矢張り中国はスケールがでかい。河南省・鄭州市の豪雨で、当局が「1000年に一度」の災害であると発表した。1000年前は北宋が中原に覇を唱えていた時代である。日本との関係はその100年後に興った南宋の方が深い(平清盛の日宋貿易はこっちである)が、どちらにせよその頃から統計が取られていたとは、記録マニアの中国であったとしても信じ難い。何かと話を大きくしたがるのが人の常なので、こんな大雨は見聞した事が無い、と云う古老の言葉を拡大解釈したもの程度に考えておけばよかろう。とは言え1年分の雨が3日間で降ったと云うのは確かに尋常では無い。その驚きは十分伝わってくるのだが、話を大袈裟にし過ぎると後々苦労する事になる。そう考えると50年と云うのは人間のライフスパンから見れば、それなりに妥当な表現なのかも知れない。出来れば生涯そう云う被害に遭いたくないのであるが、大自然に拮抗するには人類の文明史は余りにも短く、か弱いのである。
何時やるのか。今でしょ。そう云うニュアンスだったかは知らないが、ジョンソン英首相は19日、規制緩和を約束通り敢行した。冬になったら行動制限を強化するから夏休みは遊んでおけと云うメッセージに見えなくも無いし、ワクチン未接種でウェイウェイしている若年層を壊滅させる深謀遠慮の様にも思えるが、穿った見方にも程が有ると云うものである。実際、1月には毎日1000人が亡くなっていたが今は50人程度で横ばい状態である。新規陽性者が5万人なのに重症化が抑え込めているのであれば、多少破目を外しても大丈夫じゃないかなと期待してもおかしくはない。何よりブレグジットの難局を乗り切ったイケイケの英首相である。積極策に打って出るのも仕方ないと思えるので、英国民は慎重な行動でバランスを取って欲しい。我が国の宰相はそこまでイケイケでは無いから安心して良さそうだが、今年も夏休みを満喫出来そうもない若者達には申し訳なさを感じるのである。
もう一歩踏み込めなかったか。成田空港国際線で顔認証システムが導入されたそうである。搭乗手続きの際に専用端末で撮影し、パスポートと利用便を登録したら、その後の保安検査場等での手続きは全て「顔パス」になるとの事で、便利には違いない。登録の手間と天秤にかけたら微妙ではあるが、新しい技術の導入は往々にしてそう云うものである。だからこそ今後の用途拡大に期待したい。せめて空港施設内の免税店や飲食店も顔パスにして欲しい。酒や煙草を大量購入する人には不評であろうが、そこら辺は各自がうまい事切り抜ければ済む話である。加えて登録情報を暗号化した上でQRコード等に変換してスマホで表示出来る様にすれば、それを証明書として空港外の免税店で使える様になるだろう。顔認証と無関係になるのがやや残念ではあるが、まだ生体認証インフラは発展途上である。近い将来訪れるであろう何処でも顔パス社会を、戦々恐々と待ち望んでいるのである。
あ゛っづい゛。猛暑五輪を予想していた昨年の危惧は杞憂だったか、と思っていたらそんな事は全くなかったさいたまである。カナダ西岸では熱波で数億匹のムール貝が茹で上がると云う珍事も発生しており、今後は例年通りの気候を異常気象と呼ぶ方が正しいのかも知れない。そうなると災害対策が難儀である。個人的にはお米の作柄の方が心配なのだが、直ちに健康に影響が出る順番で考えれば、酷暑や風水害への備えが優先だろう。拙宅を高床式に建て替えたい所であるが、昨年の熊本豪雨ではそれでも浸水被害を受けた家屋が有ったので、下手な「これだけやれば大丈夫」と云う予断は危険である。電気ガス水道が止まっても一週間は籠城出来る備えはしているが隕石の直撃に対する脆弱性は残っているし、何よりネットに繋がらなくなったらその時点で死にそうな気がする。まずは自分の生活習慣を正すのが防災の第一歩なのだが、暑さも相俟って面倒臭くなってくるのである。
あ、やっぱ要らないです。Windows365の料金体系の一部がうっかり公開された。仮想CPU2基、メモリ4GB、ストレージ128GBで月額31ドルとの事で、地味に高い。メモリとストレージが大丈夫かと思える狭小さであるが、OS本体で何もしなくても5GB位使うので、恐らくその分は差し引かれる。ユーザアプリ領域と考えれば問題無さそうである。ストレージも共用サーバOneDriveが主体となるだろうから、変なモノをダウンロードしないポリシーになっていれば、そこまで使わないのかも知れない。それにしても31ドルか。Office365とTeamsが含まれるから、そこまでボッタクリと云う訳でも無いが、OSプリインストールのPCに慣れ親しんだ人には抵抗が有りそうである。Windows Updateで業務が止まり従業員が逆上する損失を考えたら多分乗り換えた方がお得なのだろうが、人は見えないコストに鈍感である。クラウドOSの普及の鍵は、その手の損失を可視化出来るかに懸かっているのであろうが、それにしても31ドルか(しつこい)。