高橋まゆみ・創作人形「まゆみの気まぐれ日記」

農道をかっぽして歩く笑顔のおじいちゃん。姿が見えなくなるまで手を振るおばあちゃん。やさしさはいつもそばにいた。

かけもち

2009-11-12 08:11:40 | まゆみのつぶやき室
11月5日、新幹線で東京駅に着き羽田空港に向かった。

本数が少ない岡山飛行場に着いたのは夕方近かった。そこからタクシーで岡山駅に向かい、伯備線で新見駅に到着した。

駅の裏側にある小高い山の峰に美術館はあった。



いつもなら、準備も終わっている時間だが、今回は二箇所の展示、閉館時間から準備を始めた。

飯山ととても雰囲気が似ていて、低い山並みが建物を包むように、やさしく取り囲む。紅葉真っ盛り。会場から一望できる見晴らしは、ほっと安心感を覚える。





会場はそう広くは無いので、展示数は130体ほど。しっくりと収まった。

準備を終え、ホテルで一泊。

目の前に大きな清流がある。

亀穴・・・・とか言ったかな?水量の少ない川で、流れる水に削られて出来た穴ぼこの石の断層、亀がいたらきっと喜ぶだろうし、魚つかまえをしたくなる・・・そんな絵になる断層に見とれながら初日を迎えた。


最近ではあまり行なわれないオープニングセレモニーに出させていただいた。




その中で、副市長さんの挨拶があった。

私の人形のファンであると言う奥様の事もあり「この作品展をここでやりたいと思っていたら、学芸員が、もうスケジュールに入っていますと。なかなか内の学芸員は見る目がある」と言って下さった。

私にとっては、何よりの言葉で、心底その言葉が嬉しかった。


朝早くから、この坂道を駆け上って来てくれたお客さん、遠くからわざわざ来てくれた知りあい・・・・本当にありがとう。


ここ、新見市は人口の割りに公共施設が充実していて、時間が空いたのでお勧めの文化ホールにおじゃました。
コンサート、演劇などするにはもってこいの、劇場スタイルのすばらしいホール。
一番驚いたのは見て!この緞帳だ





平山郁夫画伯の「絲綢之路天空」シルクロードの絵を再生したものだ。

すごい!迫り来る迫力に圧倒された。
平山画伯の絵の中でも、この絵が一番人気・・・と前に物販の人が言っていたっけ。機会があったら、一度ご覧あれです。

ギャラリートークでは、次々と質問が飛び交い、和気藹々の雰囲気の中で言葉のキャッチボールをし仕事を終えた。

さて、もう一つの展示会場は、浅田さんという学芸員の女性が一人で頑張って美術館を守っている鳥取県の日南市美術館である。

人口数千人という小さな村だが立派な明るい陽だまりのような美術館であった。




表は総ガラス張り

正面の野外にはこんなステージが向かいあって、音響効果が良いらしく、南こうせつさんなどが歌ったそうだ。

ホールや図書館なども併設されていて、喫茶からは焼きたてパンの香りが漂ってくる。

ここも、大きなジオラマを置けば、目一杯という感じもあるが、その分、真近かで見ていただける。
浅田さんはたくましかった。
子を産んで復帰したばかりと聞いているが、街の何処もかしこもポスターが張られ、コツコツと活動いていた事が伺われる。

人形を展示し、スポットを当てる時、なんと彼女は軍手にいつの間にか高い踏み台に乗って支持待ちをしていた。
回転が速いというか、テキパキと何でもこなしてしまうスーパーウーマンであると思った。
本当は聞くと、この浅田さんの人形に対する想いが強く、何年も前からラブコールを頂いていたそう。しかし、運営費や会場の広さなどもあり、実現しないまま、今回の二箇所同時の作品展が実現した。

こんな事まで書くと叱られそう・・・・・
どうか、浅田さんに見られませんように!


会場がオープンすると、あれ?新見であったお客さんがいる。
岡山、鳥取をまたぎ、またもや会場まで来てくださったお客さん。
こんな事は初めてだったので、嬉しい悲鳴であった。

さて、そんな浅田さんがお昼をご一緒に・・・・と連れて行かれた。
山道をどんどん、どんどん奥に入ってゆく。
我々は心配になった。・・・・・家らしきものが無いこんな奥深い所に食べ物やさんなんてあるのかと。・・・・・・には出会えそうだけど・・

しかし、目の前に何とも情緒たっぷりの建物があらわれた。





「ときわすれ   清水屋」 と書かれたおそばやさんである。
時を忘れて、ごゆっくり・・・・と言う意味だろうか。良い言葉だ。もらった

囲炉裏や階段箪笥、いたる所に古きよき物が置かれ客を迎えてくれる。


大きな民家をそのままお蕎麦屋さんにしたもので、周りも風情が合って目を奪う。







ここは、菖蒲公園だったようで、広い庭に四季折々の花が咲くようだ。
縁側に格子戸・・・・憧れの世界がここにはあった。





10割そばと、少し食べてしまったけれど、あたたかい野菜の煮物。建物ばかりではなく、味も裏切らない店であった。


今回、二箇所の会場で行ったり来たり・・・・でも全然疲れなかったのは、きっと関わってくれた方々の本気と真心のお陰だと思う。

ありがとう御座いましたそしてまだまだ宜しく!