寂しい場所となった大相撲である。贔屓の琴奨菊が引退した。十両からの捲土重来を目指したが、体力の限界を感じたのであろう。これまでの功績とガブリ寄りに拍手を送りたい。上位経験者の引き際が取り沙汰される昨今である。確かに一昔前なら最盛期を過ぎれば身を引くのが良しとされていた。しかし三十代後半でも戦える力士が増えてきたのも確かである。潔さばかりが相撲ではあるまい。それに力士の第二の人生に就いても考慮してあげたい。脚光を浴び成績を残し年寄株を購入出来るのはほんの一握りである。これは他の格闘技でも言える事だが、引退後の生活が余りにも不安定である。定年七十歳時代であり、北の富士さんは渋い顔をするだろうが、発想を切り替えるべきだろう。それでも全盛期の力士同士のぶつかり合いが望ましいと云うのであれば、シニアクラスを設けてはどうか。往年の名横綱である北の富士さんが参戦するのであれば、是非贔屓にしたいのである。