こんばんわ!
今日は移動距離が200km超えで疲れ果てたエーコです!
もちろん先輩が運転。
おかげで自炊どころではなく、無農薬で自家栽培してる野菜を使った美味しい小料理屋さんで久しぶりの贅沢。
「久しぶりやねぇ、エーコちゃん!」
「はい女将さん!今日は美味しい野菜をたっぷり食べに来ました!」
「勘定は俺だから遠慮しろよな。」
「まあまあ。」
「いや、ここは厳しく言っとかないとね、大将。」
「先輩!そんなセコイこと言ってると座敷わらしに嫌われますよ?!」
「おいおい、今時座敷わらしはないだろう?」
「ちょっと!居るんで!この店にも。」
「え?」
「そこにお手玉が置いてるやろ?」
女将さんがカウンターの隅っこにある5つのお手玉を指差す。
「何ですか、これ?」
「あんた良い年して座敷わらしの好物も知らんの?」
「いや、何ですか大将まで?!」
「先輩~、地球人なんだからしっかりしてくださいよぉ~。宇宙人の私でも知ってますよぉ~。」
「へ?なんで???」
「あんた、明日から先輩返上やで?」
「なんすか、大将まで?!」
「座敷わらしの好物と言えば?セーノ・・・」
「小豆!!」
「いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ。女将さんと大将は分かるとして、何でお前まで知ってるんだよ?」
「常識です!」一同がハモる。
「え?俺だけ非常識なの?」
「その小豆を詰めたお手玉が、毎日店に来ると前の晩と違う所に転がってるんよ。」
「ま、まさか~」
現実主義者の先輩はこの手の話には弱い。
「今朝もほら、あんたの後ろの座敷に2こ転がってたんよ。」
女将さんが先輩の背後を指差す。
先輩は恐る恐る、一瞬だけ背後を振り向いた。
「へ、へぇ~。あ、すみません、ちょっとトイレ。」
数分後、先輩がトイレから出てくるなり奇妙なことを口走る。
「すみません!もう空いたのでどうぞ!」
「???」
一同何の話か分からず首をかしげる。
「え?あれ?誰かトイレのドアガチャガチャしましたよね?」
「だ~れもトイレなんか近寄ってないよ?」
女将さんが不思議そうに答える。
「え?!いや、そんなことはないですよ!鍵を掛けてたけどドアが2~3回左右に回されるのをちゃんと見たんですけど??あっちのお客さんとか?」
「いや、誰も本当にトイレには近寄ってなかったんで。もちろんウチの奴も俺も。あ、エーコちゃんも。」
先輩の顔から見る見る血の気が引いてゆくのがはっきりと分かりました。
「・・・そ、そうですか・・・?」
確かに大将が言った通り、誰もトイレには近寄っていなかった。
席に着いた先輩は1、2分ほど俯いて何かを考えていた様子。
「女将さん、ジュースか牛乳、小さいコップに入れてください。」
何かを悟った表情の先輩が女将さんに風変わりなオーダーをする。
でも女将さんは阿吽の呼吸で小さく頷くとすぐに準備を始めた。
「あら?!先輩ちゃん、ジュースはいかんわ!溢されたで!」
見れば小さなコップがひっくり返り、女将さんの前掛けが汚れていた。
「やっぱり座敷わらしの時代はジュースは知らんで!牛乳にしとき!」
そう言うと今度は牛乳をその小さなコップに注ぐ。
「あ、すんません。」
先輩は恐縮しながらその牛乳入りの小さなグラスを丁寧な手つきで受け取ります。
静かに自分の右隣の座席にそのコップを降し、ニコニコし始める先輩。
「確かに居ますね。」
さっきまでの青ざめた表情はもうどこにも無く、心の底から嬉しそうに微笑む先輩が静かに店主夫婦に告げるのでした。
店主夫婦もそれを見て静かに微笑むだけで、一言も返しません。
「宇宙人が居る昨今です、何が居たって不思議じゃありませんよ!」
私が締めくくる。
静かに強烈な拳骨が落ちてきて意識が遠のく私でした・・・ZZZZZZZZZZ
今日は移動距離が200km超えで疲れ果てたエーコです!
もちろん先輩が運転。
おかげで自炊どころではなく、無農薬で自家栽培してる野菜を使った美味しい小料理屋さんで久しぶりの贅沢。
「久しぶりやねぇ、エーコちゃん!」
「はい女将さん!今日は美味しい野菜をたっぷり食べに来ました!」
「勘定は俺だから遠慮しろよな。」
「まあまあ。」
「いや、ここは厳しく言っとかないとね、大将。」
「先輩!そんなセコイこと言ってると座敷わらしに嫌われますよ?!」
「おいおい、今時座敷わらしはないだろう?」
「ちょっと!居るんで!この店にも。」
「え?」
「そこにお手玉が置いてるやろ?」
女将さんがカウンターの隅っこにある5つのお手玉を指差す。
「何ですか、これ?」
「あんた良い年して座敷わらしの好物も知らんの?」
「いや、何ですか大将まで?!」
「先輩~、地球人なんだからしっかりしてくださいよぉ~。宇宙人の私でも知ってますよぉ~。」
「へ?なんで???」
「あんた、明日から先輩返上やで?」
「なんすか、大将まで?!」
「座敷わらしの好物と言えば?セーノ・・・」
「小豆!!」
「いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ。女将さんと大将は分かるとして、何でお前まで知ってるんだよ?」
「常識です!」一同がハモる。
「え?俺だけ非常識なの?」
「その小豆を詰めたお手玉が、毎日店に来ると前の晩と違う所に転がってるんよ。」
「ま、まさか~」
現実主義者の先輩はこの手の話には弱い。
「今朝もほら、あんたの後ろの座敷に2こ転がってたんよ。」
女将さんが先輩の背後を指差す。
先輩は恐る恐る、一瞬だけ背後を振り向いた。
「へ、へぇ~。あ、すみません、ちょっとトイレ。」
数分後、先輩がトイレから出てくるなり奇妙なことを口走る。
「すみません!もう空いたのでどうぞ!」
「???」
一同何の話か分からず首をかしげる。
「え?あれ?誰かトイレのドアガチャガチャしましたよね?」
「だ~れもトイレなんか近寄ってないよ?」
女将さんが不思議そうに答える。
「え?!いや、そんなことはないですよ!鍵を掛けてたけどドアが2~3回左右に回されるのをちゃんと見たんですけど??あっちのお客さんとか?」
「いや、誰も本当にトイレには近寄ってなかったんで。もちろんウチの奴も俺も。あ、エーコちゃんも。」
先輩の顔から見る見る血の気が引いてゆくのがはっきりと分かりました。
「・・・そ、そうですか・・・?」
確かに大将が言った通り、誰もトイレには近寄っていなかった。
席に着いた先輩は1、2分ほど俯いて何かを考えていた様子。
「女将さん、ジュースか牛乳、小さいコップに入れてください。」
何かを悟った表情の先輩が女将さんに風変わりなオーダーをする。
でも女将さんは阿吽の呼吸で小さく頷くとすぐに準備を始めた。
「あら?!先輩ちゃん、ジュースはいかんわ!溢されたで!」
見れば小さなコップがひっくり返り、女将さんの前掛けが汚れていた。
「やっぱり座敷わらしの時代はジュースは知らんで!牛乳にしとき!」
そう言うと今度は牛乳をその小さなコップに注ぐ。
「あ、すんません。」
先輩は恐縮しながらその牛乳入りの小さなグラスを丁寧な手つきで受け取ります。
静かに自分の右隣の座席にそのコップを降し、ニコニコし始める先輩。
「確かに居ますね。」
さっきまでの青ざめた表情はもうどこにも無く、心の底から嬉しそうに微笑む先輩が静かに店主夫婦に告げるのでした。
店主夫婦もそれを見て静かに微笑むだけで、一言も返しません。
「宇宙人が居る昨今です、何が居たって不思議じゃありませんよ!」
私が締めくくる。
静かに強烈な拳骨が落ちてきて意識が遠のく私でした・・・ZZZZZZZZZZ