それより下(しも)つかたは、ほどにつけつつ、時にあひ、したり顔なるも、
みづからはいみじと思ふらめど、いとくちをし。
御門(ミカド)の御位(オホンクラヰ)は、いともかしこし。竹の園生(ソノフ)の、末葉(スヱバ)まで人間の種(タネ)ならぬぞ、やんごとなき。一の人の御有様はさらなり、たゞ人(ビト)も、舎人(トネリ)など賜はるきはは、ゆゝしと見ゆ。その子・うまごまでは、はふれにたれど、なほなまめかし。
つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ
いでや、この世に生まれては、願はしかるべきことこそ多かめれ。
大空の 月の光し 清ければ 影見し水ぞ まづこほりける
高円の 野辺のかほ花 面影に 見えつつ妹は 忘れかねつも
万葉集1630 (大伴家持)
昨日から始まりました。お忙しい中雨の中、ご高覧くださいましてありがとうございました。
ほととぎす来なきとよもす卯の花の共にや来しと問はましものを(万葉集1472)
さくら花ゆめかうつつかしら雲の絶えてつれなきみねの春風 藤原家隆朝臣
万葉集7・1188山越えて遠津の浜の岩つつじ我が来るまでにふふみてあり待て
清水へ祇園をよぎる桜月夜 今宵逢う人みな うつくしき
冬のうたとてよめる
雪ふれば冬ごもりせる草もきも春にしられぬ花ぞ咲きける 紀貫之