時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

日本の左翼が無視していること

2014-02-01 01:00:28 | 北朝鮮
とりあえず、記事だけ載せておく。詳しくは後で書くつもり。

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南朝鮮政府が朝鮮に離散家族の再会を呼びかけたことに対して、
祖国平和統一委員会(祖平統)の書記局は9日、
板門店を通じて南朝鮮の統一省に通知文を送った。朝鮮中央通信が伝えた。

通知文は、朝鮮は新年を契機に北南関係の改善に関する
原則的な立場を明らかにし、その実践的意志を見せたが、
南側が朝鮮の誠意ある努力とは相反して年明けから
戦争演習を行った
ことについて指摘。

南側の従来の対決的な姿勢が
根本的に変わっていないと遺憾の意を表明した。

通知文は、「旧正月(今月31日)を契機に離散家族・
親戚の再会を行おうとした南側の提議が、北南関係改善のための
善意から発したものなら良いことだと思う」と指摘した。

一方、通知文は「南側で近く大規模の合同軍事演習が行われるのに、
銃弾や砲弾が飛び交う中で離散家族・親戚の再会を心おきなく行えるのか
」と指摘し、
「しかも正月は季節的にも、時間的にも考慮されると思う」とし、
「南側で他のことがなく、朝鮮の提案も同時に協議する意思があるならば、
良い季節に対座することができるだろう」と強調した。

http://chosonsinbo.com/jp/2014/01/0115tongsin/
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朝鮮国防委員会の「重大提案」(16日)に対し、
南朝鮮当局は即座に否定的な立場を示した。

朴槿恵大統領は北の提案を「偽装平和攻勢」と断定し、
軍事挑発に対応する万全の安保体制を整えるよう関係閣僚に指示した

金正恩第1書記は新年の辞で、北南関係改善のための
雰囲気作りを提案、誹謗中傷をやめる時であり、
和解と団結をこれ以上阻害してはならないと指摘した。


しかし、朴大統領は離散家族再会を提案する反面、
「北の急変事態」に備えた軍事演習を強行しようとしている。
言動が矛盾している。

▼北は「重大提案」で、朝鮮西海5島を含む地上、
海上、空中で相手を刺激するすべての行為を中止すること
を強く求め、その実現のために実践的な行動を先に見せると表明した。

南は真に対話の枠組み作りを望むのであれば、
北の提案を真しに受け止めるべきだが、
米国との合同軍事演習を予定通り行う強硬姿勢で応えた。

米南合同軍事演習は有事の上陸作戦、
「平壌占領」まで想定した訓練が含まれるなど、
内容が年々エスカレートしている。


今回は1989年「チームスピリット」以来の最大規模とされる。
朝鮮半島で分断と緊張を固定化させる米国の野心が伺える

▼同族と手を取り合うのか、外部勢力と結託する道を突き進むのか
、北の提案は南に選択を迫っている。「自主的平和統一」「わが民族同士」。
北南間で何度も確認された大原則を忘れてはならない。

http://chosonsinbo.com/jp/2014/01/0120th/
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私は前の記事で、中南米を例にして、
自らと異なる政治体制の国のために粉骨砕身することが
日本の政府や左翼にできるのかと問いかけた。


上の記事は朝鮮新報から引用したものだが、
これを読むだけでも北朝鮮にとって国境付近の軍事演習は
相当プレッシャーになっていることが容易に想像できる。


当然だ。東京の占領を想定した軍事演習が
北海道や沖縄の近海で行われたらどう思う?

よく想像してほしい。



このことを真剣に憂慮し、アメリカと韓国に
演習をやめるよう問いかけた者がいただろうか?


また、少なくとも外交上では北朝鮮は他国と
対話の姿勢を見せていることもまた多くの
日本人は知らないのではないだろうか?

あるいは知らされても「援助金ほしさのパフォーマンス」
と決めつけて無視してはいないだろうか?

次回、この件に関する日本の左翼の反応に対して
言及したいと思う。

ラテン・アメリカの熱き風

2014-02-01 00:53:31 | リビア・ウクライナ・南米・中東
前回の続き。

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キューバの首都ハバナで28日から開かれていた
中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)の第2回首脳会議は
29日、貧困や飢餓など地域各国が抱える諸問題の解決のため
地域統合の強化と各国の共同を改めて呼び掛ける最終文書
「ハバナ宣言」を採択して閉幕しました。


宣言は、貧困と飢餓を一掃するために、各国の持続可能な
開発に役立つ経済政策の推進、途上国に有利な国際経済体制の強化
CELAC加盟国間の「相互補完・連帯・協力」が求められていると指摘。

貧困や飢餓の根底にある収入格差を縮小するうえで、
各国が累進的な税制度、正規雇用の恒常的な創出、
最低賃金の制度確立と段階的引き上げなどの政策や計画に
ひきつづき取り組む必要性を強調しています。



中南米では、天然資源の国有化や自国産業を保護する政策の実践の中で、
これに反対する多国籍企業との間で紛争が生じる事例も増えています。

この点で宣言は、多国籍企業との紛争に直面している各国に連帯を表明。
これらの外国企業が進出先の国の政策を理解し、
「責任ある態度をとるよう要請する」と述べています。


宣言は、外国資本の重要性を確認しつつ、その投資は、
受け入れ国の発展と国民の生活向上につながるべきであり、
各国の主権を侵害する何らかの条件を設定すべきではない
との立場を明らかにしました。


宣言は、加盟各国の多様性を尊重しながら
地域統合をはかる立場を改めて強調。
米国にたいして、対キューバ経済封鎖の解除を要求しました。


今回の会議を機にCELACの議長国は
キューバからコスタリカに移りました。


引き継ぎにあたって、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長は、
武力不行使の平和地帯宣言や各国の経済主権の尊重を
明確にした諸文書を採択した点などを会議の成果として報告。
今後も地域が抱える諸課題の解決のために努力する決意を述べました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-31/2014013107_01_1.html
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累進課税(所得税)の推奨、正規雇用の創出、
そして最低賃金制度の確立および引き上げ。



消費税の引き上げと非正規職の規制緩和、
不十分な最低賃金額の現状維持に執心している
某民主主義国ジャパンとえらい違いである。



感動すべきはこれが民間の手ではなく
国家の手によって行われたということだ。

もちろん、中南米諸国はブラジルのように
国民を犠牲にして急激な経済発展を遂げた国も
あるし、軍事政権も未だに存在し、はっきりいって
現状は幸せの国だとはとても言えない。

だが、それを何とかしよう、しなければならないという
危機感を各政府が認知したという点でこのハバナ宣言は
21世紀初の人権宣言として歴史に名を刻むべきだろう。


こういう宣言がとられた背景としてラテンアメリカが
現代の国際経済の犠牲となっているということが挙げられる。


上の記事でも書かれているが、
向こうでは天然資源を独占しようとする外国の多国籍企業と、
資源を保護し福祉に充てようとする国家との間で紛争が起きている。


アストゥリアスという作家はかつて『緑の法王』という題名で
暗にドール社(バナナとかを売ってるあの会社)が如何に
ラテンアメリカの農民から富を吸い上げているかを表現したが、
程度の差こそあれ、本質の部分では今も変わっていない。


かつてコミュニストは虐げられた者同士が団結して
広大な地域において抵抗の声を挙げると語った。

この言葉は冷戦の終結後、日本の知識人の中では虚言として
片付けられ、以降まったく無視されているわけだが
連中が冷笑している間にも、中南米のインテリは仕事をしていたわけである。


ここで、キューバの経済封鎖解除の提言に注目してほしい。

ご存じのとおり、キューバは宮地健一氏によれば
一党独裁・党治国家=他政党禁止・人権侵害の政治犯罪国家らしいが
セラックの面々はカストロの殺害やキューバ共産党の崩壊を
望んでいないし、それどころかベネズエラのように国造りの
お手本にしているようなところもある。

私はこのブログで日本の主流左翼の異常なまでの
共産主義への怨嗟に異議を唱えているが、それは
現状のままではアジアにおいてセラックのような
平和同盟が築かれないと思うからだ。


日本の知識人は北朝鮮を憎むだけで彼らと一緒に
平和圏を確立しようとか、あるいは彼らにむけた
経済封鎖を解くように共闘しようとすることを考えすらしない。


しかし、考えてみてほしい。
東アジアに平和を築くには間違いなく彼らの協力が必要なのだ。
それを昔のスペイン人じゃあるまいし、野蛮な先住民族を
武力で制圧し、キリスト教徒と改造するような「民主化」ばかり
極右とつるんで延々と語るばかりだ。向こうの側に立っていないのである。


セラックの中には正直、共産主義に抵抗を覚える国もある。
ハイチのように未だに奴隷制度を抱えている国家もある。
しかし、南米の平和と貧困の撲滅のために手を組んだのである。

日本にそれができるだろうか?
他国を憎むことしかできない日本政府と反共左翼どもに
これら国家と手を取り合って平和の礎を築けるのだろうか……