誰もいない海

今朝は寒かった。
もうすっかり秋の気配。

夏の終わりは寂しい。
秋が来るとはさらに寂しい。

・・・と言っても、今さら夏だとて海に行くわけでも、山にいくわけでもない。
それでただただ暑いだけの夏。
涼しい秋こそうれしいはずなのに、
それでも何か物悲しい。

海を見に行った、瀬戸内海に。
ただ海を見たかったから。
海の臭いを、寄せては返す波の音を、
ただ聞きたかったから。

でも瀬戸内海はやっぱり瀬戸内海だった。
温暖で穏やかで、いつものったりのたり。
瀬戸内海は春こそふさわしい。

秋はやっぱり日本海。
昔、一人旅して出雲に行った時のことを思い出す。
稲佐の浜の荒海を無数のウミネコが乱舞してたあの時を。
ただただやるせなく疲れて、
浜辺にたたずみ、ウミネコの鳴き声を聞いていた・・・あの時のことを。
誰もいない海を。

・・・なんて書くと、一人で海を見に行ったと思われるだろ。
でもそんなことない。
実は夏の終わりに手近なところで済まそうと、
同じ市の室津というところに孫たちと行っただけのこと。
ここから車で４０～５０分の室津というところ。
そこの道の駅では海岸で遊べる。
なんてこともない海岸だけどそれでも海は海。
海遊びの雰囲気は味わえる。
そして帰りは、奮発して（？！）「スシロー」で、この夏を終えたのだった。