以前、県の担当者から、植樹祭のポスターの審査会委員を頼まれた。
絵も描けない私でよいのか戸惑ったが、これもうまい下手ではない。感覚的なもの。心に残るものを選ばせていただいた。
中から、私が一番いいと思ったものが選ばれ、嬉しかったが、そこで話は終わらなかった。
今度は2016年、全国植樹祭に向け、プログラムを進める上で、式典専門委員のお話をいただいた。
あまり、人形以外の事には、立ち入りたくない自分であったが、ある人の言葉が浮かんだ
「やっても見ないうちから、できない、やらない・・・・」は生意気だ!と。
今回のお話は長野県が主催の天皇皇后両陛下がお手植えをする、大規模なイベント。
6人ほど選ばれた選定委員と県の職員、大手プロモーター関係の方々との何度かの話し合いでは、いろいろな意見も出され、熱くなったりもした。
そして、6月5日・・・・・ついにこの日がやってきた。
式典は「プロローグ」「記念式典」「エピローグ」と三部構成に分かれて行われたが、持て余したのは席について式典前の1時間ほどの待機時間だけだった。
テンポよく大仕掛けの、県を代表するような祭りが次々と入れ替わり、スクリーンやプロジェクションマッピングでは、画像や言葉で紹介される。
会場外のおもてなし広場ではステージで演奏が行われたり、今回のテーマでもある、ひと、ゆめ、みどりをコンセプトに各ブースが設けられ、それぞれに施行を凝らし、地域の物産や試食などで、客を引き寄せる疳高い声も上がり、大賑わいであった。
式典に入ると天皇、皇后両陛下が臨席され、ご挨拶や表彰、国歌斉唱などを行いお手植え、お手巻きをされた。
今年は長野県にゆかりのある、カラマツやクリ、白樺にナナカマドが植えられた。
その後、突如現れた、なんと歌舞伎の市川海老蔵さんが舞い踊り、両陛下の前で堂々と披露する。構えた報道陣の前を軽やかに移動したかと思えば、にらみを利かす。すごい!迫力
生で見せて頂いた歌舞伎の世界。海老蔵さんは以前から、志賀などで「エビモリ」という自然を豊かにする活動をしていて、そんなご縁で今回出演されたという。
第一部も、第二部も実にうまい構成と段取りで、こんなに飽きさせない催しは最近では滅多にないと思う。
そしていよいよラストのエピローグ
自然の中で学ぶ、遊ぶ、経験する、成長するという森の幼稚園の可愛い子供たちが出て来て歌う
松本、蟻ケ崎高校の書道部の生徒たちが踊りとパフォーマンスを見せる。
宇宙飛行士の油井さんが、心のメッセージで会場を一つにする
ケータイで撮りたい場面はいっぱいあったが、見なければ終わってしまう。損してしまう・・・・・そんな気持ちにさせられる
最後の最後には参加者全員が会場を埋め尽くし、ふるさとの大合唱であった
素晴らしい式典に、長い間、この日のためにご苦労頂いた関係者の皆様方に、唯々、感動をくれてありがとうと伝えたい。
その後式典会場を後にして
茶臼山自然植物園へ移動した。
きれいに整備された植物園では、四季折々の花や木を楽しめるようにみんなで植樹させて頂いた。
桜、もみじ、かえで、ナナカマド、やまぼうし、マユミなど14種類が植えられた。
私が植えた木もどんな成長を見せてくれるのか、また、会いに来ようと思っている。
こういう機会でもなければ、私は何も知らなかった。お恥ずかしいが、何も知ろうとしなかったと思う。
だから「やっても見ないのに、できない」は、これから言わないことにする。
関係者の皆さん、本当にご苦労様でした!
たまたま並んでいた委員の3人は、皆、涙目でした。あの情熱的に意見を言っていた・・・・・あの人も・・・ウルウルしていましたよ!
合掌