今日のフランス・ドルドーニュ地方は
一時
ちょっと涼しくなって今日の最高気温は23度。
パラドールの特色のひとつは、レストランのお国自慢メニュー。レストランの内装は中世の雰囲気をかもしだしているところが多い。最近は、それぞれのパラドールで、30ユーロ弱で中世の食事を一口ずつ試すことができるメニューを用意している。ウェートレスやウェーターは民族衣装に身を包み、雰囲気たっぷり。ソス・デル・レイ・カトリコの中世メニューは、"La Mesa de Fernando El Cato'lico"と名づけられている。
まず前菜は、地元独特のパンに、ひよこ豆のクリーム(フマスそのもの)にいわしのマリネを添えたもの。それに、子ヤギのパイ、ムーア風ナス(キッシュみたい)。もう一品メニューにないものがついていた。これは何なのか不明。子ヤギのパイはとてもおいしくて、これだけ大きなサイズにして、メインとして出してもいいくらい。
次は、ポリオル"Porriol"鍋ということだが、要するにリークのスープ。なぜか油揚げの味噌汁を連想する味だった。
メインは、出てきただけで驚き。
要するにチキンのシチューなのだが、プレゼンテーションが変わっている。上に添えられているのは、ゆで卵の黄身。味付けは、白ワインに鳥のだし、アーモンド、ニンニクとローストしたサフランだそうな。
正餐が終わった後、これに使われたパンは貧しい人々に配られたということである。現在のパラドールでは、空洞にしたパンの中身は、ミガス(パンくずを揚げたスペインの伝統料理)に使われているに違いない。このパラドールにもミガスがアラカルトメニューにあり、しっかり翌日の朝食のビュッフェにも含まれていた。
デザートは、梨のコンポートのシナモンソース添え。
これはアラカルトメニューでもデザートとして選べるのだが、フルーツだからベジタリアン向きと思ったら大間違い。肉のストック、アーモンドとシナモン入りの牛乳で梨を煮てあるそうだ。仕上げにはバラの香りが付けられている。
最後に給仕長と思われる若い男性(スペイン人ではなくて、東欧人のようだった)が、このメニューの解説が英語とスペイン語の両方で書かれたパンフレットを持ってきてくれた。
簡単なレシピーも含まれている。アラゴン地方の料理の特色は、ムーア人(イスラム教徒)とユダヤ人の影響を受けていること、特にシナモンやサフラン、ナツメグなどのスパイス類がふんだんに使われていることらしい。
その後、隣のバーで無料のコーヒーをいただくことができた。
オリーテのパラドールは3つ星だったのに対し、ここは4つ星。設備もずっとすばらしく、内装も実に品がよく、センスもよかった。部屋もオリーテより大きく、バスルームもシンクを2つ備えて、豪華。料金はオリーテより安かった。レストランの中世メニューの内容(値段は均一のようだ)もオリーテよりよかったが、アラカルトメニューの値段はオリーテよりも高かったようだ。幹線道路より40キロほど外れることになったが、それだけの価値はある一泊だった。