ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

メザシとシシャモの問題

2016年02月16日 19時04分38秒 | 食の話
魚の卵は大好きだ。
めったに食べられないカラスミはもちろん、
タイの白子、
イクラ、タラコ、メンタイコ、
昔はそんなに好きじゃなかった数の子も今は好き。
魚の煮つけに卵が入ってたら、とっても得した気分になる。

そこでメザシとシシャモの問題。
どうしてメザシに卵がないのだろう?
どうしてシシャモにはいつも卵が入っているのだろう?
イワシは卵を産まないのか?
シシャモは年中卵をはらんでいるのか?
そんなことはないだろう。

メザシとシシャモ。
どちらもなんかとっても、侘しい、貧しい、惨め…とついつい思ってしまう。
でもシシャモは卵があるだけでリッチに思えてくる。
子持ちシシャモを見ると、
思わず貧乏人界のエリート!
え~い!と思わず拍手をしたくなる。

でもたまに子持ちでないシシャモを食べるととっても損した気分になる。
手抜きだ!と思わずその筋に訴えたくもなる。
でもよく考えると、これが普通なんだよね。
卵をはらんでいるのはほんの一時期。
卵がないのが本来の清く正しいシシャモのあり方なんだよね。
もし卵つきシシャモを食べる習慣がなかったら、
あの一粒一粒が孵ったらシシャモはもっともっともっと増えるだろう。
志半ばで干物になってしまった口惜しさ、よ~~~~くわかるよ、そのくやしさ。
それでとっても感謝しながらいただいているんだよ。

ところがメザシ、
どうして子持ちメザシはいないのか?
ちょっぴりリッチなシシャモに比べていかにも貧しい!いかにも情けない!いかにも惨め!
小さなイワシのミイラ・・・という以外にいったい何がある?
なぁ~んにもない!
焼くと立ち込めるあの安物の油臭さ、
隣近所に隠してこっそり焼きたいような、
なんか悪いことをしてるような、
思わず、メザシを焼いてごめんなさい!
と謝りたくなるような・・・
そんな気分になりつつ・・・

実はメザシも大好き!
シシャモは卵で持っているけど、卵のないどおしで比べると絶対メザシの勝ち!
あの荒っぽさ、歯ごたえ、が実にいい!

メザシを見ると、
うんうんそうなんだよね、
お互い今まで苦労してきたよね・・・
わかるわかるその気持ち、
・・・なんてついつい思いながらメザシを齧る。

シシャモとメザシ。
まるで園芸種と雑草のよう。
シシャモとはお友達になりたいとは思わないけど、
メザシとはお友達になりたい!
そして今までの境遇を酒を呑みながら語り合いたい。
メザシを肴に。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする