愚行権は人権の一つとして、当然に行使され得る。そんな理屈を捏ねないと煙草も吸えないヨノナカは狭っ苦しいのは確かだが、権利関係がやかましくなるのは悪い事だとは思わない。大概の愚行は周囲に迷惑を掛けるものであるから、それを気遣いとかマナーとかの主観的判断に委ねていれば泥沼に嵌る。相互の権利が衝突する争点を明白にして、そこから現実的な妥協点を引き出すのが望ましい。尤もそんな事いちいちやれる暇人は少ないので、愚行権の行使のみを宣言してもらって後は社会的距離を置くのが現実的であろう。また何を愚行と考えるかも人それぞれで、場合によっては恋愛もその一つに挙げられよう。婚姻関係の有無でその迷惑度合いが変わる最たるものである。愚行の落とし前はキッチリ付けてもらうとしても、その権利自体は認めるべきだと云うのが私の見解である。それを律する法や倫理との鬩ぎ合いで煩悶するのも与えられた権利の一つと愚考するのである。
日本で展開する際のパートナーは何処か。GoogleがPlexと云う名称のバンキングサービスを米国で開始する。銀行業自体を行う訳ではなく、預金管理等は既存の銀行が裏で支える様である。ただ使う側からすればそれが何処かは、低金利時代には興味の無い話であろう。Google Payの決済に使えて、クレカの引き落としが出来て、たまに現金を引き出す事が出来れば十分と云う人は少なくない筈である。資産とキャッシュフローの情報を提供する先がGoogleか今の銀行かの違いでしかないとすれば、より便利な方が選ばれるのは必然である。問題は国内での使い勝手である。今でも給与振込先とか口座振替先にネットバンクはNGな所が多いと感じている。それより遥かに胡散臭いPlex口座が素直に使えるとは考え難い。そこで信用の担保としてメガバンクの何処かと組む事になるだろうと予想しているが、資金は潤沢なGoogleである。行内政治でゴタゴタしている間に、地銀の再編ぐらいはやり兼ねないのである。
本業が壊滅している今、焦りは十分理解出来る。でも止めといた方がいいんじゃないかな、ANAペイ。想定ターゲットは既存マイル会員らしいので、新規客を開拓するサービスを打ち出す訳でもない。溜まっているマイルの使い道に困っている人には喜ばれるだろうが、今からマイルを溜める人が搭乗チケットを購入するかと云えば微妙である。1%のポイントバックしか無いので、それだけで飛行機に乗ろうとするなら相当の修行を覚悟しなければならないし、使っているコード決済から乗り換える理由も見当たらない。ANAペイならではのキラーコンテンツが必要なのであるが、そんなもんに先行投資出来る状況ではないのは明らかである。電子チケットを含め全ての業務プロセスをスマホで完結出来る様にスリム化し、持っていない人の搭乗をお断りする位の吹っ切れ具合を見せて欲しい。航空業界が再浮上するには数年を要すると見ているが、大穴狙いの博打に出るのは軽率なのである。
こっちの方が消費者としては恩恵が大きい。ごく一部の地域で絶賛活用中のマイナポイントであるが、2021年3月末の終了期限を、半年延期するとの発表が有った。ついでに使い切った人にも追加でポイントをくれないものかと期待しているのだが、釣った魚に餌をやるのかは微妙である。使い方(人によっては存在自体)を忘れられない為の広報事業として、是非ご検討願いたい。その一方、各自治体窓口が大混乱しているのは相変わらずの様である。申請しても1か月待ちは当たり前の様であるが、それでも普及率は2割程度である。3月までに残りの国民が殺到したら捌き切れないのは目に見えている(しないのが前提ではあろうが)。窓口業務負担の平準化を考えれば10年位は延期した方が良い様に思うのだが、年度跨りの事業を嫌がる気持ちも分かる。何よりポイントの原資である税金はコロナ禍により減収が見込まれるのであり、釣られた魚は大人しくしている心算なのである。
GoToキャンペーンは縮小する方針らしい。冬に向けて感染者数が増えるのは織り込み済みだと思っていたのだが、そんな事は無かった様である。「緊急事態宣言を出すどころか外出を推奨する施策を継続するとはケシカラン」方面の声が、予想外に大きくなったのかも知れない。ここは以前から提言している通り、観光地の旅館を接収して隔離施設とした上で、地元の料理を療養食として供出させる方針を検討して欲しい。不便で不自由、しかも満足な食事も与えられない所に押し込めるから脱走者が出るのであり、「俺はまだ陽性だ」と居座る輩が続出する様なもてなしをすれば、拡大防止に役立つに違いない。そんな厚遇を見せつけられたら働くのが馬鹿馬鹿しくなる人が続出すると云う副作用も有るだろうが、仕事もせず将来も憂えず、半月だらけられる強靭な精神の持ち主は少ないだろう。良い機会なので、ユルい社会が何処まで許容可能か、確かめてみてはどうかと思うのである。