ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

これってほんと?

2006-10-26 17:27:45 | 異文化・風俗・習慣
今日、ラジオのニュースで聞いた話。パリを訪れる日本人観光客のうち、毎年12人以上がフランス人の無礼さ・冷たさにショックを受けて、カウンセリングを受けているということである。イギリスのラジオで聞いた話なのですが、日本でこの話を耳にしたことがありますか?

もっとも、パリ人はフランス人の間でもたいへん評判が悪いようだ。田舎のフランス人がこの話を聞いたら、きっとパリの人間とは一緒くたにしてほしくないと言うに違いない。

パリへは10年くらい行ったことがない。最初に行ったときは、まだわたしも若くて、道を歩いていたりすると、どこからともなく怪しげな男がやってきて声をかけてきた。若い女性が一人旅をしているとうっとうしい。わたしが公園に座っていると男が話しかけてきたのだが、その男と話していると、顔見知りらしき別の男が寄ってきた。この男はその前の日にわたしが道を歩いているときに、話しかけてきた男だった。早口のフランス語で話し合っていたので、何を言っているのかわからなかったが、どこそこにはいいカモが多いとか情報交換をしていたのだろう。パリは若い女性を食いものにする町という印象がある。

このブログを読んでくださっているみなさまの中には薄々察していらっしゃる方もおられるかと思いますが、実はわたしはフランスにはあまりいい印象を持っていない。それでも、フランスでいいなと思うのは、人々の礼儀正しさ。ガソリンスタンドでも店でもスーパーでも、レジの人に向かうと必ず「ボンジュール、マダム」と挨拶をする。もちろん、最後のメルシーとオールヴワールも欠かさない。スペインではこれはそれほどよくあることではない(レジの人たちはお互いにおしゃべりするので忙しいし)。イギリスでは「ハロー」は普通だが、フランスでは「マダム」まで付いてくるところが、とても礼儀正しいという印象を与える。

が、イギリスでもスペインでもないのが、赤の他人同士でも目があうと必ず「ボンジュール、マダム(ムッシュー)」と挨拶を交わすことだ。これはとてもいい気持ちになってしまう。街角に座り込んでいる浮浪者でも、目があったら挨拶をする。金銭的には貧しいかもしれないが、礼節までは失わず、心は高貴なのだなと思ってしまった。

もう1つ今日地元(イギリス)のラジオを聴いていて発見したこと。フランスの我が家の前に立っている街灯は午前零時35分になると消灯する。ラジオのDJによると、これは省エネのためなのだそうだ。6月以来の疑問が解けた。フランスの環境問題に対する意識の高さに関心した。イギリスでも導入するべきだというのがこのDJの意見なのだが、わたしは懐疑的である。フランスの田舎、それも早寝早起きの農民ばかりが住んでいるところなら、これでも不都合はないだろうが、24時間眠らない都会ではこういうわけには行かないだろう。だいたい、犯罪が心配である。スペインのペドロランド近辺では、街灯が点かない夜(これがわりとよくある)は空き巣狙いが急増する。空き巣ならまだ穏やかなほうだが、地域によっては引ったくりや性犯罪などが増加する可能性もあるだろう。省エネもいいが、犯罪のほうがずっと心配だ。

いまだにイギリス

2006-10-25 17:43:08 | イギリスの生活
イギリス滞在も残り少しと書いたのは確か2週間ほど前だったと思うが、いまだにイギリスにいる。

イギリスからのお客さんはすでに日曜日に到着して、主のいないスペインの我が家に滞在している。幸い、予め空港でレンタカーを借りる手配をしていて、2週間昼間は自分たちで好きなところに行く予定だったようなので、わたしたちがいなくても特に困るわけではないようだ。が、せっかくスペインまで来てくれたことだし、2週目には彼らの友人でわたしたちもよく知っている家族が合流する予定なので、彼らがスペインにいる間にぜひスペインに戻りたいと思っている。

が、今年フランス・イギリス間を2往復する間に学んだことは、自分の力だけではどうにもならないことが世の中には多いということだ。3カ国体制も自分の計画したとおりに移動ができれば理想的だが、そうでない場合はストレスがたまる。気持ちを穏やかに保つためには、計画を立てない、期待をしない、物事が起きたときに臨機応変に対応するということだが、そうすると未来に対する楽しみがまったくなくなるのが残念だ。

実は、2週間前、わたしの健康上の理由で、今年いっぱいはイギリスに滞在することになるだろうと覚悟を決めたことがあった。もちろん、お客さんたちの滞在中にスペインに戻ることも断念した。が、その5日後には、すぐには治療を要さないことがわかって、一転いつでもスペインに帰れることになった。

が、問題は車。急ぐからということで、別の修理工場に下請けに出されたのだが、そこでもすぐには取りかかれずに2日間待った後、4日間かけて車が動くようになった。と思ったら、タイミングベルトのケースが入手できず、また待ちの人生。このケースは素人目にも壊れているのは明らかで、交換が必要なことは初めからわかっていた。修理を始める時点で同時に注文していたら、3日も無駄にすることはなかったのに。で、ケースが届いた後、すべてを組み立てて走らせみたら、テンショナーという部品がうまく作動していないことがわかり、この部品を注文することになった。これもまたなかなか手に入らない。やっと今日の午後になって入手できたそうで、いよいよ明日、引渡しということになった。

というわけで、もし明日車を引き取ることができれば、金曜日の夕方にフランスに渡る予定。そこで一部の荷物を降ろし、フランスに置いてきた荷物を積んで、スペインに向かう。たぶんフランスに滞在するのは1晩か多くても2晩となることだろう。

が、まだまだ油断はできない。最近ときどきフランス人港湾作業員が賃上げを求めてストライキを行っている。運休が出ているのは、ドーバー・カレイ間を行き来しているSea France社のフェリーだけだが、昨晩は新しい展開があった。ストライキ中の作業員が警察に逮捕されたというので、その釈放を要求する組合員によりフランスのカレイとブーローニュの港が閉鎖されたのだ。幸い今日は通常に戻ったようだし、わたしたちが利用する予定のフェリーはディエップ行きなので、よほどのことがない限りカレイやブーローニュの影響を受けることはないだろうが、最後まで何があるかはわからない。トモコさん、ご心配いただきましたが、やっぱり今度もハプニングなしにはイギリスを出られないようです。

イギリスはこのところ雨降りばかりだし、いよいよ寒くなってきた。スペインのお客さんからは、今日はベランダで日光浴をしているという報告も入ってきている。そろそろ南に渡るときが近づいている。

パン焼き器実験記録(5)

2006-10-17 12:15:27 | イギリスの生活
今回は失敗の巻。

クルミが袋半分残っていたので再びクルミ入り全粒粉パンに挑戦した。全麦コースは5時間かかるし、焼きたてのパンは切りにくいので、冷ます時間2時間を入れると、お昼にパンを食べるには5時にスイッチを入れないといけない。というわけで、いつも通り夜のうちにタイマーをセットして、朝そろそろ焼き始めるかなとパン焼き器をチェックすると、なんと表示は"BAKE"になっていて、"BAKE RAISIN"ではない!案の定、クルミはすっかりナッツ投入器の中に残っていた。

パン焼き器をセットするときにはいつもマニュアルを見ながら1段階ずつ確認しつつ操作し、最後にもう1度表示を確認するのだが、この前夜は慣れてきたので、マニュアルを見ないで、自分の記憶でやったのが間違いのもとであった。今日の教訓:油断大敵。

クルミ無しになってしまったことを除けば、クルミ入り全粒粉パンは成功。背の高いハンサムなパンが焼きあがった。

今回は砂糖と塩を少しずつ増やしてみた。砂糖はテーブルスプーン4分の3、塩はティースプーン4分の3。今回はあまり甘酸っぱい匂いが強烈ではなくて、味もイースト臭くない。もっともクルミが入っていたら、結果は異なっていたかもしれないが。

残っていたクルミは下からのパンの蒸気でふやけていたのだが、このまま次回使えるかな?

パン焼き器実験記録(4)

2006-10-11 12:42:22 | イギリスの生活
先週の木曜日は仕事の都合でロンドンに朝出かけたのだが、吐く息が白かった。ちなみにこの日は久々にラッシュ時の電車に乗ったのだが、午前9時半前はピーク時料金となって割引がないので、ロンドンまでの往復運賃はなんと20ポンド10ペンス(4500円)もした。毎日通勤する立場になくてよかった。イギリスは物価が高い(それでも、東京ほどは高くないらしい)。地下鉄の初乗り運賃も毎年値上がりして、いまや3ポンド(665円)である。

金曜日はいきなり暖かくなって、最高気温22度。この日の午後はたいへんな豪雨だった。一部洪水の被害が出たところもあったようである。それ以降は比較的暖かいが、雨が多い。

さて、今度は初めてナッツ・レーズン自動投入器を使って、クルミパンに挑戦した。クルミは2週間ほど前に自然食品店で買っておいたのだが、小麦粉のほうは袋に惹かれて、あまりよく考えずにwholemeal flourというのを買ってしまった。"very strong"というのと、カナダの国旗(カナダ産の小麦はとても粘りが強いと言われる)と、屈強そうな男性のパン職人の絵が魅力的だったのだ。本当はbrown flourというのを買うつもりだったのだが、このときは見つからなかったし。いったい、brown flourとwholemeal flourとはどう異なるのだ?と思って、ホームベーカリーの取説を読んでみたら、brown flourのほうは、製粉時に小麦の粒の10~15%を取り除いて作った小麦粉ということだった。

というわけで、今回はレシピにあわせて材料を買うのではなくて、材料に合わせてレシピを選ぶという異例の手順となった。全粒粉とクルミの両方を使ったレシピはわたしの手持ちのレシピブックにはなかったので、適当にアレンジした。また、全粒粉100%で具(?)入りのレシピというのもないようなので、適当に白の強力粉を混ぜてみることにした。今回の分量は下記のとおり。

白の強力粉:175グラム
全粒粉(ベリーストロングのカナダ産強力粉):225グラム
ドライイースト:テーブルスプーン1
砂糖:テーブルスプーン2分の1
バター:25グラム
スキムミルク:テーブルスプーン1と2分の1
塩:ティースプーン半分
水:330ミリリットル
クルミ:50グラム

全麦(whole wheat)のレーズン入りコースを選択すると5時間で焼きあがる。全麦小麦粉はふすまや胚芽などの小片でグルテンの筋が断ち切られてしまうため、また、豊富に入っているミネラルが発酵を妨げるために、イーストの量が普通の白食パンより多く必要で、発酵時間も長いのではないかと思う。

で、結果。いつもは高さ12センチくらいに仕上がるのが、今回は15センチくらいあった(写真では、パンは横に寝ています)。これは、ベリーストロングなカナダ産強力粉のおかげだろうか。今回は、甘酸っぱい匂いがとりわけ強烈だったことから考えると、イーストが多かったのかもしれない。味のほうも、最初の日はイーストっぽい気がしたのだが、2日目は全然イースト臭くなかった。歯ざわりに関しては、ふわふわで適度に気泡も入って合格。

「パンケースのノンスティック加工を傷つけることがありますので、ナッツ類は細かく刻んで入れましょう」という取説にしたがってクルミはできるだけ小さく切ったせいか、残念ながらクルミの味はあまり感じられなかった。が、クルミに関しても、2日目のほうが前日よりクルミの香ばしさが感じられたような気がする。今回の教訓。クルミ入り全粒粉パンは2日目のほうがおいしい。

書き忘れていたこと。松下は日本でも音が静かなので有名のようだが、我が家のホームベーカリーもとても静かである。買ってすぐに取説を読んだとき、「捏ねる過程で機械が動くことがありますので、作業台の端に置くのは避けましょう」と書いてあったので、わたしは壊れた洗濯機が床をのた打ち回る図を頭に描いてしまった。が、実際にはとても静かで、近くに座っていても、全く存在に気がつかないくらいだ。

イギリス滞在も残り少なくなってきた。フランスやスペインでどこまでパンの材料が手に入るか(グラナリーは登録商標だし、ドイツ風のパンが手に入るスペインは別としても、フランスではこの手のパンは見たことがないので、難しいかもしれない)が問題である。とりあえず、イギリス最後の食料品の買出しではグラナリーフラワーを3袋くらい買い込んで、フランス・スペインに持っていくつもりだ。

寒いっ!

2006-10-04 10:51:10 | イギリスの生活
9月は平年気温より3度以上も高く、イギリスの記録史上もっとも暖かい9月だったそうだ。7月も最高気温36.9度を記録し、やはりとても暑い7月だったそうである。7月も9月もちょうどわたしがイギリスにいた時期で、涼しく雨の多かった8月をはずし、イギリスの夏は逃さなかったことになる。

夏の戻りも終わり、月曜日から急に寒くなった。月曜日は1日中雨降り。月曜日の夜にセントラルヒーティングのスイッチを入れて以来(これはテストの意味もあったのだが)、昨日火曜日の朝、今朝と3日連続で暖房を使っている。晴れると午後から太陽がトレーラーハウスの片側に当たるので室温が上がるのだが、夜になって気温が下がると、トレーラーハウスはすっかり冷え切ってしまって朝は寒い。このところの最高気温は18~20度程度である。イギリスはすっかり秋らしくなってきた。

パン焼き器実験記録(3)

2006-10-02 18:43:54 | イギリスの生活
今度はグラナリー・ブレッドに挑戦することにした。granary breadを英和辞典でひくと、全麦のパンと書いてあるのだが、Granaryは登録商標のようである。Granary flourというと、麦芽の粒が入った全粒粉(読み方は「ぜんりゅうこ」でも「ぜんりゅうふん」でもよかったのですよね、kmyさん。)を意味するようだ。

わたしのホームベーカリーだと、全麦(whole wheat)コースで5時間かかる。メーカーのレシピだと、グラナリー小麦粉を普通の強力粉の代わりに使うだけで、そのほかの分量はまったく同じなのだが、これまでの白食パン経験から、バターと水とスキムミルクの量を増やし、塩と砂糖を減らす。さらに、今回からイーストを小さじ2分の1から4分の3に増やすことにした。全麦コースを選ぶと、耳の焼き色を指定することができない。

結果はとてもおいしかった。中身はふわふわでしっとり、香ばしい。ついに満足のいくパンができあがった。ぱさぱさしていないので、食べ切れなくても3日間は持つ。

ただし、おいしいパンの代償は高かった。ノンスティックの焼き釜の底には深い引っかき傷が。生地をこねる過程で、麦芽の粒でついた傷のようである。このままグラナリー・ブレッドを焼き続けたら、わたしのホームベーカリーはいったいどんな状態になるのかと心配になった。が、3回グラナリーを焼いた今、残っている傷はこれだけなので、だいじょうぶかもしれない。次はクルミ入りの黒パンに挑戦したいのだが、グラナリーファンの夫が許してくれるだろうか。