寒さの中でより寒いものに惹かれる事ありませんか?
先日の「朝の詩」に、24歳の青年の詩が取り上げられていました。
ぬくもりを/感じられるのは/温かな過去を/
回想する時ではない/
ぬくもりを/愛おしく想い/涙するのは/
身をきるような/北風の中/
君の手の平/握りしめている時
”北風 ”と言う題でした。
また、季節に関係ないのですが寒くなると思い出される一首です。
氷刃(ひょうじん)の心問はざれ
くるしみて指にかたどる人の頤(おとがい) 高橋正子
氷の刃のように冷たい男のこころ。でも私はなぜ冷たいの?などとは問わない。
その冷たさも愛の形であると知っているから。
それは分かっていて、しかしそのような愛に耐えていく事は苦しく、
指はあの人の頤をかたどっているのです。
解説などは古歌でも現代歌でも歌をつまらないものにしてしまうように思えてなりません。
私はこのように理解したのですが意味など分からなくても、
幾度もいくども反芻していると、何を言おうとしているかがおぼろげに見えて来ます。
十年程前、この歌に出会った時は衝撃でした。
私などには一生かかっても詠めない歌ですから。
知性ある人の愛のとらえ方に絶賛です!!