開演直前の緊張感が好きだ。
舞台裏の楽器の調整の音が左の袖から聞こえてきて、
演奏者の緊張感が、特に最前列にいるともろに伝わって来る。
別にこちらは緊張することもないのになぁ~なんて思いながらも、
その緊張感が伝わって来て、次第に、期待にワクワクしてくる。
舞台の正面にはマイクと譜面と譜面台。
そして小さな机と(きっと)ウクライナ模様のテーブルクロス。
そしていよいよ、赤系のウクライナの民族衣装で片手にバンドゥーラをもったデューラナターシャ・グジーさんの登場。
バンドゥーラはウクライナの民族楽器でリュートや琵琶と同じ系統の楽器。
古代ギリシャから伝わった楽器が東北に広がってバンドゥーラになり、
西に広がってリュートになり、はるばる東に広がって、中国や日本で枇杷になった。
ギリシャで吟遊詩人がイーリアスやオデュッセイアを語り、ヨーロッパでは騎士物語を語り、日本では平家物語を語ってきた。
ウクライナでは盲目の吟遊詩人たちが、日本では琵琶法師たちが叙事詩を語り伝えてきた。
バンドゥーラを見ると、そんな思いが、シルクロードの東の果てから西の果ての日本、
そしてウクライナとの、そんな微かな時のつながりをとっても感じることが
できた。
バンドゥーラはバチでたたく琵琶と違って爪ではじく。
爪をはじいて音を出すため、ギターや琵琶風に和音を出すのでなく、ハープのように単音をだす。
ただ弦が60本くらいあり、チェロとヴァイオリンが一緒になったような楽器で、それで低音部も出せる部分もあるので1本でメロディーだけでなく、低音の伴奏もできる。
それに楽器の見栄えがとってもいい!
見栄えを言ったら、弦楽器だったらぜったいハープかバンドゥーラだね。
ハープはとっても重そうだけどバンドゥーラは膝の上に置いて引く。
一見軽そう!・・・でも本当は8キロ~10キロあるらしい。
8キロ~10キロと言うとチェロくらい?あるいはコントラバスくらいかな?
でもチェロやコントラバスだとケースに入れて移動する姿を見ると、思わず運ぶの手伝ってあげようかなぁ~なんて気になるけど、
バンドゥーラだと一見軽そうなのでぜんぜんそんな気にはならない。
・・・ところで
・・・うむ?
楽器の話ではなく、コンサートの話だったよね・・・。
ところが今宵も困ったことにまたまた酔っぱらってきた。
(次回は明日です・・・うぃぃ~~~!)