私がアメリカ研究を始めて間もないころ、バラク・フセイン・オバマが
ジョン・マケインに勝ち、アメリカ大統領になったニュースを読み、
胸がスッとした思いだったのを今でも覚えています。
あの頃の私は、民族論・ナショナリズム論というのを
あまり真面目に研究しておらず、しかも親米だったので、
アメリカには自浄作用があり、変われる国なのだと本気で信じていました。
他国と比べると、合衆国には改革の気運があり、そうであるからこそ、
世界有数のNPO大国であるという認識は今でも変わりません。
(それは貧困や差別が看過できないレベルである裏付けでもある)
しかし、今ではオバマを「食えない男だな」以外の感想が持てなくなっています。
その発端は、普天間基地の移設が問題化した2010年。
どうにかして話を聞いてもらおうと対話を持ちかける鳩山氏を
冷たくあしらったオバマ氏を見て、アメリカの怖さに気がつきました。
普段は、対話だの友好だの、差別解消だの、反核だのを訴えていたオバマも、
こと米軍基地の話になると、沖縄住民の代弁者に対して徹底無視を決め込んでしまう。
(少なくとも当時の首相は、沖縄住民の立場から基地の県外移設を訴えていた)
私の中のアメリカ像がガラガラと崩れていく瞬間でした。
以降、改めてアメリカ外交史と、それに伴う途上国へ対する干渉、
および国内における社会運動および民主主義思想の問題点等々に
取組み、この国の独善性や一見正しく見える行為の裏側に何があるのか
を観察してきました。北朝鮮や中東、東欧、南米への本サイトの批評も
その研究の産物といっても過言ではないでしょう。
(もっとも、レポート以下の感想文ではありますが)
さて、連日、安倍とオバマの対談について記事を書いていますが、
今回は、実は日本の軍拡は米国のアジアにおける軍事的拡張と
連動しているということをここに指摘しておきたいと思います。
以下、赤旗からの記事です。
---------------------------------------------------------
米国とフィリピン両国は28日、10年期限の新軍事協定
「防衛協力強化協定(EDCA)」を締結しました。
比軍基地内に施設を建設し、
米軍部隊の「一時的」駐留をおこなうことを認めるもの。
同日午後には、アジア歴訪最後の訪問先として
オバマ米大統領がフィリピン入りし、アキノ大統領と会談しました。
終了後の記者会見でオバマ氏は、同協定について、
中国の「封じ込め」が目的ではなく、「平和的台頭」を歓迎すると表明。
アキノ氏も南シナ海の領有権問題で「平和的解決」を強調しました。
~(中略)~
国内では「米軍が復帰するのではないか」と懸念する市民らが、
大統領宮殿近くで新協定締結反対の抗議行動を起こしました。
現地からの報道によると、政治評論家ラモン・カシプル氏は新軍事協定締結の背景に、
中国の域内での台頭にたいする国防力強化を「切迫した」課題とするフィリピン側と、
「アジアにおいて再度その関与を模索している」米側の思惑の一致があると指摘しています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-29/2014042907_01_1.html
---------------------------------------------------------
状況が、日本のそれと完全に一致してますね?
フィリピンを日本、アキノを安倍、市民を沖縄県民と置き換えれば、
そのまま、沖縄の米軍基地問題と同じ内容になります。
どちらにおいても、対話や平和的解決を建前としながら、
軍備拡張に舵をきっており、中国へのけん制を目的としている。
オバマの狡猾なところは、責任をアキノに転嫁し、
自分は平和論者であるかのようにごまかしている点。
かつて、冷戦時代にアメリカは、自らの手を汚さず、
現地のゲリラや独裁者を支援し、間接的な支配を行ってきましたが、
それは冷戦終結によって終わったわけではありません。
アメリカにとっては、中国とのトラブルは避けたい一方で、
同国の台頭を防ぎたい思惑もあり、日本やフィリピンのような
中国と衝突のある国を焚きつけて、高みの見物を決め込んでいるわけです。
冷静に考えれば、現地の住民の意思を無視してまで、
アメリカの走狗になる義理などないのですが、
アキノも安倍も米国を後ろ盾に自己の確固たる権力を築きたい野心がある。
結果的に、支配する側の権力者が支配される側の権力者を懐柔して、
本来なら敵対する国家が逆に主従関係を結んで行動しているわけです。
アメリカは、その歴史を紐解くと、綿花やタバコ栽培のための土地を
アメリカ・インディアンから奪い取るために、その部族と敵対する
部族と友好関係を結び、彼らを孤立させた上で武力侵攻して絶滅させて
いったのですが、こういう巧妙な政治の駆け引きはさすがだとしか言えません。
似たようなことは、実は大日本帝国やイギリス、フランスといった
旧帝国主義国も行っているのですが、まぁ、この点にかけては
アメリカの右に出るものはいないのではないでしょうか?
ジョン・マケインに勝ち、アメリカ大統領になったニュースを読み、
胸がスッとした思いだったのを今でも覚えています。
あの頃の私は、民族論・ナショナリズム論というのを
あまり真面目に研究しておらず、しかも親米だったので、
アメリカには自浄作用があり、変われる国なのだと本気で信じていました。
他国と比べると、合衆国には改革の気運があり、そうであるからこそ、
世界有数のNPO大国であるという認識は今でも変わりません。
(それは貧困や差別が看過できないレベルである裏付けでもある)
しかし、今ではオバマを「食えない男だな」以外の感想が持てなくなっています。
その発端は、普天間基地の移設が問題化した2010年。
どうにかして話を聞いてもらおうと対話を持ちかける鳩山氏を
冷たくあしらったオバマ氏を見て、アメリカの怖さに気がつきました。
普段は、対話だの友好だの、差別解消だの、反核だのを訴えていたオバマも、
こと米軍基地の話になると、沖縄住民の代弁者に対して徹底無視を決め込んでしまう。
(少なくとも当時の首相は、沖縄住民の立場から基地の県外移設を訴えていた)
私の中のアメリカ像がガラガラと崩れていく瞬間でした。
以降、改めてアメリカ外交史と、それに伴う途上国へ対する干渉、
および国内における社会運動および民主主義思想の問題点等々に
取組み、この国の独善性や一見正しく見える行為の裏側に何があるのか
を観察してきました。北朝鮮や中東、東欧、南米への本サイトの批評も
その研究の産物といっても過言ではないでしょう。
(もっとも、レポート以下の感想文ではありますが)
さて、連日、安倍とオバマの対談について記事を書いていますが、
今回は、実は日本の軍拡は米国のアジアにおける軍事的拡張と
連動しているということをここに指摘しておきたいと思います。
以下、赤旗からの記事です。
---------------------------------------------------------
米国とフィリピン両国は28日、10年期限の新軍事協定
「防衛協力強化協定(EDCA)」を締結しました。
比軍基地内に施設を建設し、
米軍部隊の「一時的」駐留をおこなうことを認めるもの。
同日午後には、アジア歴訪最後の訪問先として
オバマ米大統領がフィリピン入りし、アキノ大統領と会談しました。
終了後の記者会見でオバマ氏は、同協定について、
中国の「封じ込め」が目的ではなく、「平和的台頭」を歓迎すると表明。
アキノ氏も南シナ海の領有権問題で「平和的解決」を強調しました。
~(中略)~
国内では「米軍が復帰するのではないか」と懸念する市民らが、
大統領宮殿近くで新協定締結反対の抗議行動を起こしました。
現地からの報道によると、政治評論家ラモン・カシプル氏は新軍事協定締結の背景に、
中国の域内での台頭にたいする国防力強化を「切迫した」課題とするフィリピン側と、
「アジアにおいて再度その関与を模索している」米側の思惑の一致があると指摘しています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-29/2014042907_01_1.html
---------------------------------------------------------
状況が、日本のそれと完全に一致してますね?
フィリピンを日本、アキノを安倍、市民を沖縄県民と置き換えれば、
そのまま、沖縄の米軍基地問題と同じ内容になります。
どちらにおいても、対話や平和的解決を建前としながら、
軍備拡張に舵をきっており、中国へのけん制を目的としている。
オバマの狡猾なところは、責任をアキノに転嫁し、
自分は平和論者であるかのようにごまかしている点。
かつて、冷戦時代にアメリカは、自らの手を汚さず、
現地のゲリラや独裁者を支援し、間接的な支配を行ってきましたが、
それは冷戦終結によって終わったわけではありません。
アメリカにとっては、中国とのトラブルは避けたい一方で、
同国の台頭を防ぎたい思惑もあり、日本やフィリピンのような
中国と衝突のある国を焚きつけて、高みの見物を決め込んでいるわけです。
冷静に考えれば、現地の住民の意思を無視してまで、
アメリカの走狗になる義理などないのですが、
アキノも安倍も米国を後ろ盾に自己の確固たる権力を築きたい野心がある。
結果的に、支配する側の権力者が支配される側の権力者を懐柔して、
本来なら敵対する国家が逆に主従関係を結んで行動しているわけです。
アメリカは、その歴史を紐解くと、綿花やタバコ栽培のための土地を
アメリカ・インディアンから奪い取るために、その部族と敵対する
部族と友好関係を結び、彼らを孤立させた上で武力侵攻して絶滅させて
いったのですが、こういう巧妙な政治の駆け引きはさすがだとしか言えません。
似たようなことは、実は大日本帝国やイギリス、フランスといった
旧帝国主義国も行っているのですが、まぁ、この点にかけては
アメリカの右に出るものはいないのではないでしょうか?