風の強い日はうれしい。
庭に杉の葉が散乱しているから。
それを集めて薪ストーブや七輪の火種にする。
マッチの火を杉の葉に点けると、しばらくくすぼって、
やがて煙が勢いよく立ち込めて、ポッという音がして、
めらめらと火が起こる。
その快感が心地よい。
杉の葉は山羊も食べる。
冬の餌が乏しい時、貴重な餌だった。
春、束ねてメダカの水槽に入れておくと、
そこに卵を産む。
ただ厄介なのは春。
陰険に花粉をまき散らす。
ここの周りは杉がやたらと多い。
でも不思議なことに都会にいるときよりも花粉症の症状は軽くなった。
山の杉はほとんど手入れされることもなくなった。
でもたまに伐採される。
その後は植林されることもなく、草が生え、雑木が生える。
日本の杉林は長い時間をかけて次第に小さくなっていくのだろう。
でもこれも良いことかもしれない。
手入れされないで何とか生き残り、1000年~2000年ののち、
屋久島のように巨木となって甦るのかもしれない。