ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

聖ヨハネの祝日

2008-07-02 16:09:36 | 異文化・風俗・習慣
1週間以上続いた晴天と暑さが終わり、今日は曇り空。それでも気温は20度ちょっとである。昨夜は10分ほど雨が降り、遠くで雷があった。

土曜日は暑い日で、聖ヨハネの祝日の火祭りがあった。実際の洗礼者聖ヨハネの祝日は6月24日で、スペインのアリカンテでは毎年この日に大きな祭りがあり、数年前にその行事の一部を見たことがある。夜12時には盛大な花火大会まであった。

フランスのわが村のお祭りはかなり小規模。6月24日は今年は火曜日に当たったので、土曜日のこの日・28日ということになったようだ。ちらしが回ってきて、夜8時スタートということだったので、8時半頃に教会前広場(写真)に行ってみると、木陰に並べられたテーブルに10人ほど座ってバーベキューの食事をしているところだった。

真夏の夜の音楽祭

2008-06-23 12:30:13 | 異文化・風俗・習慣
こちらは市役所前広場から20メートルと離れていない別の広場前のコンサート会場で、こちらでは、サックス・クラリネットとドラムとキーボードによるジャズが演奏されていた。普段は駐車場のにわか仕立ての舞台と、普段はおやじバーとなっている向かいのバーの間にたくさんのテーブルと椅子が並べられ、5人のウェートレス(臨時雇いだろう)が忙しそうに働いていた。30人ほど座れる大きなテーブルもあったので、食事をしたグループもあったようだ。11時過ぎには、仕事を終えたらしい、近くのラ・ショミエール(レストラン)のウェートレスの女の子たちの姿もあり、知った顔を見つけてはキスの挨拶をしていた。ちょっとした町の社交場である。

驚いたのは、いったいどこにこんなに大勢の若者がいたのだろうかということ。普段は人気(ひとけ)のない町なのに、この夜は一斉に冬眠から覚めたかのように、あちこちで大量発生した若者の姿が見かけられた。

夏至の夜

2008-06-23 12:18:29 | 異文化・風俗・習慣
6月21日は夏至で、夏至にはフランス各地で音楽祭が開かれるそうである(ドルイド教かなにかのキリスト教伝来以前の土着宗教の影響なのか、それとも70年代のヒッピー文化の名残なのか?)。我が家から4キロほど離れたモンポン・メネストレルでも3箇所でコンサートがあるということで夜9時頃に出かけた。これまで雨続きだったのが、前日から晴れて、この日は30度を越える暑さ。ちょうどいい気候というのがなくて、いきなり暑くなったものだから、順応するのがたいへんとみんなぼやいている。が、この日は夜になっても暖かく、音楽祭には理想的な天候だった(ビールもよく売れたことだろう)。

写真は市役所前の広場(といっても、それほど大きくない)で開かれたロックコンサート。

メイクイーンの入場

2008-05-14 16:38:01 | 異文化・風俗・習慣
この記事、アップロードし忘れていました。すみません。この記事は前の2つの記事の間に入ります。

モリスダンスの次に、May Queenがトラクターで引かれた山車に乗って村内を練り歩いた後、メイフェア会場に登場する。お付のフラワーガールたちに混じって、黒一点のサミュエル・ロスチャイルド(お金持ちそうな名前なので記憶に残っただけで、知り合いではありません)君が神妙な顔をしてメイクイーンのエマ・ジョーダン嬢の後に続く。メイクイーンになると、近くのスーパー、テスコでの木曜日の夜の買い物が1年間割引きになるとか、いろいろと特典があるらしい。メイクイーンの条件は村に住んでいることと13歳以下であることで、メイクイーンになると1年間村の行事に出場しないといけないそうだ。

メイポールダンス

2008-05-06 18:52:25 | 異文化・風俗・習慣
モリスダンサーがお目当てできたのに、メイポールダンシングまで見ることができて感激!地元オッファムの小学校の生徒(9~10歳くらいらしい)20人ほどが、丹念に練習したと思われる踊りを披露してくれた。言わば人間組紐と言ったところ(リリアンと言ったら年がばれるかも)。すばらしいのは、織り成した模様を踊りながら再びほどくところ。間違えたらかなり悲惨な失敗になると思うのだが、子供たちは実に見事に使命貫徹。

会場に止まったアイスクリームバンからソフトクリームを買ったら、これも牛乳たっぷりでおいしかった(最近のソフトクリームは水っぽくて全然ミルク味の感じられないものが多い)。イギリスに帰ったら、絶対にミスター・ウィッピーを食べなくてはと思っていたのだ。というわけで、すべてにおいて大満足の1日だった。

ついにめぐり遭い

2008-05-06 18:36:01 | 異文化・風俗・習慣
伝統と言われたら、食べられるものは食べてみる、食べられないものは見てみるというのがわたしのポリシーである。そのわたしがこの18年間ずっとめぐり遭う機会を待ちわびていたのが、モリスダンサー。たまたまパブに行ったら、2時間前に来ていたとか、これまですれ違いが続いていた。5月のメイフェアはモリスダンスに遭遇できる絶好のチャンスとインターネットで探したら、我が家から10キロほど離れたケント州のオッファム(Offam)という小さな村でメーデイのお祭りが5月3日にあった。メーデイといっても、労働者のお祭りのほうではなくて、夏の訪れを祝う異教徒(キリスト教到来以前)の土着のお祭りに由来する。

アコーデオンの演奏にあわせ、足につけたモリスダンサーたちの鈴が鳴る。棒を使った踊りを含め3つほどの踊りを披露してくれた。


おへその話

2007-11-07 12:25:55 | 異文化・風俗・習慣
ときどきやっとイギリスを出発する日が決まった。金曜日の夜のフェリーでフランスに渡る。今回も、ポーツマス=サンマロ経由。フランスの我が家への到着は土曜日の午後の予定で、2週間ちょっと滞在し、11月27日にはスペインに戻り、冬を越すつもりでいる。イギリスに戻ってくるのは3月末になるだろう。

へその真下から切られたおかげで、手術の直後はへその形が変わってしまった。入院中体を拭いてくれた看護婦さんに「これってあなたのおへそ?」と聞かれたくらいである(腹の真ん中に開いている穴がへそ以外の何物でありえるのか?)。それは、背中に向かって口を開けている深い深い穴であった。うちのだんないわく、鉛筆何本か入るよというほどで、恐ろしく思っていたのだったが、切開傷と周辺の筋肉(贅肉)が癒えるにつれ、小さくなり、穴も閉じて浅くなって、元の形に戻ってきた。

うちのだんなに日本の子供の間で最大の侮辱は「おまえの母さんデベソ」であると教えてあげたら、いたくおもしろがっていた。ジナディン・ジダンがワールドカップ決勝戦で頭突きを食らわしたのは、お母さんか姉妹を侮辱されたためと言われているが、デベソくらいだったらかわいいものである。イギリスには出臍を馬鹿にするような偏見はないらしい。

へそといえば、新しく父親になる男性が、奥さんが出産することになっている病院で父親にへその緒を切らせない規則になっているのに抵抗し、父親の権利を勝ち取るために運動しているという話が最近イギリスでニュースになった。新しく生まれてくる子供との心理的絆を強めるには、へその緒を自ら切ることが大切なのだと。が、この病院では以前は医療関係者以外にもへその緒を切ることを認めていたのだそうが、赤ん坊の祖母に当たる女性が誤って赤ん坊の足の指を切ってしまった事件以来、禁止することにしたということである。わたしが赤ん坊だったら、やっぱりへその緒を切るのは経験豊かな専門家に任せたい。足の指を切り取られなくても、一生デベソと言われて生きるのは嫌だし。

うちの母は兄弟3人のへその緒というのを大事に箪笥の引き出しにしまっていた(今でも持っていると思う)。赤い木箱の中に入っていたように記憶する。恐ろしいような気持ち悪いようなで、中を見たことはない。

スペインのサンタクロース

2007-01-05 17:42:29 | 異文化・風俗・習慣
1月6日はキリスト教で公現日にあたり、この日の朝、スペインの子供たちはプレゼントをもらう。公現日はもともと東方の3賢人がキリストの誕生を祝うプレゼントを持ってベツレヘムを訪れたことを記念することから、スペインの子供たちにプレゼントを持ってくるのは、東方の3賢人ということになっている。この日は国民の祝日でもある。

地元の英字新聞に載っていた統計によると、スペインの子供の46パーセントが3賢人からプレゼントをもらい、38パーセントはサンタクロースと3賢人の両方からプレゼントをもらって、14パーセントはサンタクロースからだけプレゼントをもらうということだ。習慣の国際化を示す数字といえよう。もともと、サンタクロース(イギリスではファーザー・クリスマスという名前のほうがかつては優勢だったが、最近は変わってきた)はスペインの習慣にはなかった。が、移民が増えたり、テレビや映画を通じて、外国の風習が入ってきたためだろう。ハロウィーンといい、子供に都合のよい習慣が広まるのに時間はかからない。ちなみに、サンタクロースからプレゼントをもらう場合は、12月25日の早朝にプレゼントが届けられることになっている。2週間のうちに2度もプレゼントをあげるなんて、親の懐も痛いだろう。そのうち、12月6日のサンタクラウスの日に子供にプレゼントあげるオランダの習慣も入ってきて、1ヶ月の間に3回も子供がプレゼントをもらうなんていう日も来るかもしれない。

ペドロランド近辺の町では、1月5日の夕方に3賢人(スペインでは王と呼ぶ)のパレードがあり、沿道に並ぶ子供たちにお菓子が配られる。スペインの田舎では、この日の夜は、旅をする王たちの馬のために、子供たちは靴に藁やにんじん・大麦などをつめて、窓際に置いてから眠りにつくそうである。24日の夜にブランデーとミンスパイをサンタクロースのために用意しておくイギリスの習慣に似ている。25日の朝になるとミンスパイとブランデーが姿を消しているのは言うまでもない。3人の王がどんな経路をたどってやってくるかについてはそれぞれ地方バージョンがあるらしくて、ペドロランドから南に50キロほど下った、スペイン海軍の基地のあるカルタヘナでは、3人の王は船に乗ってやってきて、海辺に上陸するそうである。

1月6日の昼には市役所や町役場主催のお祭りがあり、子供たちが広場など一箇所に集められ、3人の王からプレゼントが配られる。

そして、家で「王のケーキ」を食べるということだ。砂糖のかかったリング型のケーキで、アンゼリカなどの砂糖かけのお菓子で飾られているということであるが、わたしが一度だけ買ったケーキはパンと言ったほうがふさわしいような代物であった。全体に砂糖はかかっておらず、いくつかの小さなパンを輪型につなげたような形のパンの表面に砂糖がけのフルーツが飾りについていた。パン屋から買ったから、パンだったのかもしれない。ケーキ屋で買うとケーキっぽいものが出てくるだろうか。正直なところ、パン屋から買った「王のケーキ」はとりわけおいしいものではなかった。ただのパンという感じ。それだけでは味がなくて、ジャムでもつけたい気分である。中には陶器でできた、飼い葉おけに横たわるイエス・キリストの赤子姿が入っていた。おもちゃや景品が入っているケーキもあるらしいが、わたしはこちらのほうが宗教的でよろしいような気がする。でも、うっかり包丁を入れたら、イエス様がまっぷたつなんてことになったら、あまりいい気持ちがしないだろう。

追記:1月6日、この日は毎週土曜日のマーケットの日に当たったので、歩いて2分ほどのマーケット通りに出かけた。重要な祭日なので、マーケットは休みかと思ったが、規模は普段の3分の2ほどだったものの、多くの出店が並んでいた。普段は3つほど出ているケーキ屋の屋台がこの日はたった1つだったが、期待通り王のケーキ(Rosco'n またはRosca de Reyes)を売っていた。やっぱりケーキ屋バージョンはパン全体に砂糖がかかっていて、パン屋バージョンよりもっと茶色くて多少おいしそうだった。化粧箱に入って金色の帯までかかっており、高そうだったので、買うのはあきらめた。たいしておいしいものではないのはないので(わたしは砂糖がけの干しフルーツが苦手)、食べずに写真だけ撮って腐らせても惜しくない値段だったら買ったかもしれない。わたしがかつて買ったパン屋バージョンでは、飾りの砂糖がけのフルーツは小片だったが、こちらはオレンジの輪切りなど大きな塊が表面に飾り付けられていて、ずっとカラフルで見栄えがした。

3カ国住み比べ

2006-12-15 15:39:17 | 異文化・風俗・習慣
今週初めからいよいよ寒くなってきた。日中の最高気温は17度ほど。最近は昼間からガスストーブをつけている。

スペイン・イギリス・フランスと住んでみて、どこが一番住みやすいかと言うと、便利さの点ではやはりイギリスだろう。とにかく物が豊富である。トレーラーハウスのある村も結構田舎であるが、それでも歩ける範囲内(片道15分だが)にいわゆるコンビニらしきものがあり、たいていのものは手に入る。近くの町まで車で出れば、デパートはあるし、スーパーも品揃えが豊富で、物欲を満足させるにはやっぱりイギリスだ。

が、難点は物価が高いこと。でも、イギリスの所得水準は高いほうなので、現地に住んで、そこそこの給料をもらっていたら、それほど物価の高さは感じないのかもしれない。

その点、スペインは物価が安い。その代わりに売っているものの質はあまりよくなくて、品揃えも少ない。もっとも、都会はまた話が別だろうが、その都会は遠いのだ。フランスもこの点では同じ印象がある。が、異なるのは物価の高さ。イギリスよりは物価が安いが、決して安くはない。地元の人たち(つまりフランスの田舎に住む人たち)は、こんなに稼いでいないだろうにと思っていたら、先日とても興味深い統計を目にした。

OECD(経済協力開発機構)がまとめた統計で、加盟国内で所得と物価との関係を調べたものである。これによると、2005年のOECD加盟国の平均を100とした場合、イギリスの物価水準は111、所得水準は111となっている。つまり、物価水準と所得水準のつりあいは取れているわけだ。スペインの物価は93、所得は94。やっぱり物価はイギリスよりずっと安い。これに対して、フランスの物価水準は109で所得のほうは104。わたしの生活しての実感は実際に統計によって裏付けられたわけである。物価はスペイン・フランス・イギリスの順に高くて、フランスの所得は物価の高さに追いついていない。フランスの人たちは暮らすのがたいへんそうだ。フランスのスーパーで、50代くらいの主婦が「カリフラワー1個が3ユーロ(464円)もするなんて!」と悲鳴を上げていたが、きっとこれがフランス人の本音なのだろう(でも、そこまでして8月にカリフラワーを食べなくてもいいと思うけど)。

ちなみに、同じ調査で日本の物価水準は114で、所得水準は105となっている。暮らしにくいのは、フランスも日本も同じかもしれない。もっとも1999年の調査では日本の物価水準は143(所得は110)であるから、物価はずいぶんと下がってきているようだ。


これってほんと?

2006-10-26 17:27:45 | 異文化・風俗・習慣
今日、ラジオのニュースで聞いた話。パリを訪れる日本人観光客のうち、毎年12人以上がフランス人の無礼さ・冷たさにショックを受けて、カウンセリングを受けているということである。イギリスのラジオで聞いた話なのですが、日本でこの話を耳にしたことがありますか?

もっとも、パリ人はフランス人の間でもたいへん評判が悪いようだ。田舎のフランス人がこの話を聞いたら、きっとパリの人間とは一緒くたにしてほしくないと言うに違いない。

パリへは10年くらい行ったことがない。最初に行ったときは、まだわたしも若くて、道を歩いていたりすると、どこからともなく怪しげな男がやってきて声をかけてきた。若い女性が一人旅をしているとうっとうしい。わたしが公園に座っていると男が話しかけてきたのだが、その男と話していると、顔見知りらしき別の男が寄ってきた。この男はその前の日にわたしが道を歩いているときに、話しかけてきた男だった。早口のフランス語で話し合っていたので、何を言っているのかわからなかったが、どこそこにはいいカモが多いとか情報交換をしていたのだろう。パリは若い女性を食いものにする町という印象がある。

このブログを読んでくださっているみなさまの中には薄々察していらっしゃる方もおられるかと思いますが、実はわたしはフランスにはあまりいい印象を持っていない。それでも、フランスでいいなと思うのは、人々の礼儀正しさ。ガソリンスタンドでも店でもスーパーでも、レジの人に向かうと必ず「ボンジュール、マダム」と挨拶をする。もちろん、最後のメルシーとオールヴワールも欠かさない。スペインではこれはそれほどよくあることではない(レジの人たちはお互いにおしゃべりするので忙しいし)。イギリスでは「ハロー」は普通だが、フランスでは「マダム」まで付いてくるところが、とても礼儀正しいという印象を与える。

が、イギリスでもスペインでもないのが、赤の他人同士でも目があうと必ず「ボンジュール、マダム(ムッシュー)」と挨拶を交わすことだ。これはとてもいい気持ちになってしまう。街角に座り込んでいる浮浪者でも、目があったら挨拶をする。金銭的には貧しいかもしれないが、礼節までは失わず、心は高貴なのだなと思ってしまった。

もう1つ今日地元(イギリス)のラジオを聴いていて発見したこと。フランスの我が家の前に立っている街灯は午前零時35分になると消灯する。ラジオのDJによると、これは省エネのためなのだそうだ。6月以来の疑問が解けた。フランスの環境問題に対する意識の高さに関心した。イギリスでも導入するべきだというのがこのDJの意見なのだが、わたしは懐疑的である。フランスの田舎、それも早寝早起きの農民ばかりが住んでいるところなら、これでも不都合はないだろうが、24時間眠らない都会ではこういうわけには行かないだろう。だいたい、犯罪が心配である。スペインのペドロランド近辺では、街灯が点かない夜(これがわりとよくある)は空き巣狙いが急増する。空き巣ならまだ穏やかなほうだが、地域によっては引ったくりや性犯罪などが増加する可能性もあるだろう。省エネもいいが、犯罪のほうがずっと心配だ。