ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

もうすぐフランス

2006-05-31 13:33:48 | スペインの生活
のち今週末にフランスに向けて出発の予定である。土曜の夜にスペインを出発し、フランスには日曜日の午前中に到着予定。まだ我が家には何もないので、ベッドを買うまでは、前回も利用したイギリス人夫婦経営のベッド・アンド・ブレックファーストに泊まることになる。

最初の1週間は買い物やら家の改装やらでばたばたすると思われるので、仕事のほうは休みをとることにした。2週目からは通常営業の予定であるが、ADSLが問題なく作動するかどうかにかかっている。

すでに電話の契約もできていて、到着したその日から使えることになっている。スペインとはなんという違いだろう!(スペインの家に電話が開通するまで、18ヶ月もかかった)もっとも、すでに電話線が引かれていたこと、前の契約者の名前がわかっていたことが幸いした。スペインから電話で申し込むと、その日に電話番号ももらえた(しかも、英語専用ラインに電話すると、手続きはすべて英語OK)。

フランスの電話で感心したのは、使用しない間は回線料を払わなくていいという点である。電話一本入れれば、接続を切断したり、再接続したりできるそうだ。しかも、このサービスは無料とのこと。さすがにこんなサービスはイギリスにもスペインにもない。年間4ヶ月ほどしか使わない家には理想的な仕組みである。

ブロードバンドのほうは電話開通2日後から使えるようになるそうだ。モデムはその前に家に郵送してくれるそうである。イギリスでもスペインでもスムーズに一発でブロードバンドが使えるようになったことがないので、わたしはかなり懐疑的である。スペインの例だと、電話線の申し込みは英語でできても、ADSLのサポートはスペイン語オンリーということがあるので、フランスでも油断はできない(ちなみに、わたしのフランス語は大学以来なので、めちゃくちゃさびついている。しかも、その大学時代ですらあまり自慢できるものではなかった)。

わたしたちの留守中には、知人が5日間ほど我が家を借りることになっている。本当は近所の貸し別荘を借りる予定だったのだが、空きが見つからず、わたしたちが助け舟を出すことになった。というわけで、人様に見られても恥ずかしくない家にすべく、家中の掃除と片付けで先週末から忙しい。自分たちがいないということは、どこを見られるかわからないわけで、これも困ったものだ。とりあえず押入れになんでも放り込んでおくという手段が使えない。わたしのことだから、最後はいつも開き直って、悪あがきをやめるだろうけど。


ヨーロッパ歌の祭典

2006-05-22 11:18:20 | 異文化・風俗・習慣
ときどき土曜日に毎年恒例のユーロビジョン・ソング・コンテストが行われた。今年で51回目だそうである。イギリスではみんな馬鹿にしきっているのだが、それでも毎年必ず話題にはなるという伝統の行事である。スウェーデンのアバもこの大会出場がきっかけとなって、世界的なスターになった。セリーヌ・ディオンがスイス代表として出場したのも有名である(作詞・作曲の国籍が問われるだけで、歌手は別の国の出身でもよい)。

今年の開催国はギリシャだった。前年の優勝国がその年の大会を主催するというのが規則で、あまりにも費用がかかるため、以前は、元ソビエト連邦国など経済的な余裕のなかった国々が優勝しないように努めていたという話もある。

これまでは一番の山場である得点発表の部分しか見なかったのだが、今年は初めて最初から最後まで合計24カ国の歌を聞いた。

ウクライナやクロアチアのような民族色豊かな歌と演奏もあれば、ドイツ代表のテキサス・ライティングというグループのカントリーウェスタンという意外な選択もあった。どの国も衣装やらダンスやら歌以外のショー的要素に力を入れている。今年は、特に足の長い女性たちが途中でスカートを剥ぎ取って衣装変えしたり、自慢の足を披露する場面がやたらに多かった。が、やはり一番目を引いたのは、フィンランドのヘビメタ(?)バンドである。全員、『ロード・オブ・ザ・リング』の妖怪たちまがいの格好で現れた。花火が炸裂するほど、舞台効果も凝っている。もっとも、歌のほうは全然記憶に残らないほど、印象の薄いものであったが。一方、フランスは、質素な白いドレスを着た女性が男性チェリストだけを従えて、淡々と歌うというものであった。「ソングコンテストなんだから歌で勝負だぞ」という姿勢の表れと取れないこともないが、実のところ、「こんな馬鹿馬鹿しいことに時間と金を費やせるか」というやる気のなさから来るのだろう。いかにもフランスらしくて、わたしとしては好感が持てた。

最後の1時間は、投票結果の発表である。各国の電話投票の結果が、ヨーロッパ各国から中継で報告される。投票には歌の出場をしなかった国も含めて、30カ国が参加しているが、この部分は馴れ合い主義の典型である。政治色が反映されることもあり、フランス・ドイツの意思に反して、イギリスがブッシュ政権に組してイラク戦争に突入した年には、イギリスの得票はゼロであった。(もっとも、歌手がひどかったことも大きな原因ではあったが)。

スカンジナビア国、旧ユーゴスラビア国、旧ソ連国がお互いに投票しあう。曲に投票するというよりは、好きな国に一票を入れるという感じである。最初からどの国がどの国に入れるかは予想するに難くない。中には、「美しいわたしたちの隣国に12点!」とまではっきりと身内びいきを表明する国さえあった。まったくやる気のない(歌手にも歌唱力がなかった)フランスが1点でも得票するかどうか疑問に思っていたのだが、もちろん、お隣のモナコが8点を入れたので、最下位は招かれた。最下位はマルタである。島国の悲しさか?

結局優勝したのは、妖怪バンドのフィンランド。来年は、ユーロビジョン・ソングコンテストではなくて、ユーロ仮装大会になるかもしれない。

せちがらい世の中

2006-05-11 17:30:18 | スペインの生活
先日スリの話をしたが、お向かいのヤンとティニーの家から、すみれの花を植えたプラスチックのプランタが盗まれたそうだ。通り(と言っても住宅地内の狭い私道で人通りは少ない)に面した低い壁の上に乗せておいたのだが、ある日家に戻ってみると消えていたとのこと。高価なものではないだろうが、それだけに、盗む人の気が知れない。いろいろなものを盗む人がいるものだが、盗んだ花を見て心が癒されるのだろうか。

イギリスでも植物や鉢の盗難はよくある。小さな木でも20ポンド(約4千円)はするし、植木鉢もいいお値段なので、盗んだものを売れば結構な儲けになるのだろう。対抗策として、大きな鉢をさらにどっしりと重い鎖で地面に固定されてしたりする家もあるらしい。

先日、地元の英字新聞に載っていた記事だが、ある町で公民館の開館式に住民を招待して、飲み物や軽食を振舞ったそうである。が、全員が室内で行われた式に参加した隙に、屋外のテントの中に並べられた食べ物は消え去り、飾りに置いてあった花までなくなっていたと言う。招待された住民にまぎれて入場した人たちが盗んだらしいが、せちがらい世の中になったものである。飢えるほど困っていたわけでもないだろうに。

昨日、近所のイギリス人レイとカーブーツセール(個人が不用品を販売をするのがもともとの趣旨であったが、新品が商品として売られていることもある)の話をしていたら、レイが近所のブーツセールで買ったという札入れをポケットから取り出して見せてくれた。1ユーロ(約142円)という値段よりわたしが驚いたのは、その札入れについていた鎖のほうである。札入れは鎖でショートパンツのベルト通しにくくり付けられている。アイアンメーデンの札入れなので、鎖はヘビメタというテーマにふさわしいが、これはどうみてもスタイルよりは盗難防止策だろう。すられた記憶も生々しいわたしはレイの知恵に感心した。これならスリだって手を出せないにちがいない。

すられた!

2006-05-01 16:00:41 | イギリスの生活
土曜日に近くのストリートマーケットに行った。2ユーロ(285円)のチョコレートとビールグラスの6客セット3ユーロ(430円)也を買った後、家に帰ったら、ポケットに入れておいた10ユーロ札4枚がない。もっともすぐには気がつかなかった。きっと無意識にポケットから取り出して、そのへんに置いたのだろうと家中を見て回ったが、どこにもない。

そう言えば家庭用品を扱う屋台で化粧品を見ていたら、赤ん坊を抱えた中南米人の女性がぐいぐい押してくるので、むっとしながらその場を離れたのだった。他人との間隔を広く取るイギリスでこういうことがあると、明らかに失礼なことなのだが、日本やスペインではその間隔がかなり狭いので、ちょっとむっとはしたものの、それほど気にはならなかった。が、今にして思うと、あれがスリだったのに違いない。

車上荒らしにノートパソコンを取られたのはそれほど惜しくはなかったが、現金を取られたのは悔しかった。こんなことだったら、チョコレート3つ買っておけばよかった(1つ2ユーロ、3つで5ユーロだったのだ)とか、あまり生きがよくなそうなゼラニウムだったが、買っておけばよかったとか次々と後悔が浮かぶ。だいたい、人様が汗水たらして稼いだ金を盗むという根性が気に入らない。

以前、ロンドンでも2回ほど未遂事件にあったが、実際に被害にあったことはなかった。一度目はセント・ポール寺院の近く。信号待ちをしていると、3~4人の中南米人の女の子のグループがやって来た。これは怪しいぞと思っていると、案の定一人がすぐ隣にからだを寄せて来たので、ハンドバッグを手で押さえて身をかわした。

次は、おもちゃ屋のハムリーズ。人のまばらな店内でエスカレータに乗っていると、肩から提げたバッグが動くのを感じた。バッグに手をやると、もう1つの手に触れたので、反射的にその手を払いのける。すると、東ヨーロッパ人風の男の子が「ソーリー」と言いながら、エスカレータを駆け上がっていった(あやまるだけ良心的だろうか)。

ハンドバッグはすられやすいというので、ハンドバッグを持たずにポケットに入れて出かけたら、この始末である。ポケットと言っても脇のポケットで、自慢ではないが、バミューダパンツと足との間にはそれほど余裕はなかったし、一緒に鍵の束を入れていたので、誰かが手を入れたら感じそうなものだ。敵もさるものである。こうなると、どうやって現金を持ち歩こうか、途方に暮れてしまう。

教訓。手持ちの現金はさっさと使ってしまうべきである。すられるよりは、無駄な買い物でもしたほうがずっとましだ。