かってはこの農園の周りはワラビがいっぱい生えてたらしい。
でもここに来たときはワラビはどこにもなかった。
みんな鹿に食べられてしまったらしい。
ここに来たとき沢にはワサビがいっぱい生えてた。
でも洪水に流され鹿に食べられ絶滅した。
今2本だけ生えてるけど、これは他所からもらってきたもの。
春には沢の土手にはフキノトウがたくさん芽を出した。
でもそれも鹿にやられて絶滅した。
今では電柵の中だけで生き残っている。
ところが2年前家の裏にワラビが芽を出した!
きっとどこかで生き延びてたワラビが大きくなって胞子を出して、飛んできたのだろう。
そして去年集落を囲う柵ができたので、生き伸びることが出来たのだろう。
里山の自然って柵の中でしか、いわば檻の中でしか維持できない自然。
鹿や猪を殺すことによってしか維持できない自然。
そう考えると、里山の自然を果たして守る必要があるのだろうか?
とも考えてしまう。
必要なくなったら、維持できなくなったら自然にお返ししたらいいじゃないか。
日本の里山の9割りはつぶれてしまってもいいとさえ思う。
郷に入りては郷に従えだの、よそ者がかってなことするな、など言いながらその一方で補助金を当てにしている里山なんかつぶれてしまえばいいとさえ思っている。
そして地元の人が本当に真剣に活性化に取り組んでいるところだけが生き残ればいいと思っている。
・・・なんて話ではなくワラビの話。
石ばしる垂水の上のさ蕨の
萌え出づる春になりにけるかも
ワラビを見ると大好きな志貴皇子の歌をすぐに思い出す。
そう今まさに萌え出づる春!
山は日に日に緑を増す。
裏の沢にワラビを植えよう!
来年、垂水の上にワラビが生えるように。