ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

アンドゥイユ経験

2009-07-27 13:16:23 | 食べ物
わたしは食べ物に関してはかなり冒険的であると思う。特に「地元名産」とか「伝統の」とか頭に付くつくと、試してみずにはいられない。

ブライアンとメリルが家を売る契約にサインをする前日に、冷蔵庫と戸棚を空にするため、我が家にいろいろな食べ物を持ってきた。そこで、普段なら買おうなどとも思わない食べ物を試す機会に恵まれたわけである。その中に、噂に聞くアンドゥイユ(それともアンドゥイエットだったかな?どちらも同じようなもの)があった。ドイツ人のマーク(われわれはドイツマルクと影で呼んでいる)が買って持ってきたものだという。

アンドゥイユとは、わたしの電子辞書の「世界料理・メニュー辞典」には、「豚の腸に肉、血、紐状に切った内臓を詰めて火を通した腸詰」とあり、まったく食欲をそそらない描写である。スーパーのパッケージには、ピュアポークと書いてあって、その下に材料表示があるが、「豚の胃の脂肪」というのを見ただけで、これは先を読まないほうがいいと判断した。

ドイツ人のマークが買ったものでもあるし、見た目はまるでドイツのソーセージのようである。そこで、ドイツ風にゆでようか、それとも焼こうかと迷ったのだが、ガスバーベキューで調理することにして正解。たいへんな脂で、バーベキュー器具自体が燃え上がるほどであった。

焼きあがったアンドゥイユにナイフを入れてみると、鼻を突く匂い。これは田舎の匂いである。農家の匂いとも言える。豚小屋の匂い、あるいは肥やしの匂いとも言えるかもしれない。とにかく、臭い。で、息を止めて食べることにした。切り口を見ると、なにやらびらびらしたものが入っている。これが「紐状に切った内臓」かもしれない。息を止め、さらに今度は食べているものは見ないことにした。

がんばって1本食べたが、それ以上は無理だった。夫は「気持ち悪い」と言いつつ、2本食べた。もう2度とアンドゥイユあるいはアンドゥイエットと名のつくものは食べたくない。勇気のない人は絶対に避けましょう。フランスの臭いチーズなんて、足元にも及びません。

写真は二重の虹。上の虹はぼんやりとだけだけど、見えるかな。ちなみに今日のフランス・ドルドーニュ地方の天気は昨日までは30度を越える晴天でした。

フランスのレストラン状況

2009-07-21 18:27:00 | フランスの生活
今日のフランス・ドルドーニュ地方は最高気温34度

6月初めに、2軒隣のブライアンとメリルのところに、イギリスからブライアンの弟のスティーブとその妻・デニースが遊びに来ていたときに、6人でラ・ショミエールに行ったときの写真をまだアップしていなかった。早くもその1ヶ月半のうちにブライアンとメリルは家を売って、今はマン島の人となってしまった。

フランスの田舎にも不況の影響は顕著になっている。ラ・ショミエールは小さいながらも、いつも満席だったのだが、この日の客は、わたしたち6人とフランス人カップル1組のみ。

ラ・ショミエールは5月に経営者が替わった。20代のお嬢さん、マリー(オーナーの娘らしい)と昨年結婚したばかりのシェフのだんなさんが、新天地を求めて、ボルドーにレストランをオープンするため、この店を売ったのである。ボルドーは70キロほど離れていて、常連を連れて行くこともできない距離。新しいことを始めるのには、困難な時期だが、どうしているのだろう。かわいいウェイトレスはそのまま現オーナーに雇われたようで、ほっとした。

ラ・プートルも経営者交替。パリ出身のマリー・ロールとスペイン人のご主人カルロスは引退するということである。この店は逆に、あまり人が入っているのを見たことがなかった。6月に新装開店したが、新しいオーナーは、アイルランド人のデニス。マリー・ロールの出す料理はフランス家庭料理だったが、デニスはきちんと修業をした本格派シェフだそうである。

簡易食堂のようなルー・マルミトゥーは、4月に今年初めて行ったときは、驚くほど閑散としていた。おまけに、メニューもいまいちで、チーズの大皿は種類も量も少なく、「ここですら、不況のあおりを食っているのか!」とショックを受けた。が、次に行ったときは、町内会パーティーのようなものが開かれていて、50人くらいの客がにぎやかに食事をしていた。この日のメニューの子牛のローストもおいしかったし、チーズも豊富。

一番残念なのは、中華料理のバイキングが評判だったキム・ギアンである。昨年オープンしたときには量も種類も豊富で、満席だったのだが(寿司らしきものもあった)、その後坂道を転げるように、質が低下したとのこと。悪評はブライアンとメリルから聞いていたのだが、一度だけチャンスをあげようと行ってみたら、客はウェイトレスの友人グループだけ。種類も去年よりずっと少ないし、食べ物が少なくなっても、補充するでもない。しかも、この日は暑い日で、エアコンのないうなぎの寝床のような店内は気分が悪くなるほど、蒸し暑かった。昨年は確かにポータブルのエアコンがあったはずだが、あれはどこへ行ったのか?

というわけで、もうフランスでは2度と中華に行くことはないだろう。残念。