批判を覚悟して、拉致問題の解決方法についての私の考えを述べます。
小泉訪朝によって5名とその家族4名が帰国しましたが、残りの拉致被害者(12名)の帰国交渉の前に、種々の点を検討しておく必要があります。
首相が訪朝したら、短期間に拉致問題が解決すると期待しているようですが、誤りです。13年間にもわたる厳しい交渉の末に、”日韓基本条約”が調印されたことを思い出して下さい。
【北朝鮮の説明と主張】
政府認定の拉致被害者17名の内、『5名は帰国、8名は死亡している、残りの4名は入国していない』と言うのが北朝鮮の説明です。
”横田めぐみ”さんの遺骨は小泉訪朝団が持ち帰った。日本では、(鑑定結果から) ”横田めぐみ”さんの遺骨では無いと主張しているが、疑うのなら返せ!
【金正恩の立場で考えて見ましょう】
北朝鮮は”喉から手が出る”ほど外貨が欲しいはずです。それも、ひも付きで無く、返済の必要がない外貨が得られるのは美味しい話です。「日本から一回だけ、夢の様な外貨が得られそうだ!」と金正恩は考えていると想像されます。
韓国には、「ソールを火の海にするぞ!」と言う脅しは効果が有りましたが、「東京に核ミサイルをぶち込むぞ!」と言う脅しはやりにくい。
出来るだけ早く、出来るだけ沢山の金を日本から搾り取るにはどうするか?
どの程度妥協したら、時の日本政府が国民を説得できそうか? 色々揺さぶりを掛け、日本の世論の動向を、(日本にいるスパイからの情報を見て、)作戦を練って来ると予想されます。
(揺さぶりの例) 2014年頃に青山繁晴氏がテレビで、北朝鮮が「拉致被害者リストにあとで追加した”松本京子さん”は返すが、残りの11名は死亡か未入国」と言って来ていると話していました。 被害者の家族や国民の反応を見るために、官邸が青山繁晴氏に(公表するように)お願いしたのだと私は思いました。 この種の事が、今後も行われると考えられます。
【米朝間の交渉が有る程度進むまで】
北朝鮮は、アメリカとの交渉を最優先にしています。その交渉と並行して日本と交渉する事が、北朝鮮にとって得になると、判断しない限り日本には接触してこないでしょう。
米朝間の交渉を成功させれば、韓国は①開城工業団地の再開、②金剛山観光事業の再開、③ロシアからの天然ガスパイプラインの建設、④鉄道や道路の連結、⑤石炭・鉄鉱石の輸入、⑥食糧援助等々の美味しい話をし始めると、金正恩は考えていると思われます。
日本とはジックリ腰を据えて交渉し、出来るだけ多くの金を搾り取ってやろう!
逆に、日本としては、アメリカが交渉している最中に「ちょっと‼‼ こっちも向いてよ!美味しい話をするから」と割り込めますか? 米朝間の交渉が有る程度進むまで、日本の出番は来ないと考えた方が良さそうです。
【拉致被害者を特定する必要があります】
現在の政府認定拉致被害者は17名ですが、”特定失踪者”と呼ばれている方々の取り扱いについて、北朝鮮との交渉を再開する前に国民の合意を得て置く必要があります。
(注記) 小泉訪朝団が、最初に北朝鮮に提出した特定失踪者リストに記載されていた人数は15名だった様です。 訪朝後に二名追加したのです。これ以上増やすのは、私は賛成出来ません。
拉致されたと言う確かな証拠の無い”特定失踪者”について,交渉の場でどの様に持ち出せばいいのでしょうか? 私は、特定失踪者は交渉から除外すべきだと考えます。
2013年に警察庁 が「”361名”は拉致の可能性が排除できない」と発表しました。これは、とんでもない間違いです。公的機関が確たる証拠をつかめ無かったのに、「A国が、B事件を起こした可能性が排除できない」と無責任な発言をしたわけです。
警察庁が証拠を提示でき無いのに、「男Cが、D事件を起こした可能性が排除できない」と公表したら、マスコミは一斉に警察庁を非難すると思われますが!
【被害者が死亡している可能性が有ります】
国連人口基金が発表した北朝鮮の平均寿命は男性67歳、女性75歳です(2017年)。拉致されて40年経過していますので、既に亡くなっている方がおられると予想されます。
拉致している途中に死亡した様な場合、犯人達が責任回避のために上層部に報告しなかったケースも考えられます。今となっては立証は不可能でしょう。
死亡された方の、死亡原因、死亡年月日、埋葬場所などの記録が残っていないケースも想定して置かなければなりません。
北朝鮮が{死亡した」と言う主張を、どのようにして検証するのか? 検証結果がどうだったら、彼らの主張を受け入れるのか検討しておく必要があります。
【遺骨の検証方法と検証体制】
”横田めぐみ”さんの遺骨として北朝鮮から渡されて、持ち帰り、三か所に鑑定を依頼しました。帝京大学の吉井講師だけが「横田めぐみさん以外のDNAを検出した」と、舌足らずな報告した様です。
官邸はこの分野では素人集団ですから、「他人のDNAを検出したのなら、横田めぐみさんの遺骨では無い」と誤った判断をして、公表してしまいました。官邸は未だに、判断ミスだったと発表していません。帝京大学の分析方法では、完全に焼いた骨をDNA鑑定出来ないのは世界の常識です。もし、DNAが検出されたら、焼却後に付着したDNAです。
もともと、”行き当たりばったり”の小泉訪朝団が火葬した骨を持ち帰った事が愚行だったのです。北朝鮮は、遺骨を現在の科学ではDNA鑑定が不可能な状態にして、出してきたわけです。多少でも科学的知識のある人間が小泉訪朝団に参加していたら、受け取りを保留にして、帰国後に専門家を集めてDNA鑑定が可能かヒヤリングしたと思われます。
(もう既に実施済みと思いますが、)拉致被害者の家族のDNA分析データが必要です。 遺骨がどの様な状態ならDAN鑑定が可能か、複数の専門家の意見を聞いておきましょう!
事前に、DNA鑑定が出来ない状態の”遺骨”を受け取るか、否か決めておく必要があります。 (私は、受け取るべきでないと考えています。)
【どの機関が北朝鮮の資料や主張を検証するのか?】
北朝鮮が新たな拉致被害者に関する資料を提出したとします。我が国としての検証が必要ですが、官邸が検証を担当する部署・機関を決めている様には思えません。
公安の外事課が適任だと言う人がいます。確かに、外事課には朝鮮半島防諜担当の係が有りますが、北朝鮮に出掛けていって十分な検証作業が行えるでしょうか?
【情報機関を至急設立すべきです!】
我が国にも小規模の諜報機関が沢山あります。一番有名なのは”内閣情報調査室(内調)”ですが、外国の諜報機関(CIA、MI6、モサド、SVR)とは横綱と子供程の違いがあります。小規模の機関を沢山持っても、ほとんど活躍は期待出来ません。 ”安物買いの銭失い”の喩えの通りです。
遅ればせながらではありますが、この際、諜報機関を統合して、我が国の国力に見合った規模の機関を持つべきだと考えます。 最初の仕事は、勿論、北朝鮮との対話のベースになる情報の収集と北朝鮮が提出するであろう資料の検証です。
国際的なテロ集団に対する情報収集は不可欠です。2020年の東京オリンピックを控えています。さらに、外国人観光客が多数来られています。テロ集団の入国を阻止するためにも、本格的な諜報機関が必要です。
我が国の諜報機関に詳しい方の話しでは、「我が国で諜報機関の統合が出来なかったのは、野党の反対が原因では無く、小さな諜報機関を管轄(所有)する省庁の縄張り争いが原因」だそうです。
(注記) 原爆や水爆を持とうとしたら、国際的に批判されるのは必定ですが、諜報機関を持つことは国際的な批判を受ける事はありません。
【韓国の拉致被害者】
北朝鮮による、韓国政府認定の拉致被害者(拉北者)は、朝鮮戦争中=4,777人、戦争後=425件(?人)で、それぞれ別の法律で被害者家族に保証金が支払われた様です。 人数は日本と桁違いなのに、被害者家族の運動が抑えられているのは、保証金を受け取ったからでしょうか?
2018年8月17日付の(日本語版)朝鮮日報によると、法律で用いられている「拉北者」を「失踪者」に変える法案が準備されている様です。 そこまでして、北朝鮮のご機嫌を取りたいのか!
★★予告★★ 朝鮮半島には、他国には知られたくない、貧しくて悲しい歴史があります。私は、朝鮮半島の国とお付き合いしていくためには、その歴史を理解しておく事が不可欠であると考えています。私の目で見た、”朝鮮半島の歴史”を数回に分けて公表します。 是非、読んで下さい!
小泉訪朝によって5名とその家族4名が帰国しましたが、残りの拉致被害者(12名)の帰国交渉の前に、種々の点を検討しておく必要があります。
首相が訪朝したら、短期間に拉致問題が解決すると期待しているようですが、誤りです。13年間にもわたる厳しい交渉の末に、”日韓基本条約”が調印されたことを思い出して下さい。
【北朝鮮の説明と主張】
政府認定の拉致被害者17名の内、『5名は帰国、8名は死亡している、残りの4名は入国していない』と言うのが北朝鮮の説明です。
”横田めぐみ”さんの遺骨は小泉訪朝団が持ち帰った。日本では、(鑑定結果から) ”横田めぐみ”さんの遺骨では無いと主張しているが、疑うのなら返せ!
【金正恩の立場で考えて見ましょう】
北朝鮮は”喉から手が出る”ほど外貨が欲しいはずです。それも、ひも付きで無く、返済の必要がない外貨が得られるのは美味しい話です。「日本から一回だけ、夢の様な外貨が得られそうだ!」と金正恩は考えていると想像されます。
韓国には、「ソールを火の海にするぞ!」と言う脅しは効果が有りましたが、「東京に核ミサイルをぶち込むぞ!」と言う脅しはやりにくい。
出来るだけ早く、出来るだけ沢山の金を日本から搾り取るにはどうするか?
どの程度妥協したら、時の日本政府が国民を説得できそうか? 色々揺さぶりを掛け、日本の世論の動向を、(日本にいるスパイからの情報を見て、)作戦を練って来ると予想されます。
(揺さぶりの例) 2014年頃に青山繁晴氏がテレビで、北朝鮮が「拉致被害者リストにあとで追加した”松本京子さん”は返すが、残りの11名は死亡か未入国」と言って来ていると話していました。 被害者の家族や国民の反応を見るために、官邸が青山繁晴氏に(公表するように)お願いしたのだと私は思いました。 この種の事が、今後も行われると考えられます。
【米朝間の交渉が有る程度進むまで】
北朝鮮は、アメリカとの交渉を最優先にしています。その交渉と並行して日本と交渉する事が、北朝鮮にとって得になると、判断しない限り日本には接触してこないでしょう。
米朝間の交渉を成功させれば、韓国は①開城工業団地の再開、②金剛山観光事業の再開、③ロシアからの天然ガスパイプラインの建設、④鉄道や道路の連結、⑤石炭・鉄鉱石の輸入、⑥食糧援助等々の美味しい話をし始めると、金正恩は考えていると思われます。
日本とはジックリ腰を据えて交渉し、出来るだけ多くの金を搾り取ってやろう!
逆に、日本としては、アメリカが交渉している最中に「ちょっと‼‼ こっちも向いてよ!美味しい話をするから」と割り込めますか? 米朝間の交渉が有る程度進むまで、日本の出番は来ないと考えた方が良さそうです。
【拉致被害者を特定する必要があります】
現在の政府認定拉致被害者は17名ですが、”特定失踪者”と呼ばれている方々の取り扱いについて、北朝鮮との交渉を再開する前に国民の合意を得て置く必要があります。
(注記) 小泉訪朝団が、最初に北朝鮮に提出した特定失踪者リストに記載されていた人数は15名だった様です。 訪朝後に二名追加したのです。これ以上増やすのは、私は賛成出来ません。
拉致されたと言う確かな証拠の無い”特定失踪者”について,交渉の場でどの様に持ち出せばいいのでしょうか? 私は、特定失踪者は交渉から除外すべきだと考えます。
2013年に警察庁 が「”361名”は拉致の可能性が排除できない」と発表しました。これは、とんでもない間違いです。公的機関が確たる証拠をつかめ無かったのに、「A国が、B事件を起こした可能性が排除できない」と無責任な発言をしたわけです。
警察庁が証拠を提示でき無いのに、「男Cが、D事件を起こした可能性が排除できない」と公表したら、マスコミは一斉に警察庁を非難すると思われますが!
【被害者が死亡している可能性が有ります】
国連人口基金が発表した北朝鮮の平均寿命は男性67歳、女性75歳です(2017年)。拉致されて40年経過していますので、既に亡くなっている方がおられると予想されます。
拉致している途中に死亡した様な場合、犯人達が責任回避のために上層部に報告しなかったケースも考えられます。今となっては立証は不可能でしょう。
死亡された方の、死亡原因、死亡年月日、埋葬場所などの記録が残っていないケースも想定して置かなければなりません。
北朝鮮が{死亡した」と言う主張を、どのようにして検証するのか? 検証結果がどうだったら、彼らの主張を受け入れるのか検討しておく必要があります。
【遺骨の検証方法と検証体制】
”横田めぐみ”さんの遺骨として北朝鮮から渡されて、持ち帰り、三か所に鑑定を依頼しました。帝京大学の吉井講師だけが「横田めぐみさん以外のDNAを検出した」と、舌足らずな報告した様です。
官邸はこの分野では素人集団ですから、「他人のDNAを検出したのなら、横田めぐみさんの遺骨では無い」と誤った判断をして、公表してしまいました。官邸は未だに、判断ミスだったと発表していません。帝京大学の分析方法では、完全に焼いた骨をDNA鑑定出来ないのは世界の常識です。もし、DNAが検出されたら、焼却後に付着したDNAです。
もともと、”行き当たりばったり”の小泉訪朝団が火葬した骨を持ち帰った事が愚行だったのです。北朝鮮は、遺骨を現在の科学ではDNA鑑定が不可能な状態にして、出してきたわけです。多少でも科学的知識のある人間が小泉訪朝団に参加していたら、受け取りを保留にして、帰国後に専門家を集めてDNA鑑定が可能かヒヤリングしたと思われます。
(もう既に実施済みと思いますが、)拉致被害者の家族のDNA分析データが必要です。 遺骨がどの様な状態ならDAN鑑定が可能か、複数の専門家の意見を聞いておきましょう!
事前に、DNA鑑定が出来ない状態の”遺骨”を受け取るか、否か決めておく必要があります。 (私は、受け取るべきでないと考えています。)
【どの機関が北朝鮮の資料や主張を検証するのか?】
北朝鮮が新たな拉致被害者に関する資料を提出したとします。我が国としての検証が必要ですが、官邸が検証を担当する部署・機関を決めている様には思えません。
公安の外事課が適任だと言う人がいます。確かに、外事課には朝鮮半島防諜担当の係が有りますが、北朝鮮に出掛けていって十分な検証作業が行えるでしょうか?
【情報機関を至急設立すべきです!】
我が国にも小規模の諜報機関が沢山あります。一番有名なのは”内閣情報調査室(内調)”ですが、外国の諜報機関(CIA、MI6、モサド、SVR)とは横綱と子供程の違いがあります。小規模の機関を沢山持っても、ほとんど活躍は期待出来ません。 ”安物買いの銭失い”の喩えの通りです。
遅ればせながらではありますが、この際、諜報機関を統合して、我が国の国力に見合った規模の機関を持つべきだと考えます。 最初の仕事は、勿論、北朝鮮との対話のベースになる情報の収集と北朝鮮が提出するであろう資料の検証です。
国際的なテロ集団に対する情報収集は不可欠です。2020年の東京オリンピックを控えています。さらに、外国人観光客が多数来られています。テロ集団の入国を阻止するためにも、本格的な諜報機関が必要です。
我が国の諜報機関に詳しい方の話しでは、「我が国で諜報機関の統合が出来なかったのは、野党の反対が原因では無く、小さな諜報機関を管轄(所有)する省庁の縄張り争いが原因」だそうです。
(注記) 原爆や水爆を持とうとしたら、国際的に批判されるのは必定ですが、諜報機関を持つことは国際的な批判を受ける事はありません。
【韓国の拉致被害者】
北朝鮮による、韓国政府認定の拉致被害者(拉北者)は、朝鮮戦争中=4,777人、戦争後=425件(?人)で、それぞれ別の法律で被害者家族に保証金が支払われた様です。 人数は日本と桁違いなのに、被害者家族の運動が抑えられているのは、保証金を受け取ったからでしょうか?
2018年8月17日付の(日本語版)朝鮮日報によると、法律で用いられている「拉北者」を「失踪者」に変える法案が準備されている様です。 そこまでして、北朝鮮のご機嫌を取りたいのか!
★★予告★★ 朝鮮半島には、他国には知られたくない、貧しくて悲しい歴史があります。私は、朝鮮半島の国とお付き合いしていくためには、その歴史を理解しておく事が不可欠であると考えています。私の目で見た、”朝鮮半島の歴史”を数回に分けて公表します。 是非、読んで下さい!