海から昇る空の下、海の匂いの風になって
13から16日くらいの明け方までは観られるという
ペルセウス座流星群を期待して
夜明け前の夜空を毎日気にしてた
霞がかかったような一面雲に覆われた空
連夜星はたったひとつも見えなくて
力の抜けた溜息が無意識に漏れる
何かすてきなことを探さなきゃって
どうしようもなく息がつまりそうだったんだ
久しぶりに堤防に足を運んだ
ヒトツマミの世界をチープな釣竿と一緒に携えて
少しずつ青味を帯びて海を照らしながら
海から昇っていく空を仰ぎ見た
動き出した明け方の風を
心地好く羽織りながら釣り糸を垂らす
見え隠れするウキにハッとし
アタリの感触に心が躍る
蒸発した気力を引き寄せるみたいに
ただ静かに空気になって何度も繰り返す
ただ静かに海の匂いの風になって
ただ何度も何度も繰り返す