原爆を美化する博物館へ行き、展示物を絶賛しながら
核のない世界を目指すから理解しろ(=文句を言うな)
靖国参拝に関する日本政府の態度は
例えればこんなものだと私は話した。
では、その裏側で何が起きているのか?
次の記事を読んでもらいたい。
-----------------------------------------------------
沖縄県八重山地区の竹富町が、地区内の他の市町が
使っている育鵬社版とは別の中学公民教科書を採択し、
使用していることについて、下村博文文部科学相が
同町教育委員会に対し、地方自治法にもとづく「是正要求」を
行うことを公言し、育鵬社版の採択を強要しようとしています。
地方の意向を無視した異常な政治介入です。
育鵬社の公民教科書は戦前の大日本帝国憲法を美化し、
現憲法の改定に子どもたちを誘導する危険な内容です。
自民党は2011年の中学教科書採択の際、
侵略戦争を美化する育鵬社の歴史教科書とあわせて
同社の公民教科書の採択を全国各地で推進しました。
安倍晋三首相も当時、採択運動の先頭に立っていました。
教育行政をめぐって「是正要求」が出されたことも、
県を通さず直接市町村に出されたことも例はありません。
どんな手段をとっても育鵬社版を使わせようという
安倍政権の強権的な暴走そのものです。
下村文科相は、「是正要求」の理由として
「同一の採択地区内の市町村は同一の教科書を
採択するという法律に竹富町は違反している」といいます。
しかし、竹富町に違法性はありません。
もともと、問題の発端になった11年の教科書採択では、
八重山地区では誰もが育鵬社版とは違う教科書が採択されると思っていました。
同地区の教科書調査員は1人も育鵬社版を推さず、
PTA連合会も校長会も育鵬社版に反対していたからです。
ところが採択地区協議会の玉津博克会長(石垣市教育長)が、
規約まで変えて協議会内で育鵬社支持が多くなるようにし、
育鵬社版を推薦する答申を出してしまったのです。
この事態に住民は強く反発し、竹富町は別の教科書を採択しました。
その後、沖縄県教育委員会が仲裁に入り、
地区内の3市町の教育委員全員が参加した協議が開かれ、別の教科書を採択しました。
地元紙は「採択逆転 市民安堵」と大見出しで報じました。
これは法律の定めた「協議」にあたり、それにもとづく竹富町の採択は違法ではありません。
他の2市町は育鵬社版を採択しました。
一本化にいたらなかった原因は、住民自治も教育の自主性も
踏みにじった玉津氏らの側にあります。にもかかわらず、
竹富町のほうを国の権力で屈服させようというのは、
住民自治と教育の自主性への厚顔な挑戦以外の何ものでもありません。
沖縄県教委は事態を打開するために、採択地区を分割し、
竹富町と他の市町がそれぞれの教科書を採択できるようにすることを提案しました。
文科相はそれさえはねつけました。竹富町は規模が小さく、
単独では教科書研究ができないというのです。こんなに人を見下した話はありません。
竹富町の教育委員は熱心で、全員がすべての社会科教科書に目を通しました。
研究能力をいうなら、教科書に目も通さなかった
他市町の育鵬社版支持の教育委員こそ問題です。
教育では現場の自主性と住民自治が大切にされなければなりません。
いい授業のためには、教科書は実際にそれを使って教える教師が中心になって選ぶべきです。
安倍政権は直ちに介入をやめるべきです。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-19/2014021901_05_1.html
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歴史研究者の端くれとして言わせてもらうが、
育鵬社の教科書は教科書ではなく、経典である。
この書物の異常性は高文研から
『中学校歴史・公民 育鵬社教科書をどう読むか』が出版されているので
そちらを読んでほしい。
簡単に言ってしまえば、大日本帝国を完全正義として描くものであり、
当然、沖縄戦で起きた集団自決も、その背景に
軍部の強制があった事実を伏せて記述されている。
沖縄戦の研究者である林博文氏によると、集団自決が起きた背景には、
投降しようとする沖縄人をスパイと断定して射殺・斬殺したことがある。
こういう現地の民衆を敵もろとも殺す傾向は沖縄以前からあり、
例えばフィリピンではゲリラと米軍の挟み撃ちにあうことを恐れ、
現地の町や村を焼き、民衆を皆殺しにしていた。繋がっているのである。
こういう点を骨抜きにした教科書を他ならぬ沖縄で
読ませるべく、ありとあらゆる工作と強制を試みる。
被害者が今も生きている沖縄で
加害者を正義とみなすよう教育する。
これが安倍政権だ。
さて、この安倍政権が今着手しているのが教育委員会の組織改革である。
-------------------------------------------------------
教育委員長は現在、首長が任命する教育委員が互選し、教育長も委員から選任します。
新たな案は、住民による合議体の組織が首長から独立して
教育行政を決める現行制度を形骸化させる内容です。
(中略)
教育委員会制度の新たな見直し案は教委に執行機関を残すといっても名ばかりで、
教育代表委員を通じて首長が教育行政を事実上支配・介入することにつながります。
戦前の軍国主義教育に対する反省から、
首長から独立した住民の合議体が教育行政を
コントロールするという現行制度の根幹を突き崩すものです。
教育委員会が国いいなり・首長追随ではなく、
子どもの権利を最優先に考えて活動ができるように、
委員会としての機能強化や教育委員の公選など教育委員会制度を
拡充・強化する抜本改革こそ必要です。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-08/2014020802_03_1.html
----------------------------------------------------------
八重島のような政府に逆らう教育者を無力化するための改革。
靖国参拝の裏側でこういうことが行われているのである。
物事は総合的に判断しなければならない。
識者の中には安倍の言動を他国との関係を軸に語りたがる輩がいるが、
安倍は何も中国やアメリカに反発して凶行に至っているわけではなく、
自らが信じる絶対正義日本という神話を布教しているに過ぎない。
実際には国内の人間に対する思想の弾圧と国家規模の史実歪曲が
目下進行中であり、こういう点に注目すれば、いかに不戦の誓い
あるいは積極的平和主義とやらが嘘八百のものか看破されるであろう。
核のない世界を目指すから理解しろ(=文句を言うな)
靖国参拝に関する日本政府の態度は
例えればこんなものだと私は話した。
では、その裏側で何が起きているのか?
次の記事を読んでもらいたい。
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沖縄県八重山地区の竹富町が、地区内の他の市町が
使っている育鵬社版とは別の中学公民教科書を採択し、
使用していることについて、下村博文文部科学相が
同町教育委員会に対し、地方自治法にもとづく「是正要求」を
行うことを公言し、育鵬社版の採択を強要しようとしています。
地方の意向を無視した異常な政治介入です。
育鵬社の公民教科書は戦前の大日本帝国憲法を美化し、
現憲法の改定に子どもたちを誘導する危険な内容です。
自民党は2011年の中学教科書採択の際、
侵略戦争を美化する育鵬社の歴史教科書とあわせて
同社の公民教科書の採択を全国各地で推進しました。
安倍晋三首相も当時、採択運動の先頭に立っていました。
教育行政をめぐって「是正要求」が出されたことも、
県を通さず直接市町村に出されたことも例はありません。
どんな手段をとっても育鵬社版を使わせようという
安倍政権の強権的な暴走そのものです。
下村文科相は、「是正要求」の理由として
「同一の採択地区内の市町村は同一の教科書を
採択するという法律に竹富町は違反している」といいます。
しかし、竹富町に違法性はありません。
もともと、問題の発端になった11年の教科書採択では、
八重山地区では誰もが育鵬社版とは違う教科書が採択されると思っていました。
同地区の教科書調査員は1人も育鵬社版を推さず、
PTA連合会も校長会も育鵬社版に反対していたからです。
ところが採択地区協議会の玉津博克会長(石垣市教育長)が、
規約まで変えて協議会内で育鵬社支持が多くなるようにし、
育鵬社版を推薦する答申を出してしまったのです。
この事態に住民は強く反発し、竹富町は別の教科書を採択しました。
その後、沖縄県教育委員会が仲裁に入り、
地区内の3市町の教育委員全員が参加した協議が開かれ、別の教科書を採択しました。
地元紙は「採択逆転 市民安堵」と大見出しで報じました。
これは法律の定めた「協議」にあたり、それにもとづく竹富町の採択は違法ではありません。
他の2市町は育鵬社版を採択しました。
一本化にいたらなかった原因は、住民自治も教育の自主性も
踏みにじった玉津氏らの側にあります。にもかかわらず、
竹富町のほうを国の権力で屈服させようというのは、
住民自治と教育の自主性への厚顔な挑戦以外の何ものでもありません。
沖縄県教委は事態を打開するために、採択地区を分割し、
竹富町と他の市町がそれぞれの教科書を採択できるようにすることを提案しました。
文科相はそれさえはねつけました。竹富町は規模が小さく、
単独では教科書研究ができないというのです。こんなに人を見下した話はありません。
竹富町の教育委員は熱心で、全員がすべての社会科教科書に目を通しました。
研究能力をいうなら、教科書に目も通さなかった
他市町の育鵬社版支持の教育委員こそ問題です。
教育では現場の自主性と住民自治が大切にされなければなりません。
いい授業のためには、教科書は実際にそれを使って教える教師が中心になって選ぶべきです。
安倍政権は直ちに介入をやめるべきです。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-19/2014021901_05_1.html
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歴史研究者の端くれとして言わせてもらうが、
育鵬社の教科書は教科書ではなく、経典である。
この書物の異常性は高文研から
『中学校歴史・公民 育鵬社教科書をどう読むか』が出版されているので
そちらを読んでほしい。
簡単に言ってしまえば、大日本帝国を完全正義として描くものであり、
当然、沖縄戦で起きた集団自決も、その背景に
軍部の強制があった事実を伏せて記述されている。
沖縄戦の研究者である林博文氏によると、集団自決が起きた背景には、
投降しようとする沖縄人をスパイと断定して射殺・斬殺したことがある。
こういう現地の民衆を敵もろとも殺す傾向は沖縄以前からあり、
例えばフィリピンではゲリラと米軍の挟み撃ちにあうことを恐れ、
現地の町や村を焼き、民衆を皆殺しにしていた。繋がっているのである。
こういう点を骨抜きにした教科書を他ならぬ沖縄で
読ませるべく、ありとあらゆる工作と強制を試みる。
被害者が今も生きている沖縄で
加害者を正義とみなすよう教育する。
これが安倍政権だ。
さて、この安倍政権が今着手しているのが教育委員会の組織改革である。
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教育委員長は現在、首長が任命する教育委員が互選し、教育長も委員から選任します。
新たな案は、住民による合議体の組織が首長から独立して
教育行政を決める現行制度を形骸化させる内容です。
(中略)
教育委員会制度の新たな見直し案は教委に執行機関を残すといっても名ばかりで、
教育代表委員を通じて首長が教育行政を事実上支配・介入することにつながります。
戦前の軍国主義教育に対する反省から、
首長から独立した住民の合議体が教育行政を
コントロールするという現行制度の根幹を突き崩すものです。
教育委員会が国いいなり・首長追随ではなく、
子どもの権利を最優先に考えて活動ができるように、
委員会としての機能強化や教育委員の公選など教育委員会制度を
拡充・強化する抜本改革こそ必要です。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-08/2014020802_03_1.html
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八重島のような政府に逆らう教育者を無力化するための改革。
靖国参拝の裏側でこういうことが行われているのである。
物事は総合的に判断しなければならない。
識者の中には安倍の言動を他国との関係を軸に語りたがる輩がいるが、
安倍は何も中国やアメリカに反発して凶行に至っているわけではなく、
自らが信じる絶対正義日本という神話を布教しているに過ぎない。
実際には国内の人間に対する思想の弾圧と国家規模の史実歪曲が
目下進行中であり、こういう点に注目すれば、いかに不戦の誓い
あるいは積極的平和主義とやらが嘘八百のものか看破されるであろう。