サウジアラビアはイランをテロ支援国家とみなし非難したが、
実際には、サウジアラビアのほうがイスラム過激派を支援している。
そもそも、サウジアラビアの国教であるワッハーブ派自体が極めて原理主義的な教義を持つ宗派で、
サウジが国外に建てた同一派の養成学校からアルカイダやタリバンなどの原理主義者が輩出されている。
(ワッハーブ派を原理主義(近代化に対するカウンター運動という意味で定義されている)
ではないと主張する大塚和夫氏ですら、その思想が原理主義と共通することを認めざるを得ない)
シリアにしても同国の反政府武装組織を支援してきたのはサウジアラビアであり、
その中にはあのダーイシュ(ISIS、イスラム国)も含まれていたのである。
ダーイシュが占領した区域の学校ではサウジの教科書が使われているし、
ダーイシュの捕虜が言うには、彼らの食料はトルコとサウジを経由して運ばれてくる。
「スプートニク」が「ダーイシュ(IS)」戦闘員に独占インタビュー
加えて、ダーイシュが占領区内で定めた法の内容はサウジのそれと酷似しており、
たとえば、処刑方法はサウジと同じく罪人の首を切ることを主なものとしている。
サウジではシャリア法というイスラム法に則った統治が行われているが、
さすがにワッハーブ派が認めた法律だけあって、相当過激なことが書かれている。
一例を挙げれば、2010年から2011年までにサウジで配布された副読本には、
女性は貧弱で無責任であり、盗みや犯罪を犯すと手足を切断されると図で説明されたり、
ホモセクシャルは社会悪なので死刑に値すると書かれていたりする。
こういう法律がサウジから過激派が輩出される背景ではないかと疑う人間も少なくないが、
ワッハーブ派の指導を受けたタリバンの厳格すぎる法治を思い起こせば、大いに頷ける話だ。
サウジアラビア王子、2トンの麻薬所持でベイルート空港にて逮捕
ダーイシュは戦闘員らに麻薬を提供しているのだが、先月、
ダーイシュ側に麻薬を密売しようとしたサウジアラビアの王子が逮捕された。
サウジから食料や麻薬、資金が調達され、なぜかダーイシュはサウジを攻撃しない。
もう決定的だろう。探せば探すほどサウジとダーイシュとの結びつきが見えてくる。
------------------------------------------------------------
トルコからイエメンに到着した複数の航空機には、テロ集団「IS(イスラム国)」の
戦闘員500人が乗っていた。シリア軍スポークスマンのアリ・マイフブ准将が伝えた。
マイフブ准将は、次のように指摘した―
「26日火曜日、諜報機関の情報によればイエメンのアデン空港にトルコから4機の航空機が到着した。
そのうちの2機はトルコ、1機はカタール、もう1機はアラブ首長国連邦の航空会社ものだった。
これらには、テロ組織『IS』の戦闘員500人以上が乗っていた。
戦闘員らは、ロシアの空爆を逃れ、シリアから避難してきた者達だった。
戦闘員らを迎えたのは、サウジアラビアが率いる連合国の将校らで、
彼らは戦闘員を、3つのグループに分け、空港から連れて行った。
第一グループは、マンデブ県のエリ-バブへ、第二グループはマアリブへ、
そして第三グループはサウジアラビアのジャザン、アスィルに送られた。
彼らは、フーシ派とのここ最近の戦闘で非常に大きな損失を被った地上作戦に参加する事になる。
手元の情報では、シリアから移動した『IS』戦闘員を加えて、近く作戦は続けられる。」
続きを読む http://jp.sputniknews.com/middle_east/20151028/1087672.html#ixzz3wO3eUwLp
------------------------------------------------------------
イランの最高指導者ハーメネイー師はサウジアラビアを非難するために上の風刺画を紹介した。
イスラム国に抵抗する人間を処刑することと
イスラム国の支持者に抵抗する人間を処刑することに何の違いがある?という意味が込められている。
---------------------------------------------------
サウジアラビアで間もなく3人の未成年者が
抗議行動への参加のかどで受けた判決に従い、処刑される。
伝統に従い、処刑は断頭という形で行われる。independent.co.ukが伝えた。
人権擁護団体Reprieveによれば、一番若い同団体のメンバーである
アブドゥラ・アル・ザヒル氏は国内のシーア派により大きな権限を与えるよう
求める抗議行動に参加したために死刑を宣告された。逮捕時点で年齢は15歳だった。
ほかの二人、アリ・アル・ニムル氏とダウド・アル・マルン氏は17歳だった。
同国の政権はスンニ派が握っている。シーア派の行動は厳しく弾圧される。
ニムル氏に対する容疑は抗議行動に参加し、活動家らを支援するために携帯電話を使用した、
というもの。他に武器庫を管理していたとの容疑もかけられているが、本人はこれを否認している。
国際社会の抗議にも関わらず、当局は減刑する気はない。
サウジアラビアは現在国連人権理事会の理事国である。
続きを読む http://jp.sputniknews.com/middle_east/20151219/1344002.html#ixzz3wO7ANuUh
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Saudi Arabia - a monster of the West's creation
‘A Wahhabi Muslim Brotherhood’: More escalation ahead in Saudi-Iran crisis
上記2本の記事を読めば、サウジアラビアがこういう国になった国際的背景として
欧米諸国のサウジアラビアへの支援と国内の弾圧に対する黙認があったこと、
サウジが欧米を後ろ盾にワッハーブ派の支配権を広げようとしていること、
その最大の障壁としてシリアとイランが存在することがわかると思う。
これだけサウジと過激派の結びつきが強く、またサウジ政府の国内や国外に対して行う暴力、
ワッハーブ派の教義を思えば、サウジアラビアそのものが過激派の一派ではないかと感じるほどだが、
なぜか日本の論壇にしゃしゃりでてくる知識人は、
サウジが普通の国であるかのように語り、中東のテロに責任が無いかのように説明しようとする。
先月に白水社から発売された『ふらんす』特別号は、パリの同時多発テロを特集したが、
誰とは言わないが、サウジがテロに関与していないかのように力説する中東研究者がいたり、
パリのテロだけ集中的に扱う報道について批判することは、根本の部分で
テロリストを擁護していると主張する学者がいたりと、随分と非道い内容だった。
白水社は海外の小説やノンフィクションの翻訳をメインとする出版社で、
わりと真面目な出版社というイメージが強いが、
この出版社ほど西側視点で歴史や社会を語ろうとする出版社はいないだろう。
私は今ここに「西側視点」と書いたが、正確には西側の「保守視点」と念を押したい。
青土社から出版される『現代思想』が以前、シャルリエブドの事件を取り上げたことが
あったが、その特集号はフランスの知識人の評論が中心的に収録されていて、
同書を読むと、彼らフランス左翼も、安易にシャルリエブドを支持する動き、
表現の自由に対する挑戦としてみる動きに対して危惧していることがわかる。
逆を言えば、向こうの知識人の言い分すらろくに読まない、
あるいは無視・軽視をする連中が新聞・テレビ・出版で闊歩しているということなのだろう。
実際には、サウジアラビアのほうがイスラム過激派を支援している。
そもそも、サウジアラビアの国教であるワッハーブ派自体が極めて原理主義的な教義を持つ宗派で、
サウジが国外に建てた同一派の養成学校からアルカイダやタリバンなどの原理主義者が輩出されている。
(ワッハーブ派を原理主義(近代化に対するカウンター運動という意味で定義されている)
ではないと主張する大塚和夫氏ですら、その思想が原理主義と共通することを認めざるを得ない)
シリアにしても同国の反政府武装組織を支援してきたのはサウジアラビアであり、
その中にはあのダーイシュ(ISIS、イスラム国)も含まれていたのである。
ダーイシュが占領した区域の学校ではサウジの教科書が使われているし、
ダーイシュの捕虜が言うには、彼らの食料はトルコとサウジを経由して運ばれてくる。
「スプートニク」が「ダーイシュ(IS)」戦闘員に独占インタビュー
加えて、ダーイシュが占領区内で定めた法の内容はサウジのそれと酷似しており、
たとえば、処刑方法はサウジと同じく罪人の首を切ることを主なものとしている。
サウジではシャリア法というイスラム法に則った統治が行われているが、
さすがにワッハーブ派が認めた法律だけあって、相当過激なことが書かれている。
一例を挙げれば、2010年から2011年までにサウジで配布された副読本には、
女性は貧弱で無責任であり、盗みや犯罪を犯すと手足を切断されると図で説明されたり、
ホモセクシャルは社会悪なので死刑に値すると書かれていたりする。
こういう法律がサウジから過激派が輩出される背景ではないかと疑う人間も少なくないが、
ワッハーブ派の指導を受けたタリバンの厳格すぎる法治を思い起こせば、大いに頷ける話だ。
サウジアラビア王子、2トンの麻薬所持でベイルート空港にて逮捕
ダーイシュは戦闘員らに麻薬を提供しているのだが、先月、
ダーイシュ側に麻薬を密売しようとしたサウジアラビアの王子が逮捕された。
サウジから食料や麻薬、資金が調達され、なぜかダーイシュはサウジを攻撃しない。
もう決定的だろう。探せば探すほどサウジとダーイシュとの結びつきが見えてくる。
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トルコからイエメンに到着した複数の航空機には、テロ集団「IS(イスラム国)」の
戦闘員500人が乗っていた。シリア軍スポークスマンのアリ・マイフブ准将が伝えた。
マイフブ准将は、次のように指摘した―
「26日火曜日、諜報機関の情報によればイエメンのアデン空港にトルコから4機の航空機が到着した。
そのうちの2機はトルコ、1機はカタール、もう1機はアラブ首長国連邦の航空会社ものだった。
これらには、テロ組織『IS』の戦闘員500人以上が乗っていた。
戦闘員らは、ロシアの空爆を逃れ、シリアから避難してきた者達だった。
戦闘員らを迎えたのは、サウジアラビアが率いる連合国の将校らで、
彼らは戦闘員を、3つのグループに分け、空港から連れて行った。
第一グループは、マンデブ県のエリ-バブへ、第二グループはマアリブへ、
そして第三グループはサウジアラビアのジャザン、アスィルに送られた。
彼らは、フーシ派とのここ最近の戦闘で非常に大きな損失を被った地上作戦に参加する事になる。
手元の情報では、シリアから移動した『IS』戦闘員を加えて、近く作戦は続けられる。」
続きを読む http://jp.sputniknews.com/middle_east/20151028/1087672.html#ixzz3wO3eUwLp
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イランの最高指導者ハーメネイー師はサウジアラビアを非難するために上の風刺画を紹介した。
イスラム国に抵抗する人間を処刑することと
イスラム国の支持者に抵抗する人間を処刑することに何の違いがある?という意味が込められている。
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サウジアラビアで間もなく3人の未成年者が
抗議行動への参加のかどで受けた判決に従い、処刑される。
伝統に従い、処刑は断頭という形で行われる。independent.co.ukが伝えた。
人権擁護団体Reprieveによれば、一番若い同団体のメンバーである
アブドゥラ・アル・ザヒル氏は国内のシーア派により大きな権限を与えるよう
求める抗議行動に参加したために死刑を宣告された。逮捕時点で年齢は15歳だった。
ほかの二人、アリ・アル・ニムル氏とダウド・アル・マルン氏は17歳だった。
同国の政権はスンニ派が握っている。シーア派の行動は厳しく弾圧される。
ニムル氏に対する容疑は抗議行動に参加し、活動家らを支援するために携帯電話を使用した、
というもの。他に武器庫を管理していたとの容疑もかけられているが、本人はこれを否認している。
国際社会の抗議にも関わらず、当局は減刑する気はない。
サウジアラビアは現在国連人権理事会の理事国である。
続きを読む http://jp.sputniknews.com/middle_east/20151219/1344002.html#ixzz3wO7ANuUh
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Saudi Arabia - a monster of the West's creation
‘A Wahhabi Muslim Brotherhood’: More escalation ahead in Saudi-Iran crisis
上記2本の記事を読めば、サウジアラビアがこういう国になった国際的背景として
欧米諸国のサウジアラビアへの支援と国内の弾圧に対する黙認があったこと、
サウジが欧米を後ろ盾にワッハーブ派の支配権を広げようとしていること、
その最大の障壁としてシリアとイランが存在することがわかると思う。
これだけサウジと過激派の結びつきが強く、またサウジ政府の国内や国外に対して行う暴力、
ワッハーブ派の教義を思えば、サウジアラビアそのものが過激派の一派ではないかと感じるほどだが、
なぜか日本の論壇にしゃしゃりでてくる知識人は、
サウジが普通の国であるかのように語り、中東のテロに責任が無いかのように説明しようとする。
先月に白水社から発売された『ふらんす』特別号は、パリの同時多発テロを特集したが、
誰とは言わないが、サウジがテロに関与していないかのように力説する中東研究者がいたり、
パリのテロだけ集中的に扱う報道について批判することは、根本の部分で
テロリストを擁護していると主張する学者がいたりと、随分と非道い内容だった。
白水社は海外の小説やノンフィクションの翻訳をメインとする出版社で、
わりと真面目な出版社というイメージが強いが、
この出版社ほど西側視点で歴史や社会を語ろうとする出版社はいないだろう。
私は今ここに「西側視点」と書いたが、正確には西側の「保守視点」と念を押したい。
青土社から出版される『現代思想』が以前、シャルリエブドの事件を取り上げたことが
あったが、その特集号はフランスの知識人の評論が中心的に収録されていて、
同書を読むと、彼らフランス左翼も、安易にシャルリエブドを支持する動き、
表現の自由に対する挑戦としてみる動きに対して危惧していることがわかる。
逆を言えば、向こうの知識人の言い分すらろくに読まない、
あるいは無視・軽視をする連中が新聞・テレビ・出版で闊歩しているということなのだろう。