シリアのハルキ首相は、ラジオ・スプートニクのインタビューに応じた中で
「もし隣り合う国々が過激主義者への資金援助を止め、国境を戦闘員が通れないようにするならば、
シリアはテログループ『IS(イスラム国)』とその同盟者に勝利する状態にある」と述べた。
続きを読む http://jp.sputniknews.com/middle_east/20150722/619406.html#ixzz3gdWQq0UT
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隣り合う国々というのは、この場合、サウジアラビアとイスラエルだろう。
サウジアラビアの王室がイスラム国を支援していたのは日本の研究者も認める事実だが、
なぜか酒井啓子氏をはじめ、彼女達はそれを重要視しない。
本来なら、岩波書店なり東京大学出版会なり、高名な出版社から
サウジアラビアのテロ支援をテーマとした本が出版されてもおかしくないのだが……
それはさておき、シリアのハルキ首相のコメントを以下に紹介しよう。
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「テロリズムとの戦いには、世界のあらゆる国々の参加が求められている。
しかし、そうした参加は、
国連安全保障理事会の決議や国際法に従ってなされるべきであり、
また当事国の主権の尊重やその国との対話、
そうした行動へのその国の側からの合意がなければならない。
米国を筆頭にした国際有志連合がシリア領内で行っていることは、
そうした条件に全くかなっていない。国連安保理事会での合意に直接違反している。
有志連合に入っている国々が、
テログループを直接支援していることを考慮するならば、
行われていることは、テロリズムとの戦いとも言えない。
彼らが、空からテロリストを殲滅しているなどと、どうしたら信じることができるだろうか?
『ISIL(イラク・レバントのイスラム国)』との戦いで、
シリアがどんな援助を必要としているかについて言えば、
何よりもまず、テログループへの資金援助の停止、戦闘員らの移動の禁止である。
そうした援助を、トルコやイスラエル、ヨルダン、サウジアラビア、
カタールなどの国々の良く知られた勢力が保障している。
テロリストらとの戦いは、空爆によりなされているが、
彼らとの戦いにおいて肝心なのは、資金援助の停止であり国境の封鎖だ。
また情報支援も止めなければならない。
現在シリア政府は、こうした方向で現実的協力が行われているとは、感じていない。
しかしワシントンが、地域や地域社会の分裂、
自分達に抵抗する勢力の弾圧といった目的実行のためだけに、
テロリズムとの戦いを発展させたいと望んでいることは明白だ。
ワシントンにとって必要なのは、彼らがテロリズムとの戦いで
取っているあらゆる立場を改めて検討し、国際的な安全保障に脅威を与える
テロリズムへの支援に関係した、あれやこれやの行動をやめることである。
シリア政府は、ロシアが絶えず示してくれている支持に感謝している。
我々は、プーチン大統領とロシア指導部を信頼している。
あらゆる領域において、経済から政治的なものまで、
もしロシアの支援がなかったならば、シリアは、テロリズムに抵抗できなかったろう。
我々は、そうした支援に対し、プーチン大統領に深く感謝するものである。」
続きを読む http://jp.sputniknews.com/middle_east/20150722/619406.html#ixzz3gdYOi7zo
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本来、国連が軍を派遣する場合は色々と協定を結ばなければならない。
(兵士をどのくらい派遣するのか、どのような兵器を持ち出すのか等々)
そういう手続きを全部すっ飛ばして
空から爆弾を落としているわけである。怒るのが当然だ。
イスラム国がその実、欧米と手を組んでいる情報は以前から
イランラジオ等から入手していたが、現時点では限りなく黒に近い灰色だと思う。
とはいえ、列強が本気でISを滅ぼすつもりではないのは確実だ。
(一言で言うと、やり方がぬるい。手を抜いている)
私は前々から「冷戦は終わっていない」ということを主張してきた。
実際、シリア、ロシア、中国、北朝鮮、キューバ、イラン等々の
世界の独裁国家(by列強にとっての)は、いずれも旧東側国だ。
ハルキ首相のコメントの最後でロシアに謝意を示したように、
実はシリアはロシアと仲が良い。以前、シリアが細菌兵器を再び製造している
というデマが飛び交ったときにシリアを弁護したのはロシアだった。
日本はソ連が崩壊したことをもって、
国際関係まで激変したかのように勘違いする人間が学者の中からでさえ出現したが、
実際は、ご覧の通りで、冷戦時の国際関係は以前より緩和されているもののなお存在する。
この辺を踏まえながら、アメリカの戦争・外交をみると、また違ったものとなる。
文学研究にはポスト・コロニアリズムという分野が存在するが、
いわば、新冷戦主義とも言えるだろう主義が現在、鎌首をもたげている。
それに注目して世界を再考するのが、これから必要とされるのではないだろうかと
昨今の日本の軍拡や基地問題、歴史問題、人種差別の蔓延を見て、強く思う。
「もし隣り合う国々が過激主義者への資金援助を止め、国境を戦闘員が通れないようにするならば、
シリアはテログループ『IS(イスラム国)』とその同盟者に勝利する状態にある」と述べた。
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隣り合う国々というのは、この場合、サウジアラビアとイスラエルだろう。
サウジアラビアの王室がイスラム国を支援していたのは日本の研究者も認める事実だが、
なぜか酒井啓子氏をはじめ、彼女達はそれを重要視しない。
本来なら、岩波書店なり東京大学出版会なり、高名な出版社から
サウジアラビアのテロ支援をテーマとした本が出版されてもおかしくないのだが……
それはさておき、シリアのハルキ首相のコメントを以下に紹介しよう。
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「テロリズムとの戦いには、世界のあらゆる国々の参加が求められている。
しかし、そうした参加は、
国連安全保障理事会の決議や国際法に従ってなされるべきであり、
また当事国の主権の尊重やその国との対話、
そうした行動へのその国の側からの合意がなければならない。
米国を筆頭にした国際有志連合がシリア領内で行っていることは、
そうした条件に全くかなっていない。国連安保理事会での合意に直接違反している。
有志連合に入っている国々が、
テログループを直接支援していることを考慮するならば、
行われていることは、テロリズムとの戦いとも言えない。
彼らが、空からテロリストを殲滅しているなどと、どうしたら信じることができるだろうか?
『ISIL(イラク・レバントのイスラム国)』との戦いで、
シリアがどんな援助を必要としているかについて言えば、
何よりもまず、テログループへの資金援助の停止、戦闘員らの移動の禁止である。
そうした援助を、トルコやイスラエル、ヨルダン、サウジアラビア、
カタールなどの国々の良く知られた勢力が保障している。
テロリストらとの戦いは、空爆によりなされているが、
彼らとの戦いにおいて肝心なのは、資金援助の停止であり国境の封鎖だ。
また情報支援も止めなければならない。
現在シリア政府は、こうした方向で現実的協力が行われているとは、感じていない。
しかしワシントンが、地域や地域社会の分裂、
自分達に抵抗する勢力の弾圧といった目的実行のためだけに、
テロリズムとの戦いを発展させたいと望んでいることは明白だ。
ワシントンにとって必要なのは、彼らがテロリズムとの戦いで
取っているあらゆる立場を改めて検討し、国際的な安全保障に脅威を与える
テロリズムへの支援に関係した、あれやこれやの行動をやめることである。
シリア政府は、ロシアが絶えず示してくれている支持に感謝している。
我々は、プーチン大統領とロシア指導部を信頼している。
あらゆる領域において、経済から政治的なものまで、
もしロシアの支援がなかったならば、シリアは、テロリズムに抵抗できなかったろう。
我々は、そうした支援に対し、プーチン大統領に深く感謝するものである。」
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本来、国連が軍を派遣する場合は色々と協定を結ばなければならない。
(兵士をどのくらい派遣するのか、どのような兵器を持ち出すのか等々)
そういう手続きを全部すっ飛ばして
空から爆弾を落としているわけである。怒るのが当然だ。
イスラム国がその実、欧米と手を組んでいる情報は以前から
イランラジオ等から入手していたが、現時点では限りなく黒に近い灰色だと思う。
とはいえ、列強が本気でISを滅ぼすつもりではないのは確実だ。
(一言で言うと、やり方がぬるい。手を抜いている)
私は前々から「冷戦は終わっていない」ということを主張してきた。
実際、シリア、ロシア、中国、北朝鮮、キューバ、イラン等々の
世界の独裁国家(by列強にとっての)は、いずれも旧東側国だ。
ハルキ首相のコメントの最後でロシアに謝意を示したように、
実はシリアはロシアと仲が良い。以前、シリアが細菌兵器を再び製造している
というデマが飛び交ったときにシリアを弁護したのはロシアだった。
日本はソ連が崩壊したことをもって、
国際関係まで激変したかのように勘違いする人間が学者の中からでさえ出現したが、
実際は、ご覧の通りで、冷戦時の国際関係は以前より緩和されているもののなお存在する。
この辺を踏まえながら、アメリカの戦争・外交をみると、また違ったものとなる。
文学研究にはポスト・コロニアリズムという分野が存在するが、
いわば、新冷戦主義とも言えるだろう主義が現在、鎌首をもたげている。
それに注目して世界を再考するのが、これから必要とされるのではないだろうかと
昨今の日本の軍拡や基地問題、歴史問題、人種差別の蔓延を見て、強く思う。