ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

ラルトンセ (L'Artenset) 再び

2017-10-06 13:03:06 | 食べ物
昨年の秋に経営者が変わって以来初めて、村のレストランに行ってみたのは8月末。3コース19ユーロという値段のわりには、とても洗練された料理だったので、再度試してみた。一番安いコースが20ユーロに値上がりし、メニューも変わっていた。前回は暖かい夏の晩で、バルコニーでの食事はとても快適だったのだが、さすがに9月下旬は寒くて、バルコニーは閉鎖されている。

ここは、昼間は日替わり定食で大賑わいだが、夜は金曜日と土曜日しか営業していない。先週末は村の教会で結婚式があったためか、夜も駐車場は満杯だったが、この夜は、私たち二人のほかは、4人グループが2組だけ。

まずは、突出し。




前菜は、落とし卵のトマトベースのエビソース添え。サクサクのパイ生地付き。



メインコースは小鴨。焼き具合はミディアムを注文したが、かなりレアに近かった。ナスのチーズ焼きは、ナツメグ味が強すぎて、ちょっと苦手。ハッシュドポテト(だと思う)は、ベーコンやナスを刻んだものなどが入って、ボリュームたっぷり。デザートに備えて、半分残すことにした。



デザートは、ババロアと言う昔懐かしい響きに惹かれて、マンゴのババロアを選んだ。ババロアなんて、日本を離れてから聞いたことがない。子供の頃、ケーキ屋でのお気に入りだった。当時のババロアは限りなくカスタードプリンに近かったように記憶しているが、これはどちらかというとムースに近い。



前回は、期待していなかったためか、新鮮な驚きで感動したが、今回はちょっと期待はずれの感が否めない。来年までさようなら。

L'Un Des Sens 再び

2017-09-13 14:57:20 | 食べ物
イギリスから4泊5日で我が家に泊まりにきた義弟を連れて、1年以上ぶりに、ヴィユフランシュ・ド・ロンシャのL'Un Des Sensを訪れた。創作フュージョン料理の店。今回も3コース・32ユーロの「探検コース」にしたものの、内容はすっかり変わっていた。



前菜は、3人とも、鯖のペーストを茄子で巻いたもの。この手のヌーヴェル・キュイジーヌ風レストランの前菜にしては、ボリュームたっぷりであった。カリカリのパンとトマトとバジリコのゼリー添え。



私のメインコースは、7時間調理した(7時間というのは、きっとフランス料理の慣用語で、長時間を意味するに違いない。よくメニューに出てくる表現)子羊肉の春巻き。春巻きにミントソースというのが、東洋と西洋の交わるところ。メニューで理解できなかったboulgour de bléは、クスクスのことであると、実物を見て納得。



これは、旦那と義弟が注文した鴨のロースト、サクランボソース添え。



デザートは、苺のミルフィーユ、レモンクリーム添え。真っ赤なソースは、ビーツ。

どれもおいしかった。何より、一つ一つの品、添え物のちょっとした料理やソースにまで、手間をかけているのがわかるのが嬉しい。フランスを発つ前にもう一度行きたい店。イギリス人客も多いようで、英語のメニューもある(もっとも、レストラン表現が多いので、翻訳すると、なんだかよくわからない表現が多い)。





ル・プレソワール(Le Pressoir)

2016-09-22 16:44:40 | 食べ物


ここも、ラルトンセの女主人お薦めのレストラン。結局、お客様たちは、レストランで食事より家でバーベキューのほうがいいということで(9歳の女の子と、あまり言うことを聞かない子犬が一緒だととレストランでの食事は難しい)、結局、お客様滞在中は、外食をしなかった。が、ル・プレソワールは9年前に行ったきりだし、お薦めなので、ぜひ行ってみようということで、お客様たちがイギリスへ帰った後の9月初めに行ってみた。



ル・プレソワールは、家から車で30分ほどのサン・メアール・デ・グルソンという小さな村にある。ここに至るまでは、昔はひどい田舎道だったが、今では舗装されて、村もすっかりきれいになった。プレソワールは、圧搾機の意味で、ここ、ベルジュラックのワイン圏のど真ん中で、圧搾機とは、もちろんブドウの圧搾機を意味する。その名の通り、店内には、大きな圧搾機がデコレーションとして真ん中に座っているのだが、この日は、夕方になっても、気温が20度半ばと暖かく、店内は暑すぎるのだろう、テラス席だけとなっていた。



ア・ラ・カルト・メニューから、好きな前菜・メインコース・デザートを1つずつ選んで30ユーロというセットを選んだ。このほかに、43ユーロのおまかせセット(Menu Surprise)というのもある。あまり、おまかせして、アンデュイエットのようなものが出てくると恐ろしいので、自分で選べる30ユーロのコースにした。



ロゼのワインをボトルで頼んだら、ベルジュラックの名前入りの袋に入って出てきた。このボトルの注ぎ口に挿入する円形の滴り防止用プラスチックは、なかなかいいアイデア。これを見かけたのは、これで2軒目だが、ラン・デ・ソンスでは、ベルジュラックの風景画が付いたお土産用のようだった。買えるかどうか聞いてみようと思っていたが、食事が終わったら、すっかり忘れてしまって、聞きそびれた。



前菜は、ホタテ巻きのセロリアックと緑リンゴ添え。フランス語では、Makis de Saint Jacques。フランス語でも、Makiというのねと思った。ちゃんと海苔を使っている。セロリアックと緑のリンゴはマヨネーズ味。なかなかおいしかった。夫は、エビのラビオリを注文したが、これはあまりはっきりとしない味付けでいまいち。



メインは、タラ。ズッキーニのケーキ(と言っても、マッシュしたズッキーニという感じ)と野菜添え。これもなかなかおいしかった。



夫は、ステーキとエシュルニャック(近くの村で、トラピスト寺院で高価なチーズを生産している)チーズ風味のポテト添え。



デザートは、ラズベリーのティラミス。ご覧の通り、ティラミスというメニューの表現とは見かけもずいぶん異なるが、ラズベリーパフェと思えば期待を裏切られたと憤慨することもない。



夫が選んだデザートは、ペリゴール(地元の地方)産クルミを使ったケーキ。

食事が出てくるのがちょっと遅いことを除けば、いいレストランだった。ウェイターの青年の接客態度はいまいちであったが、女主人の腰の低さは、まるで日本人並み。静かな物腰や、ちょっと褒めるとすぐに「ありがとうございます」というタイミングまで、まるで日本人を思わせる気の遣いかた。前世は日本人だったのでは?料理は、ラン・デ・ソンスよりは劣るが、ここもぜひまた来たいレストラン。





ラン・デ・ソンス (L'Un Des Sens)

2016-09-06 12:41:32 | 食べ物
イギリスからのお客様をお連れするレストランを発見すべく、わたしたちのレストラン探しは続くのだった。

というわけで、これはラルトンセ女主人ご推薦のレストラン、ラン・デ・ソンス。英語訳は、The One of the Ways (Senses)ということになるが、Sensには方向と感覚の両方の意味がある。感覚だったら、きっと5感のうちの味覚を指すのだろうけど、方向を意味するとしたら、こここそ、正しい方向という意味だろうか。

我が家から車で30分ほどのヴィルフランシュ・ド・ロンシャという村にある。それほど遠くはないのだが、なにしろ田舎道で、路面もデコボコのあまり快適でない道のりである。この日は金曜日で、8月中は、毎週金曜日、村の教会広場で、ディスコが開かれている。でも、広場に面した店内に入ると、ディスコの音楽はまったく聞こえない。奥には大きな窓があって、裏の谷間に広がる田園風景が一望できる。次回は、窓際の席を予約したい。

いくつかのコースがあって、前菜・メイン・デザートの3コースで32ユーロの「探検」コースを選んだ。ここもお通しあり。



前菜のロースト・ポークのトースト、リンゴのコンポートとたまねぎのジャム添え。絶品でした。




メインは、モンポン(近くの町)産のチョウザメとジャスミンライス。



こちらは、夫の選んだ鴨の胸肉のロースト。



デザートは、自家風イチゴのメルバ。白チーズのシャーベットとラズベリーソースとピスタシオ味の生クリーム添え。



木の実のケーキとミルクチョコレートムース。

どの料理も、すべておいしかった。アペリティフに注文した、生ビールが一杯(つまり250ミリリットルということだが)、5ユーロはとんでもなく高かったが、ワインは、15ユーロで、レストランとしては普通。

さすがに、ラルトンセ推薦だけあって、とてもオリジナルな料理で、別格だった。この前日に行ったオーベルジュ・デュ・ミュゼとは大きな違い。ミュゼも悪くなかったが、伝統的なペリゴール料理中心で、取り立てて特別なところがない。ここは、また来て、他の品も試してみたいと思った。







ラルトンセ (L'Artenset)

2016-08-30 17:28:58 | 食べ物
イギリスからお客さんが来るので、その下見も兼ねて、久々に村のレストランに行った。

まずは、お通し。



メロンのガスパチョ、ムール貝のムースと、ちょっと変わった趣向。ムースは本当にムール貝の味がする。



ヤギのチーズとベーコンのパイ。



マグロと夏野菜。バルサミコ酢と生のマグロのコンビネーションが日本的な味。



メインの豚肉の脂肪煮(コンフィ)。鴨のコンフィほど、油っぽくなくて、実においしかった。



デザートのクレーム・ブリュレ。とてもクリーミー。



プロフィタローレ。昔は、手作りの大きなシューだったのだが、これはたぶん冷凍だと思う。


2日後の土曜日から、2週間のお休みに入るということで、いくつかの料理が品切れだった。しかも、ちょうど、お客さんたちが来る時期に休業とは。代わりに、お勧めのレストランを教えてもらった(こういうところが、イギリスやフランスのいいところだと思う。聞くほうも聞くほうだが、普通は、商売敵を推薦するなんて考えられないことだ。)

2週間の休業後は、経営者が変わり、今のオーナーは、近くの町のレストランを買い取って、開店するのだそうだ。常連とは決して言えなかったが、ショック!話を聞くと、ここでの営業は4年間に渡るとのこと。月日が経つのは早いものだ。新しいレストランは、2階が住居になっているので、ここより理想的だと、オーナーは笑顔を隠せない。こちらは、こんなに近いところにいいレストランがあるという便利性がなくなって、大ショックを受けているのに。一つの時代の終わった感じ。

+K タペス

2016-03-24 15:38:25 | 食べ物
2泊3日のバルセロナ小旅行中、もっぱらお世話になったのは、泊っていたアパートホテルのビルの一部であるタパスのチェーン店「リサラン」(Lizarran)であったが、+Kタペスは、バルセロナ・センツ駅前にあって、ここで、今回のバルセロナ旅行最後の食事を取った。



これは、代表的なタパスのパタタス・ブラバス。ここのブラバ・ソースは辛味がきいている。



このほかに、蒸したムール貝、カラマレス・アラ・ロマーナ(イカリング揚げ)、甘い玉ねぎと一緒に煮たチョリソ(といっても、パプリカが入っていなくて、普通のソーセージに近い)を注文した。ウェイターのお薦めで、トマトを塗ったコカブレッドのトーストを追加。このコカブレッドが実に香ばしくておいしかった。ムール貝は柔らかくて、絶妙の調理具合。地ビールのエストレラ・ダムもおいしかった。

ちなみに、こんなに多くの日本料理店を海外で見たのは、バルセロナが初めて。ロンドンでも、これほどの数の日本料理店はない(90年代初めのロンドンでも、これほど多くの日本料理店はなかったと記憶する)。もっとも、どこまで本物の日本料理かは疑問であるが。宿の近くの日本料理店に入ったら、見た目は東洋人だったが、日本語を話さないウェートレスが出てきた。




レバーテ再び

2016-03-11 12:43:10 | 食べ物
レバーテ再び


ご無沙汰しました。なんと1年以上も更新していなかったなんて、驚き!(まさみさんのおかげで、この事実に初めて気が付いたくらい)

で、1年1か月ぶりの更新記事は、再びレバーテ。今年も、友人の友人、フィルがイギリスからスペインに来たのを記念してのレバーテ訪問だったが、今回は、フィルの新しいガールフレンドでポーランド人のバシャが一行に加わった。

実は、1か月前、別の友人たちがスペインに来た折にレバーテに行こうと言っていたのだが、その時は、あいにく1か月間の改装休業中だった。改装後のレストランに行くと、メニューがすっかり変わっている。19ユーロのお試しセットメニューがなくなっていたのが残念。

新しいセットメニューは、27ユーロ95セントで、一口サイズのお試し前菜(ビーツとオレンジのガスパチョ、カマンベールチーズのフライ、エビのムース)の後、サラダ、リゾット、メインコース(6つの中から選ぶ)とデザート(4つのうちの1つ)という5コース。ボリュームがありすぎて、たぶんサラダかリゾットなしの3コースか4コースで、その分値段が安いほうがよかったなという感じ。

サラダは、チコリとアーティチョークに、カラメル化した洋ナシが添えられているが、なんといっても話題の中心は、ブルーチーズのアイスクリーム。食べているうちに受け入れる人が出てきたが、最初はかなり批判があった。もし温度差の妙を狙ったのなら、ブルーチーズのムースにすべきであったと私は思う。アイスクリームの甘さとブルーチーズの塩辛さは両立しない。

リゾットも、アーティチョーク入りで、ブルーチーズ風味(たぶん、ブルーチーズとアーティチョークをまとめ買いしたのだろう)。これはバターとブルーチーズの香りがとてもよくて、マル。でも、ボリュームがある上に、リッチなので、メインコースが食べられるかどうか心配になった。

私のメインコースは、鴨のパイ(写真で、骨が真ん中に突き立っているもの)。ソースはおいしかったが、鴨と一緒にスイートポテト(サツマイモよりもっと色が濃くて甘い)がパイの中に入っていて、甘辛混合が嫌いな私には、ちょっと苦手な味であった(メニューを見たとき、スイートポテトは添えもので、まさかパイの中にまで入っているとは思わなかったのだ)。うちの旦那は、子羊肉を選択。とても柔らかくて、こちらのほうにすればよかった。

デザートは、菫のパンナコッタの苺ソース添え。うちの旦那は、キャロットケーキのニンジンアイスクリームとローズウォーターゼリー添えを選んだ。彼は、ニンジンアイスクリームを結構気に入っていたが、ニンジンの苦さがアイスクリームの甘さに勝っていて、これもまた私には苦手な味。

メニュー全体を通して、なかなか斬新な試みであった。あまりにも革新的すぎて、1か月前に連れてくるはずだった友人(食に関してはとても保守的な人)と一緒に来なくてよかったというのが、全員の一致した意見であった。

レバーテ

2015-02-25 16:49:37 | 食べ物
先日、友人夫婦2人と彼らの友人で、イギリスから泊まりに来ていた男性と、5人で、レバーテ(Rebate)という村にあるレストランに行って来た。村と言っても、このレストランとオレンジの出荷場しかないところだ。レストランの敷地内には、教会と披露宴ができる大きなテントとテラス付きで、結婚式などのイベントにも使われる。

15ユーロ85セントのメニュー・デル・ディアを選んだ。前菜には、ギリシャ風サラダ、ムール貝、シュチューなど7種類の料理が掲げられていて、予め、そのうちから1種類を選んでいたら、なんと、7種類全部出てくるのだと。うれしい驚き。


これは、冷たい前菜。


その後、温かい前菜3種類。

メインコースは、3種類の中から、ほうれん草を巻き込んだチキンのクリームソース添えを選んだ(これだけは選択制)。


最後は、デザートで、これもちょっとずつ3種類のデザートを試すことができる。クリーム、カスタードに、カステラのマーマレード添え。


庭に、3ユーロという看板の付いたオレンジ6キロの袋があったので、レストランの受付で金を払って、買って帰る。さらに、敷地内のみやげ物やで、工芸品やジャムなどの展示・即売をのぞいて、アールデコ風の一輪挿しを買った。

寒い日で、ダチョウなどのいる庭をゆっくり散歩できなかったのが残念だったが、食事は十分堪能した。我が家にお越しの際は、ぜひご案内しますので、みなさん、遊びに来てください。


ベルリナー

2014-12-24 12:48:11 | 食べ物
ご無沙汰しました。10月中旬から、スペインに滞在しています。

2年前に、トーレビエッハの教会広場で行われたクリスマスキャロルの合唱の後にも、ベルリナーに行ったのだが、そのときは、カレーブルストが売り切れだった。というわけで、今回ついに念願のカレーブルストを食することができた。結果は、大満足。ここでは、ケチャップベースのカレーソースが、ソーセージに巻くように絡められている。最初は、ベーコンが巻いてあるのかと思ったくらい。

ベルリナーは、ドイツ人経営のレストランで、これは10ユーロ50セントのメニュー・デル・ノチェ(夜の定食)のチョイスの1つ。前菜には、グーラッシュを選んだが、これも、大正解。たくさんの野菜の風味が口いっぱいに広がる。小さなスープカップで供されたが、肉も豊富に入っていて、十分な量だった。パンとホームメードのアリオリ(ガーリックマヨネーズ)もおいしかった。前菜の前には、スペイン風に、サラダが大皿で出てくる。これに、カレーブルストを含め、ウィンナー・シュニッツェルなどのメインコースから一品。その後は、デザートなのだが、このチョイスはちょっと期待はずれ。アイスクリームか、ブラウニーか、パイナップルの生クリーム添え。デザートが楽しみなイギリス人たちには、ちょっと物足りない選択であった。で、4人ともブラウニーに落ち着いたのだが、これが、イギリスで知られているブラウニーより、ずっと軽い。チョコレートスポンジケーキという感じで、味もしつこくなく、とてもおいしかった。これに、コーヒーと一人当たりハーフボトルのワイン付きで、10ユーロ50セントは、とてもリーズナブル。

みなさま、楽しいクリスマスをお過ごしください!


オテル・カサ・アスコナ

2014-06-06 15:42:41 | 食べ物
スペインからフランスへの道中、パンプローナ郊外で一泊した。過去2年間、パンプローナ空港近くのビジネスホテルを利用したが、昨年、レストランの質の低下が著しかったので、今年は、別のホテルに泊まることにした。ホテル予約サイトで、Hotel Casa Azconaを選ぶ。

マナーハウスを改造したホテルということで、建物や部屋の写真もなかなか美しかったし、レストランの食事の評判もよかったのが、決定した理由。パンプローナ環状道路の外、わずか1キロほどで、フランスへの道筋を外れずに済むのも魅力だった。サンチャゴ・デ・コンポステーラ巡礼の道にも近い(実際には2キロも離れているそうで、決して巡礼路とは言えない)。

到着したときには、地元の人たちや、サイクリストでにぎわっていて、なかなかいい感じだったのだが、チェックインして落ち着いた後、テラスのバーに出てみると、宴の後という感じで、ゴミは散らかり放題、グラスやカップは放置されて、汚い。部屋は清潔で、内装も感じがよいのだが、とにかくうるさいホテルだった。この日は土曜日で、たぶん、地元の女の子たちの最初のコミュニオン(聖餐式)があったのではないかと思うのだが、レストランでは、団体の昼食が終わったばかり。その後、午後から深夜まで、ずっと家具を動かす音が絶えなかった。夫曰く、こんなに騒々しいホテルは初めてということだったが、このホテルよりうるさいホテルは、幽霊の出るアラルコンのパラドールだけだろう(ムーア人の王子様が激闘の末、討ち死にしたという中世のお城を改装したアラルコンのパラドールで、塔の最上階の客室に泊まったのだが、一晩中、階段を上り下りする足音と家具を動かす音が途絶えなかった。わたしたちの部屋の上には、事務所があるのみだったのに)。

期待していたレストランは、混乱状態。渡された英語のメニューを見ながら注文したが、ウェートレスは英語を解さない。心配したとおり、注文したものとは異なったものが出てきた。こんなことだったら、初めから、スペイン語のメニューで注文すればよかった。

ここは、セットメニューがなくて、前菜は10~16ユーロ、メインコースは、11~19ユーロと、スペインのレストランにしては高い。写真は、前菜のタコのガリシア風(やわらかくなるまでゆでたタコに、パプリカとオリーブオイルをかけたもの)。タコの下にはゆでたジャガイモが敷かれている。あまり味がなかった。この料理は初めてだったので、試しに注文してみたが、11ユーロも出したら、もっと感動的な味を期待するところだ。もう2度と食べてみることはないだろうと思う。

ウェートレスもウェーターも、まるで働き始めて間もないかのよう。食事中、三度、厨房で食器を割る音がレストランに響き渡った。勘定書きを頼んだが、あまりにも長くかかるので、レストランを出てきてしまった。慌てて追いかけてきたウェートレスに部屋番号だけ告げたが、いったい何を勘定書きに付けられていたのかは、永遠にわからない。

来年はまた新しいホテルを探さなくては。