高橋まゆみ・創作人形「まゆみの気まぐれ日記」

農道をかっぽして歩く笑顔のおじいちゃん。姿が見えなくなるまで手を振るおばあちゃん。やさしさはいつもそばにいた。

さくら

2007-03-30 07:42:52 | まゆみのつぶやき室
桜の花咲く時期がきた

毎年この桜に出会うたび、日本人で良かったと思う

こんなに季節の変わり目を、告げてくれる花は他に無い

人はこの桜の木の下で、飲んで、食べて、唄って、おどって、
心躍らせる桜マジックに酔いしれる。

わずかな時期だけに咲き誇る桜
喜びや楽しみをもたらして、やがて花びらが風に舞い、葉だけが取り残されていく
夏は強い日差しに耐えながら、冬は木枯らしにふるえながら、しっかり根を下ろして、人の喜びの為に備える。

そんな桜だからこそ

もう一度見たい・・と願う人もいる
もう一度・・・

一年に一度開花する春の使者は、命をつなぐ無欲な花でもある。

そんな桜の花のような人間に、私もなりたい





方言

2007-03-24 10:32:27 | まゆみのつぶやき室

我が村には、地元新聞(北信濃新聞)がある。
週一ペースの新聞であるが、時々、この新聞を取っている埼玉のおばさんから電話が入る。「どこどこの誰々さん・・・・亡くなったんだってな」と。
おばさんは、どうもお悔やみ欄を真剣に見ているらしい。

そんな北信濃新聞であるが、地域に根付いた記事もさることながら、私がいつも楽しみにしているのが、戸狩にある『かのえ』さんの広告だ。

年代が若くなるほど使われなくなって来てはいるが、我が家の年よりも、ご近所さんも、まだまだこんな言葉が飛び交っている。

『やっぱり降ったさ。へぇ 今年は降れぇねえと思ったのに、エギ(雪)囲いはずした人、冬ダネ(屋根から落とした雪を消すための水を溜めたもの)つぶして庭にビニールハウス立てちゃった人も、そしてスキー場をもう、閉めちゃったとご(所)だってあるのに、どうしてシャバ(世の中)は、うんまぐ(旨く)えがねやら(行かないやら)』とこう来るのだ。

もう一つ、最新版を書こう
『春のオチュンチも過ぎて、真冬に戻ちゃって菜の花、桜の花はえつごろさぐやら、気やもめる。こんな年は遅霜、長雨、冷夏で作なんて、いいあんじゃねえぞ』なんてせう、気象予報士みたえな方もあちこちに。コシヒカリ農家の我が家としては、まぁ~んで心配』とまたまたこう来た。


旨く読めるかな???こちらは、適当に解釈を。

しかし、方言はいい。
なんか、あったかいし、顔が自然と緩んでくる。

前に、青森の弘前の人達が交流で来た時は、話す言葉だけでもう仲良しだ。

おばあちゃんは、結構この方言丸出しなので、前に冠婚葬祭いで東京に出向いた際、タクシーの中で喋っていたら運転手さんが「いいねぇ~  飯山弁」と言われ
嬉しそうに、そんな土産話をした事があった。



標準語に近い私は思った。
家族みんながこの方言をしゃべろうと、決して染まるまい・・・と。

しかしだ!
「早く、マンマ 食わし」と 子供を急かしている今の私がいた。
(早く、ご飯   食べてね!)




そして、編集長が書く、らくがき方言版は・・・もう一つの楽しみでもある。






ドール・フォーラム・ジャパン

2007-03-20 09:02:56 | まゆみのつぶやき室

世の中にはさまざまな、専門雑誌というものがある。
私が手がける創作人形の世界でも(DFJ)ドール・フォーラム・ジャパンと言う専門誌があり、12年続いたこの季刊誌が、ここで一区切りのようだ。
人形と出会い、何年かした後、地元のギャラリーでの個展や、公共施設などでの仲間展などをこなした。
そんな活動を続けていると、人間欲が出るもので、一度地元を離れ、東京でやりたい・・・と気持ちは強くなる。
しかし、伝を頼るすべも無い。お金も無かった。
そんな時、好きで良く見ていた季刊「銀花」に好きな人形作家さんの展示案内が出ていた。小さくやる気のある方はどなたでも・・・の文字を見つけ連絡したのが、
広尾にある、『ギャラリー旬』であった。

オーナーの目通しをしてもらい、一年後の作品展に向け、一心不乱で作った。
多分、この時が私の人形のテーマを確実な物にしたように思う。
人形は、展示即売だったので、好きな人は目当ての物をめざし、買ってくれた。

そんな展示会に(DFJ)の編集長、小川千恵子さんがやってきてくれた。
専門誌を出すほどの、人形通・・・
沢山の物を見て、想いも深い。

自己流で作り上げている自分にとっては、恐い存在でもある。
そんな小川さんだったが、小さな声でぽつりと言った。
『うぬぼれないで欲しいんだけど・・・・与勇気さんとは言わないけれど・・・』
と続けた後に、何か私に自信と前向きになれる言葉を残した。

それからは、運にも恵まれ仕事となっているが、嬉しくもあり、厳しいその一言があって、今の自分があると思っています。

ずっと、ご無沙汰していますが、田舎に居て (DFJ)は、情報を知る唯一の季刊誌でした。

また新たに次につなげる一歩だと思っています。ありがとう御座いました。



仲間

2007-03-17 09:49:50 | まゆみのつぶやき室
昨年、一月から始めたブログ。もう一年以上が過ぎたが、その時々忘れたくない想いを日記変わりに書き止めようと、なれないキーを叩いた。

プロデューサーの畑田氏「自分もやってみたけど、目と頭が付いて行かないんだよ」と。『変な事書かないでよ!』と釘を刺されつつ、時々、陽さん同様、息子にコピーしてもらって、覗いてくれているようだ。

知らない人同士が言葉のやり取りを交わし、冗談を言ったり、慰めあったり、家族以上に会話を楽しむ事もある。そんな顔の見えない世界・・・・・だが・・・

今回居心地の良い、峰猫屋敷から繋がった、一休さん、章魚庵さんたちが、顔を合わせたようだ。
章魚庵さんの作品展で、初日真っ先に会場に着いたら「あっち向いていた」という峰猫さん。
一回り見てから挨拶を・・・と思っていたら、『目』が合ってしまったという、訪問時刻を告げていた一休さん。

仕事や年代、はたまた性格すらもミステリアスな仲間ではあるが、意外と言葉は人を写す・・・物である。
こんな世の中だからこそ、繋がる世界でもあるし、出会いは学びであり、宝だと思う。
これから益々、交流が深まる事だろう。

そんな、インターネットの時代ではあるが、セコセコと辞書を片手にラブレターを書いていたあの頃の、うるわしき乙女時代も忘れてはならぬと思います。

ここで、私のHPから、皆様の声・・・や図録注文時にあたたかいメッセージを沢山頂いていますが、お返事を返せずに申し訳ありません。
必ず、メッセージはその都度、管理人さんより頂き読ませていただいています。
本当にいつもありがとう御座います。

3月半ばを過ぎ、今、家の外は、空から雪が舞い降りて来ています。
なごり雪・・・とでも言うのでしょうか

私でも伝えられる事

2007-03-14 16:03:52 | まゆみのつぶやき室
11日、かわいい少女から姿が隠れてしまうほど大きな花束が、私の手に渡されていた。
もう、この先無いだろう・・・と言う講演話であったが、山口の防府での経験もあり、同時期に頂いていた熱心なお話しだったので、お受けした。

長野県松本市、しかし、合併前は人口六千人ほどの独立した小さな山村。四賀村。
その、四賀地区の社会福祉協議会の川窪さんから、すまなそうに電話が来たのは昨年であった。3月に行われる福祉の集いで講演を・・・と言う話であった。

勿論、一時間以上も一人で話すなんてとても無理。
パネルディスカッションの形で、会長の金井さんに進行していただく。

一つずつ映し出される人形写真に、説明を加えているうち、その時の心境や動機、はたまた、心の内までも蘇えり言葉が突いて出てくる。手から離れた人形をあらためて、いつくしんだ。

そして、陽さんから貸していただいた、二人の感動的なドキュメンタリービデオを映し出す。ビデオが終わり、会場のライトがパッと付いた時、目頭を抑える人や、拍手をする人もいた。
陽さんのビデオには、言葉なんか要らない。
ただ、すばらしい・・・とか感動した・・・と言う言葉では括り切れない、『教え』があるから、この村で紹介したかった。
そして、今回来て下さった方々にも、陽さんとの出会いの中で、作ることが出来た何体もの人形のルーツを知っていただきたかった。自分なりの講演会もどき・・・が満足いく形でできた事で、またお客さんの満足した顔を見て、ほっとした。
その後、質疑応答などの時間を交え、幕が下りた。
会長の頭も、私の鼻回りも、汗ばんでピッカピカ

小さな村の手作りの集いは、唄ありダンスあり、くじ引きあり・・・表彰式ありでつつがなく、気持ちいいほど手際よく、終わった。

我が村と同じような素朴な人達。方言があったかい。
そんな村だからこそ、やれたのかもしれない。

しかしだ!
同じような村でも、ここ四賀地区には松茸山がある。
会長自ら、山に行って松茸を掘ってくるらしい・・・
松茸山荘では、松茸料理や美人の湯・・・もあり、今は福寿草が満開。
ですよ!





仙台から、ただいまぁ~!

2007-03-10 09:07:03 | まゆみのつぶやき室
月一くらいのペースで人形の旅は続く。
8日、二度目の仙台藤崎百貨店での作品展の準備日だった。
しかし、これが最後となる、息子の卒業式でもあった。
幸い、式は午前中だったので卒業式会場の父母席に座る。
我が家の子供達は皆、専門学校を選び、長女・・・ファッションデザイン、次女・・・介護師、息子・・・美容師の道を選んだ。
私は高卒後、目的も無く、働くのがあたりまえ・・と思っていたので、すぐ就職をしたが、その頃はまだ就職口が幾らでもあった。
子供達を見ていると、これでいいのかな・・・と思う事もしばしば。
世に出て、揉まれて、一回りも二回りも逃げずに大きくなって欲しいと願うばかりだ。
そんな式典を後にし、新幹線に飛び乗った。
ぎりぎりまで創作に明け暮れた『駅』の新作。
会場に着き、まずそれを飾った。
ジオラマを作ってくれた、京都の森口さん、南光さんが待ち構えていた。
出来立ての人形を置く。
思ったより、ジオラマがこじんまりとしていたので、物足りない、寂しい雰囲気はなかった。
一つの群集としての作品なので、遠目でじっくり観察し、お互い「こうしよう」という部分を言い合った。
そんな時、プロデューサーが「タイトル何?」と尋ねる。
「ホーム?プラットホーム?えき?」何がいい?
すると「停車場」でしょうとプロデューサー・・・
「え!それって、今使う言葉?」と私。
人形からして、古い感じもしないではないが、登山の夫婦がいたり、しゃれたベンチに座って汽車を待つフルムーンの夫婦もいる。
そんな、年代の差・・・も少し感じながら「駅」というタイトルで取りあえず置いたものの、もっといい物がないかなぁ~とまだ悩んでいる。

暇なおじさんが作ってくれた、新聞仙台版・・・間に合わず残念だったし、雑男さんお勧めの「青葉城恋歌」も歌えなかったけど、広々とした藤崎百貨店の二度目の会場は全ての作品のお披露目が出来、目を真っ赤にして泣きはらした後にさわやかな笑顔で帰って行ったお客さんにも出会えた。

並木道が続く青葉通り。
おしゃれで、静かな町並みは変わらなかった。

北信濃ひなめぐり

2007-03-02 07:53:58 | まゆみのつぶやき室
春の日差しに春の風・・・・・おだやかな、心地よい日が続く。

知りあいの学芸員に頼まれて、ひな祭りの頃に何か一つ・・・と言われて昨年から参加させていただいているお雛様。昨年は猫と犬に着物を着せて、二組のペア~を作った。今年はどうしよう・・・と思っていたが、お正月にアンサンブルの着物を着た女の子が可愛く出来たので・・・よし!今年のお雛様は、女の子のお祭なので
これで行くか・・・と決めた。
子供の頃、母が始めて作ってくれた着物が、このアンサンブルであった。
今はあまり見かけないが、絣の地味な柄が赤いかんざしに映えた。

明日から、北信5箇所でお目見えすると思うが、機会があったら、その地区の伝統的なお雛様と共に見に来ていただければと思います。

さてさて、ここの所、いろいろあって、時間が足りない。
しかし「どうにかなるさ・・・」で、やれるだけの事はやろう・・・と思っている。
人間、ボォ~っとしている時間があるなら、時間が足りないくらいの方が幸せだ。

腰を痛めて入院中のおばあちゃんも、内蔵ではないので、食べられるし明るい。
しばらく続くリハビリはつらいかも知れないけれど、無理せず少しずつ良くなって欲しい。

ここで、しかしだ!
って事は、これから始まるお百姓・・・やるのはわ・た・し・・・しかいない。

出荷している、アスパラは毎年出てくるので採らない訳にいかない。
おじいちゃんとか。「どうにかなるさ!」

きっと、おばあちゃんが腰を痛めたのも、そろそろお母さんも手伝って・・・という神様のお告げかもしれないね!なぁ~んて、ちょっとカッコ着けちゃった?

9日からの、仙台藤崎百貨店の二度目の作品展の人形が上がれば、しばらく手が空きそうなので、おじいちゃんの後を金魚のフン・・・みたいになって歩こ!