「もう少しで、お正月だ・・・。」
彰は間抜けな言葉を発した。
「そうにきまっているじゃねぇかよ。」
佳奈は呆れた顔をした。
「初詣、あそこの2人と行くわけ?」
佳奈は一瞬考えて・・・。
「そうだな・・。そのために来たような物だ。私の親戚で
関東より北に言ったことがないからな。些か寒いのだけれども、
そこまでな・・・。」
と言いつつ彰を眺めた。
遠巻きに見ていて、少年のような雰囲気だなと思ったが、何か憂いを帯びた
顔が佳奈の憧れていた女性の顔を見せた。
「あんたぁ。きれいだねぇ。」
まるで、女衒屋の若女将のような顔を見せた佳奈をみた彰は
「佳奈ちゃんてよほどヘンタイさんなんだね。私みたいな女を綺麗だと
思うなんてねぇ。」
ときっぱり、かつ真剣な表情を見せた。
「あはは。馬鹿だなぁ。人間には人間の取り方があるんだよ。私はあこがれの女性の
雰囲気ってあんたにあるんだよ。ボーイッシュな雰囲気な所よりもな。」
と佳奈は言った。
横で見ていた、久留美は淡雪にささやいた。
「なんだか、佳奈ちゃんますます男性にみえる・・・。あそこの彰ちゃんまじで
女性の顔を見せている・・。」
久留美の顔はこわばっていた。
「なんだか凄いことになっているわね。」
淡雪は、我関せずという雰囲気だ。