしても、医療崩壊を招くだけだ!」と言う様な発言をしてくれている。

④ ワクチンの開発 :ワクチンが出来たら素晴らしいと思いますが、「新型コロナウイルスで有効な抗体が出来るのか?」分かっていません。 短時間に開発するために、中国やアメリカでは、(危険を承知で?)まだ確立されていない新技術を用いてワクチンを開発しようとしています。 日本政府は、「”海の物とも山の物ともつかない”状態で、貴重な国費を投入しない」と考えている様に見えます。 中国とアメリカが正しいのか?日本が正しいか?今は何とも言えない段階だと思います。

⑤ 既存医薬の治験 :もう直ぐ有効な薬が使える様になりそうです。有効な薬が見つかったら重篤化が抑えられ、入院期間が短縮されるので、医療崩壊は避けられるでしょう。 外国産の医薬が十分に入手出来るか?は不透明ですが、安倍氏は外交が得意と言っている様なので何とかなるでしょう。 (但し、薬で感染を抑え込む事は出来ません。)

⑥ 集団免疫 :有効なワクチンが開発出来無かったら、感染を抑えるのは沢山の人に感染してもらって、抗体を持ってもらうしか、方法が有りません。「今回のコロナで集団免疫が出来るのか?」今の所、不明です。 「皆さん、積極的に感染して抗体を持ってください」とは言えませんから、政府としては整合性の無い”ノラリクラリ”政策を進める以外にないのかも知れません。

⑦ 小中高・学校の休校 :3月2日から小中高は休校になっています。欧米のデータでは、子供が感染しても自覚症状が出なかったり、重篤化する可能性は低い様です。 集団免疫で感染拡大を抑えるのであれば、「スエーデンの様に元気な子供や若者に感染してもらうべきだ」と言う意見も有ります。

 「子供が感染して、同居している祖父母に感染させたら、祖父母達が重篤化して、最悪の場合は死亡するから、学校を休校にすべきだ!」と安倍総理にアドバイスした方がいた様です。 日本では近年・急激に三世帯が同居する家は減少しています。 皆さんの周りで三世帯同居の家が何軒有りますか? 私は1軒だけ知っていますが、祖父母はまだ50歳代でお元気です。

 小中高の孫と同居している老人を、ビジネスホテルや会社の研修所等に収容して、学校は普通に開く案もあったはずです。(勿論、老人から宿泊費を取ってはいけません。) でも、日本人は子供を大切にするので、子供達をスエーデンの様に防波堤にするのは許され無いと思います。

(余談) 最近、「学校を長期間休校にするのだから、この際、欧米諸国の標準になっている”9月入学”にすべき」と言う提案が出ています。留学生が多くなって来ていますので、”一理有る”と思います。 安倍政権はコロナの問題だけでも”舞い上がっている”状態です。 これ以上虐めるのは止めて下さい。

 明治時代に全国に学校を作った時は、、欧米諸国に倣って日本も”9月入学”にしたのです。その後、色々有って殆ど他国に例の無い”4月入学”になってしまいました。 現在・9月入学の国はアメリカ、カナダ、ドイツ、イギリス、フランス、ベルギー、トルコ、モンゴル、ロシア、中国などです。韓国は2月です。

⑧ 布製マスクを調達する事になる迄での混乱 :最近、道で布製マスクを付けた方を見掛ける様になりました。「小池マスク」の効果の様です。私も妻が作った布製マスクを持っています。形は小池マスクに良く似ていますが、男性用だと言って少し大きくしてくれました。 以下は、私の作り話しです。

 安倍氏が官邸のスタッフに、「マスクが不足している様だから、何とかしろ」と言ったんだと推察します。 「〇百億円出すから、×億枚、国産品の使い捨てマスクを入手しろ!」と命じたのだったら、スタッフは何とか出来たと思います。 予算も枚数も指示しなかったので、スタッフ達は厚労省と経産省の官僚に、「何とかしろ!」と命じたのだと思います。 官僚達は国内で増産することなど考える事無く、中国からの輸入だけを検討したのでしょう!?

 コロナの問題が出るまでは、使い捨てマスクは50枚で500円程で売っていました。国内で作ったのでは、こんな金額では売れません。 大半のマスクは、OEM契約(相手先ブランド名製造)で外国(特に中国)から輸入していたのです。OEM契約の場合は、価格と最低取引数量を事前に決めます。 製造側は何が有っても、最低取引数量を引き渡す義務が有ります。 武漢を閉鎖した頃、中国政府は国際ルールを無視して、OEM契約を破棄させて作ったマスクを全て中国国内向けに流通させる命令を出しました。

 中国人は一般に強か(したたか)ですから、作ったマスクの一部を少し高い値段で中国国内のブローカーに流しました。ブローカーは(国の方針に反して)海外に輸出して儲けようと企みました。 一方、マスクを付けなかった欧米諸国からも注文が来る様になって、マスクの国際価格は上昇し始めました。

 ギャンブルの経験が乏しい官僚達は、毎日の様にマスクの値段が上がるので、どの金額で手を打てば良いのか?オドオドするだけで、決められません。 官邸から、「マスクの調達はどんな状況か?」と聞かれた時、苦し紛れに「繰り返し使える布製マスクの方が良いのでは?」と答えてしまったのです。

⑨ 布製マスクのドタバタ劇 :冗談半分で提案した”布製マスク案”を官邸のスタッフが安倍総理に上申てしまい、総理が「採用する」と言い出したのです。 官僚達は慌てたと思います。布製マスクの市場は、多分・どこの国にも無かったのです。 だから、メーカー/輸入会社も標準価格も無い状態でした。 経産省の官僚達が、「何とか協力してくれ!」と商社等に泣き付いたのでしょう。

 「布製マスクの調達先決定に不正が有ったのでは?」と言う様な報道が有りますが、私は1社以外は「イヤイヤ協力させられた」のだと推察します。その為に、不良品が沢山見つかっても、官僚達は文句が言えないのでしょう。

 私は仕事で食品トレーを作る工場に出入りした事が有ります。 某スーパーに食品トレーを1,000セット納入したとします。 髪の毛一本混入していたら、直ぐに代品を持って行って、1,000セット全て持ち帰るのが業界のルールになっています。 従って、食品トレーの工場の内部は清潔で、作業員は髪の毛が落ちない帽子を被り、清潔な”つなぎの作業服”を着用しています。 東南アジアの国で、急遽・布製マスクを作ったら「髪の毛の混入」くらいは許容してあげるべきです。 トレーに入った食品に異物が入っていないのは、関係者全員が問題意識を持って働いているからです。品質管理は一朝一夕に出来るものでは有りません!

 「一所帯に2枚、布製マスクを配布する費用は?」と聞かれた時、官僚達は”鉛筆をなめて”、「440億円」と答えました。 その後、少し不安になって「466億円」と訂正したのだと思います。 結局、依頼した業者達から出てきた総額は「100億円」ほどでした。 日本郵便は、配達料を「20億円」で受けると言うので、事務経費などが、「346億円(=346-100-20)」も掛かる事になってしまいました。

 誰かが、「政府は当初”200億円”と発表していたのに、”120億円”しか掛からない様だ、”80億円”は何に使うのだろう」と言ってくれたので、何とか説明が出来ると思います。 マスコミと国民が「466億円」を忘れてくれる様に願うだけです。

⑩ 濃厚接触を80%以下に :何処かの研究所の偉い?方が、「濃厚接触を80%減らしたら、2週間ほどで感染が抑えられる」と安倍首相にアドバイスした様です。4月21日に発表した濃厚接触の定義は「1m以内、15分以上」です。「1m以内、30分」接したら「濃厚接触2回」とカウントするのですか?「3分」だったら「0.2回」ですか? 体面接触、背中合わせの接触は?・・・「貴方は濃厚接触を何%減らしていますか?」と問うのは愚問です!

  感染者数が減少した点では効果が有ったと認めますが、「日本の死者数が少ないのは、濃厚接触を減らしたからだ」と安易に考えるべきでは有りません。 何処かの偉い?方の手柄では絶対に有りません。

⑪ 特措法(特別措置法) :民主党政権時代(2012年)に感染症に対する特措法『新型インフルエンザ等対策特別措置法』が制定され、その第6条9項の『新感染症』は、「すでに知られている感染症の疾病とその病状や治療の結果が明らかに異なるもの」と定義しています。 この法律は現在でも生きています。 従って、日本で感染が広がり出した初期の段階から、この法律を適用すべきだったのです。

 にもかかわらず、2020年3月13日に『新型コロナウイルス特措法』を制定しました。この改正法は民主党が作った特措法に「新型コロナウイルス感染症を含める」としただけです。 法律の解釈を都合の良い様に変更するのが大得意だった安倍晋三氏が、「何故、国会の貴重な時間を割いて、改正法に拘ったのでしょうか?」、安倍ファンの私にも理解出来ません。 多分、頭脳明晰?なスタッフ達が、何か良からぬ魂胆が有ってやった事だと思います。

 民主党が作った法律ですから、当然ですが如何なる状態になっても私的所有権(私有権)を侵害しない事になっています。

⑫ 緊急事態宣言 :感染者数が日毎に増加して来て、「緊急事態宣言を出すべきだ」と言う人が増えたので、政府は何かしない分けにはいかなくなりました。 経済活動に影響が少ない様に、7都府県に限定し、”お願いベース”の緊急事態宣言を出したのです。

 国民にお金を支給しなかったら、収入が減って生活に困る人が出て来るだろう。 そうなったら、ゴールデンウイークが始まる頃には、「緊急事態宣言は止めて欲しい」と言う人が多くなる。そうなったら、止めよう!

 「国民にお金を支給すべきだ」と言う声が大きくなってきたが、頭脳明晰な人間が集まった財務省は支給に強く反対する。 愚鈍な大衆よりも、頭脳明晰な人間の意見の方が正しいに決まっていると思うが、愚鈍な大衆も選挙権を持っているのだから妥協して、給与が下がった人にだけ”30万円”給付する事にしよう。

 公明党が「条件無しで国民一人当たり10万円給付しないと、連立を解除する」と脅してきた。 そこまで言うのなら、従わざるを得ない! 官邸の情報に詳しいと自負しているジャーナリストが、「安倍氏は、優しい人間だから元から条件無しの10万円給付を考えていた」と言ってくれたので助かった。

⑬ コロナ対策大臣 :「危機意識が有って、行動的な人間をコロナ対策大臣にしたら、経済活動を犠牲にしてでも感染を抑えようとする。『おしゃべり大臣』なら、思いついたら行動する前に喋るから、”駄目だ!”と止められる」と考えて西村氏を選んだのだと思います。 今までの所は、この人選は大成功だった様に見えます。

 小池知事と吉村大阪府知事がコロナ対策で活躍し、毎日の様にテレビに登場するのは困った事です。 西村大臣が官僚出身の典型で、非常時への対応が全く出来ない”愚鈍な人間”の様に見えてしまいます。 私の妻と、その友達達は「西村大臣がテレビに出ると、馬鹿に見える」と言っています。

 自民党には強力な世論調査組織があるそうですから、西村大臣の評判を至急調査して、芳しくない結果が出たら即刻・交代させるべきです。 次は、官僚を忖度して動く、副総理が適任だと思います。 (熱烈な安倍ファンとしては、切にお願いしたいです。)

【余談 :家賃を待って欲しい】
 4月11日に「ある賃貸マンションとコロナ対策」と言うタイトルで投稿しました。その賃貸マンションの住人から、「4月の給料が少なかったので、5月分の家賃を少し待って欲しい」と言ってきました。 このブログを読んで頂いている方は、想像も出来ないと思いますが、世の中には殆ど預貯金無しで暮している人も結構いるんです。

 私は数社に出向して働きましたが、新しく入社した社員から、「定期を買う金が無いので貸して欲しい」と頼まれた事が、何回も有ります。 全て返してもらいましたが、3回の分割で返して貰った事も有ります。

 その内の一人は二十歳代の男性で、余りにも顔色が悪いので、「何処か具わいが悪いのか?」と聞いたら、「米と味噌しか無いので、味噌をお湯でとかして御飯に掛けて食べている」と言いました。その夜、焼き肉屋に連れていって、御馳走しました。 食べ始めると、彼の目から大粒の涙が流れ始めました。「前に肉を食べたのは、3年以上前だ」と言いました。 給料日まで週に一回は御馳走しました。

 彼は、母一人・子一人で育ち、高校卒業後に勤め先を転々としたので、母親に強く叱られて家を出たそうです。大人しい/真面目な性格でしたので、会社で酷い苛めにあって、三か月程で辞めてしまいました。 中小企業では、”虐め”が結構有り、彼の様な人が犠牲になります。 本人の責任とは思えない事情で、その日暮らしをしている人もいるのです!

【余談 :電車に乗りました】
 緊急事態宣言が出てから、私は出来るだけ外出しない様にしているのですが、管理している物件で工事をする事になり、4月14日と28日に打合せと、工事の立ち合いに行きました。電車を2回乗り継ぎ、片道・1.5時間掛かりました。 そこに出掛ける時は(通常は)朝7:30頃に最寄り駅を出て、16:30頃に帰りの電車に乗っています。

 14日は、7時頃に乗ったら少しは濃厚接触が減ると考えたのですが、電車は結構混んでいました。 28日は6時前に乗ったら、ガラガラで1.5時間の濃厚接触は5人でした。帰りは17:00時頃に乗ったのですが、何と!1人でした。

 私は「”お願いベース”では駄目だ/効果が無い」と考えていましたが、「従業員の健康を大事に考える企業が多く」、「家族に感染させたくないと考える人が多い」ので、最近・新規感染者数が少なくなって来たのでは?と思います。 安倍氏は、日本人の気性/資質を信じて”お願いベース”を選択したのでしょう。

 私は前にイザベラ・バードの『朝鮮紀行』を紹介しましたが、彼女は『日本紀行』に、「日本人は、子供を大切に育てる世界でも珍しい国だ!」と言う様な事を何回も書いています。(140年も前の1878年の事です。) 日本でコロナ感染が爆発しない理由の一つは、父親も母親も「子供に感染させたくない」と考えるためではないか?と思います。

(余談の余談) 私には可愛い女の子の孫が二人います。最初の孫から、我が家には「孫と遊ぶ前には必ず手洗いする」と言う厳しいルールが有ります。 孫の”ほっぺ”にキスする事は固く禁じられています!