ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

ヴィアナの王子の食卓

2010-06-22 18:50:22 | 食べ物
今日のペドロランドは

パラドールのレストランは、地元の伝統料理を出すのが特色である。オリーテのパラドールのレストランでは、アラカルト料理のほかに、地元の伝統料理を少しずつ試せるセットメニューを用意していた。27ユーロで、「ヴィアナの王子の食卓」という名前がついている。ヴィアナの王子は、パラドールが一角を閉めている城を築いたナバラ国王カルロス3世の孫で、やはり城ゆかりの人だ。

まずは前菜の盛り合わせ。



チョリソ風ソーセージ、羊のチーズ、プルーンとアプリコット、包みのようなものの中に入っているのは、migasと呼ばれる伝統料理で(羊飼いのミガスとか、小百姓のミガスとか呼ばれるので、たぶん貧しい人たちの食べ物だったのだろう。残飯整理用の食品でもあるようだ)、基本的には油で揚げたパン屑である。それにかりかりのベーコンが添えられている。ミガスが王子の食卓に上がったとは思えないが。

続いて、煮野菜(セロリ、豆、ニンジン、アーティチョークなど)のコース。野菜だけドーンと一皿。イギリスだったら、これはメインコースとして、肉と一緒の皿にほんのちょっと添えられて、出てくるところだろう。

メインコースは子羊のシチュー。



肉は柔らかく、煮汁はたいへん繊細な味でおいしかった。

デザートを待つ間、イングランドの試合の得点状況をチェックしに、部屋にひとっ走り。なんと1対1でアメリカに追いつかれていた。

再びレストランに戻り、デザートもやはりナバラ地方の伝統料理の盛り合わせ。

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ハチミツのかかったヨーグルト、ハチミツでローストしたクルミ、カスタードを固めて小さなパン状にして、油で焼いたもの。

さすがにお腹がいっぱいになり、炭水化物系のカスタードのトーストはちょっとだけ味見をして残した。地元の庶民的な伝統料理ということで、手の込んだ料理や贅沢な珍味というものではないが、ほかでは味わえないおもしろい体験だった。

ちなみに、翌日のバイキング形式朝食には、ミガスやソーセージ、ヨーグルトなど、かなりこのセットの残り物が含まれていた。それを知っていたら、夕食はアラカルト料理にして、朝食でこれらを試したのに。みなさん、オリーテのパラドールに泊まることがあったら、覚えておいてください。

オリーテ

2010-06-21 18:14:11 | 旅行
今日のペドロランドは

スペインに到着して1週間。先週は月曜日から3日間雨だった。近年ペドロランドの天気はおかしい。昔は、4月頃に夏が来たと思うと、9月中旬くらいまで毎日30度以上の晴天が続いたものだったが、最近は実に変わりやすい。先週後半からやっと晴れて暑くなった。

さて、これはフランスからスペインに移動する道中に1泊したオリーテの写真。



オリーテのパラドール(スペインの国営宿泊施設)に泊まったが、受付・食堂部分は城の一部となっている。この中世の城は、1500年代にナバラの国王カルロス3世によって建てられた。

この日は、城の隣のサンタ・マリア教会で結婚式が行われることになっていたようで、町中に「結婚免許皆伝」という文字と一緒に博士帽にマント姿の新郎の写真の印刷されたポスターが貼られており、バーでは、新郎の同じ写真をプリントしたオレンジのティーシャツを来た若い男性たちのグループがたむろっていた。近くのホテルからは着飾った男女が現れてくる。

この晩はイングランドのワールドカップ初試合。ホテルにチェックインすると、まっさきに部屋のテレビチャンネルをチェックする。デジタル放送・衛星放送完備で、スポーツチャンネルも充実しているので、絶対にイングランドの試合は見られるだろう。午後8時半のキックオフに備えて、7時に食事をする予定で、ホテルのレストランをチェックする。が、レストランが開くのは8時半からであった。近くのレストランを探すが、どこもみな8時半開店。スペイン人は夕食を取るのが普通9時からと遅いのである。すっかり忘れていた。

幸いイングランドのゴールは開始4分後にやってきた。最初の30分を見た後、レストランに行って食事をする(次の記事)。

右下の写真の黒いピラミッドは、オリーテ版ルーブル美術館のつもり?


ワールドカップ観戦はスペインで

2010-06-15 18:53:17 | スペインの生活
今日の天気はときどき



ワールドカップ観戦のため、スペインにやってきた。フランス人はあまりサッカーに興味がないし、興味のある人たちはバーでは試合を見ないで、家に集まった見るようである。で、フランスではまったく盛り上がらないので、いろいろな国籍の人の集まるペドロランドのほうがワールドカップはずっと楽しいということで、先週の土曜日にフランスの家を出発し、途中スペイン北部のパンプローナの近くのオリーテという小さな町のパラドールで一泊した後、日曜日の午後5時にスペインの我が家に到着した。ご近所のドルがパエリャを作り、近所の友達を呼んで、ウエルカムパーティーを準備して待ってくれていた。

写真はフランスの我が家の桜の木と地面に生えた苺。サクランボが盛りだったので、これを残してスペインに向けて発つのはちょっと残念だった。

判定

2010-06-02 12:15:03 | 食べ物
メインコースには、わたしは鴨の胸肉のラズベリーピューレ添え(写真)、夫はステーキを選ぶ。もう1つのチョイスは、海老(注文しなかったので、どんなものかは想像するしかない)。ステーキは、「こんなに味のない肉ははじめて」で、ペッパーソースは、薄くてまったく味がなかったそうである。鴨の胸肉は、焼き具合をアポワン(レア)と注文しておいてよかった。これでミディアムだったら、きっとかなりパサパサで固かったと思う。でも付け合せの野菜は悪くない。ラタトゥーユをロール状にした感じ。

その後は、お決まりどおり、チーズ。ステーキの付け合わせにも思い切りサラダが出てきた後なので、もうレタスは顔も見たくないと夫が言っていた。

デザートは、メニューによると、ティラミスがあったはずなのに、ウェートレスの口から聞かれたのは、チョコレートフォンダンかチョコレートムースだけだった。チョコレート嫌いだったら、選択の余地なし。これも、またもお粗末なチョイスである。

最後にコーヒーを注文した後、失敗に気がついた。ここまで2時間もかかっているので、この上、コーヒーを待っていたら、家に着くのは11時近くになってしまう。30人近いグループに食事を出しているので、忙しいのはわかるが、あまりにもサービスが遅い。このフランス人グループ、たぶん子供世代と親世代なのだろう、2グループに分かれて座っていた。それはよくあることだが、部屋の一方の隅のテーブルともう一方の隅のテーブルとで、遠く離れて座っているのは、なんとも不思議だった。親には聞かれたくないことでもある?

総合判定は、65点。ルー・マルミトゥーより6ユーロも高いのに(しかもワインが付かない)、ナイフとフォークを換えてくれない(ルーでは、皿もチーズコースまで同じものを使うので、それよりはいいかもしれないが)。たぶん、もう2度と行かないだろう。

サン・マルシャル・ダルトンセ

2010-06-02 11:58:23 | 食べ物
今日の天気はときどき5日ぶりに青空がのぞいた。



ブルーノが店じまいをして、引っ越した後、2年以上空き店舗になっていた村のバー・レストランが再オープンした。名前は、村の名前をそのまま取っただけの想像力のないもの。2人の女性が経営しているらしい。隣のバーのオーナー、ジャン・ピエールが、グルメレストランではないが、悪くないよというので、金曜日の晩に試してみる。この晩は、大家族の寄り合いがあったようで、私たち夫婦が7時半に到着したときには、男女2人が外で椅子に座っていたが、その後、だんだんに人数が増えていった。誰かが到着する度に、一通り握手とキスが交わされるのが、いかにもフランスらしい。

その様子を窓越しに見ながら、食事をする。18ユーロのセットメニューを選ぶ。もう1つは、25ユーロのセット。ここは、セットにワインが含まれない。定食屋ルー・マルミトゥーのワイン付き定食より6ポンド高いが、ちょっと高級なラ・ショミエールよりは若干安いくらい。

前菜は、トマトとヤギのチーズ入り卵のココット(左)かトマトのミルフィーユ(左)。ミルフィーユって、単に3枚重ねですが。おまけに中に入っているのはヤギのチーズ。つまり選択肢のどちらもトマトとヤギのチーズから成っているわけで、トマトとヤギのチーズが嫌いな人に救われる道はない。店側にしてみれば、仕入れた食材に無駄がなくていいのかもしれないけど、こんなチョイスはお粗末である。


パン作り再開

2010-06-01 17:47:52 | フランスの生活
日本帰国中に「最近パン作りはどうなっているの?」というご質問を受けたので。

パン焼き器はフランス据付けなのだが、昨年の夏はほとんど、村のパン屋の石より固いパンを食べていたので、あまり活躍しなかった。が、今年は、治療したばかりの奥歯がとても繊細なので、こんなパンをひと夏ずっと食べていたら歯がもたないと、パン作りを再開することにした。1度目は失敗。どうも発酵して膨れた後につぶれたようである。そこで、今度は水とイーストの量を減らして挑戦。イーストも新しくイギリスで購入してきたものを使った。今度は成功。こぶりながら、形もよい。今までよりちょっと固めだけど、フランスのパンよりは格段にやわらかい。

先日、村のバーに行ったときに、オーナーのジャン・ピエールから7キロほど離れたサン・ローラン・デ・ゾムという村の新しいパン屋がなかなかおいしいというので、そこのパンを買ってみた。これもやっぱり固めなのだが、我が村のパン屋よりずっとやわらかいし、おいしい。昨年からオーブンも入ったので、オーブンで10分間焼くだけというパンを買い置きしておくという手も使えるようになった。外はパリパリで、中はふんわりのこういうパンのほうが、イギリスで言うフランスパンにずっと近い(イギリスのフランスパンのほうが、フランスのフランスパンよりおいしいとわたしは思う)。というわけで、パンには、選択肢が増えつつある。

自分メモ:昨日我が家のサクランボの初収穫