キエフとノヴォロシアの戦いは石炭資源を初めとした経済政策を巡る戦いである。
キエフはIMF流の、そしてナオミ・クラインいわくショック・ドクトリン式の
新自由主義的経済改革を敢行した。このことが市民の逆鱗に触れてしまったようだ。
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キエフ中心部のクレシャチク通りで
公共料金値上げに反対する5千人もの市民によるデモが行われている。
ウクライナの「ヴェスチ」紙が報じた。
市民らは5月1日から実施の公共料金値上げに抗議の声を上げている。
水道(給湯)ガス電気暖房料金は平均で67%も値上げされた。
市民は「ヤツェニュク(首相)はウクライナには無能」、
「ウクライナ国民にはウクライナ人の政府が必要だ」と書かれたプラカードを掲げている。
ウクライナでは4月1日から電気、ガス、暖房、給湯料金が値上げされた。
ウクライナ内閣と国際通貨基金(IMF)の間の合意
によれば、ガス料金は平均で285%値上げされる。
ところが電気料金の値上がりのために5月1日から水道料金も4%から100%値上がりした。
これをうけ、人民議員らは値上げは根拠に欠けるとして、公共料金の見直しを図ろうとしている。
現在、ウクライナはほぼデフォルトの瀬戸際にある。
失業率は高まり、国家通貨のフリヴナも1年で3分の1も切り下げられている
続きを読む http://jp.sputniknews.com/life/20150516/344392.html#ixzz3aJqEouvE
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クリミアへ対する経済制裁も非道いが、お膝元でもやりたい放題やっている。
新自由主義とは言ってみれば、超資本主義であるわけで、
マルクスやレーニンの考えを踏まえれば、これは先進国による軍事干渉も伴う。
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15日、米国下院は本会議で、2016会計年度の
国防予算の大枠を決める国防権限法案を賛成多数で可決した。
法案の中では、総額2億ドルものウクライナへの軍事援助が規定されている。
予算案によれば、これらの資金は特に、
キエフ当局への「防衛兵器」供給のため利用される可能性がある。
全体として議員達は、2016年度予算では軍事目的に、ほぼ6120億ドルを拠出する事を決めた。
その中には、アフガニスタンやイラク、シリアなど国外での作戦用の予算、892億ドルが含まれている。
国外作戦用予算について、ホワイトハウスと国防総省が準備した要求額は、
さらに380億ドル多いものであるため、オバマ政権は、この予算案に満足していない。
おまけに、議会は事実上、この予算の中では、キューバの
グアンタナモ軍事基地にあるテロリスト用の特別刑務所閉鎖を禁止している。
これに関連してオバマ大統領は、この予算案に対し、
もし自分が、下院が承認したような形の文書に署名する事になるのであれば、
拒否権を発動するかもしれないと警告した。
なお米上院は、ウクライナへの軍事援助を
3億ドル拠出するとした、独自の予算案を準備している。
続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150516/342523.html#ixzz3aJrXFdd4
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戦争する金が足りねぇ!もっと予算につぎ込め!
というのがノーベル平和賞受賞者のお気持ちらしい。
また、グアンタナモ基地の閉鎖はオバマのマニフェストの1つだったはずなのだが、
本音のところはどうなのかは、上の答弁あたりからチラチラと見えてくる気がする。
ロシアの軍事支援は駄目でもアメリカのそれは良いことらしい。
これまたダブル・スタンダードな振る舞いだと思われる。
(そもそもウクライナにロシア軍はいないが)
ウクライナを見ると、私は米ソ対立を強調して描く冷戦史は誤りではないかと感じる。
実際には、ウクライナのように新植民地として蹂躙される国が現在進行形で存在するのだから。
つまり、冷戦が「終わった」という前提でどの本も書かれているのだが、
冷戦時代から存在した先進諸国の経済的軍事的支援は継続しているじゃないかと思うのだ。
また、戦後70周年ということで左翼もそれなりの運動をしているのだが、
その場合、彼らは日本史だけに注目して世界史についてはさほど反応していない。
実際には、戦後ヨーロッパがしたことといえば、独立運動の弾圧や
逆に独裁国家(コンゴやチリ、フィリピン、韓国などなど)の支援であり、
その辺に関する反省というか、その点を強調する現代史の叙述がされていない。
変わりに「アメリカも悪い、ソ連も悪い」といった喧嘩両成敗的な説明に終わっている。
(それは共産主義国の「悪」にページを割くことで資本主義国の「悪」の説明を簡略化させる)
米ソの対立自体は確かに1991年に終わったわけだが、いま述べた独立運動の弾圧や
独裁国家の支援は現在も変わらず続けられている。冷戦は終わっていないのである。
冷戦は終わったと言う認識は、NATOの侵略は終わったという認識、
現行の軍事干渉を看過させる、最悪の場合正当化させる役目を担う。
公共料金の値上げと福祉の縮小、地元産業の破壊、安価な外国商品の流入、
雇用の不安定化。そして親欧米政権の暴力的手段による樹立と反対派の粛清。
侵略という言葉が、これほどピッタリと来るものは無いと思う。
冷戦史あるいは現代史はNATO侵略史として書き換える必要があるはずだ。
そのため、代替の歴史観が必要となるわけだが、そのさいに私は
デヴィッド・ハーヴェイをはじめとする新自由主義を扱う研究者の著作が役立つと考える。
去年の11月から作品社から『近代世界システムと新自由主義グローバリズム』
という書籍が発刊されたが、これなどは現代史の読み替えに大変役立つものだ。
というのも、戦後しばらく経ち、資本主義制度の究極の形態として
新自由主義が誕生し、それが既存の共産主義を駆逐し、
現代まで各地で猛威をふるっている構図が如実にあらわれているからだ。
学者の中にも、このような歴史観を目的論的なものとして退ける人間や、
マルクス主義にアレルギー(経済という視点を極端に避ける態度)を感じる者もいる。
だが、現在の国際政治や経済を考える上で、さらに言えば、
現在の国際政治や経済の解決を考える上で、上記のような先進諸国の責任を
強く追及する著作は、やはり一読に値すると私は思う。
キエフはIMF流の、そしてナオミ・クラインいわくショック・ドクトリン式の
新自由主義的経済改革を敢行した。このことが市民の逆鱗に触れてしまったようだ。
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キエフ中心部のクレシャチク通りで
公共料金値上げに反対する5千人もの市民によるデモが行われている。
ウクライナの「ヴェスチ」紙が報じた。
市民らは5月1日から実施の公共料金値上げに抗議の声を上げている。
水道(給湯)ガス電気暖房料金は平均で67%も値上げされた。
市民は「ヤツェニュク(首相)はウクライナには無能」、
「ウクライナ国民にはウクライナ人の政府が必要だ」と書かれたプラカードを掲げている。
ウクライナでは4月1日から電気、ガス、暖房、給湯料金が値上げされた。
ウクライナ内閣と国際通貨基金(IMF)の間の合意
によれば、ガス料金は平均で285%値上げされる。
ところが電気料金の値上がりのために5月1日から水道料金も4%から100%値上がりした。
これをうけ、人民議員らは値上げは根拠に欠けるとして、公共料金の見直しを図ろうとしている。
現在、ウクライナはほぼデフォルトの瀬戸際にある。
失業率は高まり、国家通貨のフリヴナも1年で3分の1も切り下げられている
続きを読む http://jp.sputniknews.com/life/20150516/344392.html#ixzz3aJqEouvE
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クリミアへ対する経済制裁も非道いが、お膝元でもやりたい放題やっている。
新自由主義とは言ってみれば、超資本主義であるわけで、
マルクスやレーニンの考えを踏まえれば、これは先進国による軍事干渉も伴う。
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15日、米国下院は本会議で、2016会計年度の
国防予算の大枠を決める国防権限法案を賛成多数で可決した。
法案の中では、総額2億ドルものウクライナへの軍事援助が規定されている。
予算案によれば、これらの資金は特に、
キエフ当局への「防衛兵器」供給のため利用される可能性がある。
全体として議員達は、2016年度予算では軍事目的に、ほぼ6120億ドルを拠出する事を決めた。
その中には、アフガニスタンやイラク、シリアなど国外での作戦用の予算、892億ドルが含まれている。
国外作戦用予算について、ホワイトハウスと国防総省が準備した要求額は、
さらに380億ドル多いものであるため、オバマ政権は、この予算案に満足していない。
おまけに、議会は事実上、この予算の中では、キューバの
グアンタナモ軍事基地にあるテロリスト用の特別刑務所閉鎖を禁止している。
これに関連してオバマ大統領は、この予算案に対し、
もし自分が、下院が承認したような形の文書に署名する事になるのであれば、
拒否権を発動するかもしれないと警告した。
なお米上院は、ウクライナへの軍事援助を
3億ドル拠出するとした、独自の予算案を準備している。
続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150516/342523.html#ixzz3aJrXFdd4
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戦争する金が足りねぇ!もっと予算につぎ込め!
というのがノーベル平和賞受賞者のお気持ちらしい。
また、グアンタナモ基地の閉鎖はオバマのマニフェストの1つだったはずなのだが、
本音のところはどうなのかは、上の答弁あたりからチラチラと見えてくる気がする。
ロシアの軍事支援は駄目でもアメリカのそれは良いことらしい。
これまたダブル・スタンダードな振る舞いだと思われる。
(そもそもウクライナにロシア軍はいないが)
ウクライナを見ると、私は米ソ対立を強調して描く冷戦史は誤りではないかと感じる。
実際には、ウクライナのように新植民地として蹂躙される国が現在進行形で存在するのだから。
つまり、冷戦が「終わった」という前提でどの本も書かれているのだが、
冷戦時代から存在した先進諸国の経済的軍事的支援は継続しているじゃないかと思うのだ。
また、戦後70周年ということで左翼もそれなりの運動をしているのだが、
その場合、彼らは日本史だけに注目して世界史についてはさほど反応していない。
実際には、戦後ヨーロッパがしたことといえば、独立運動の弾圧や
逆に独裁国家(コンゴやチリ、フィリピン、韓国などなど)の支援であり、
その辺に関する反省というか、その点を強調する現代史の叙述がされていない。
変わりに「アメリカも悪い、ソ連も悪い」といった喧嘩両成敗的な説明に終わっている。
(それは共産主義国の「悪」にページを割くことで資本主義国の「悪」の説明を簡略化させる)
米ソの対立自体は確かに1991年に終わったわけだが、いま述べた独立運動の弾圧や
独裁国家の支援は現在も変わらず続けられている。冷戦は終わっていないのである。
冷戦は終わったと言う認識は、NATOの侵略は終わったという認識、
現行の軍事干渉を看過させる、最悪の場合正当化させる役目を担う。
公共料金の値上げと福祉の縮小、地元産業の破壊、安価な外国商品の流入、
雇用の不安定化。そして親欧米政権の暴力的手段による樹立と反対派の粛清。
侵略という言葉が、これほどピッタリと来るものは無いと思う。
冷戦史あるいは現代史はNATO侵略史として書き換える必要があるはずだ。
そのため、代替の歴史観が必要となるわけだが、そのさいに私は
デヴィッド・ハーヴェイをはじめとする新自由主義を扱う研究者の著作が役立つと考える。
去年の11月から作品社から『近代世界システムと新自由主義グローバリズム』
という書籍が発刊されたが、これなどは現代史の読み替えに大変役立つものだ。
というのも、戦後しばらく経ち、資本主義制度の究極の形態として
新自由主義が誕生し、それが既存の共産主義を駆逐し、
現代まで各地で猛威をふるっている構図が如実にあらわれているからだ。
学者の中にも、このような歴史観を目的論的なものとして退ける人間や、
マルクス主義にアレルギー(経済という視点を極端に避ける態度)を感じる者もいる。
だが、現在の国際政治や経済を考える上で、さらに言えば、
現在の国際政治や経済の解決を考える上で、上記のような先進諸国の責任を
強く追及する著作は、やはり一読に値すると私は思う。