「おせち料理の重箱に詰めるのも終わったね。」
そう、赤い漆塗りの重箱を見て
高槻久留美が横手淡雪をみた。
「久留美ちゃん、重箱を選ぶセンスがいいわね。どこで。」
淡雪の母親が、久留美に目を細めている。
「実家が石川で伝統工芸を扱う仕事をして居るんです。
九谷焼のような陶磁器や輪島塗みたいな塗り物とか扱って居るんで、
子供の頃から、こういう物には目が利くんです。」
彼女は些か遠慮しているようだった。
「すごいんですね。輪島塗の高級品ですよ。」
と蒔絵の重箱を手にとって見せた。
「所で、彰ちゃんと佳奈ちゃんだけれども、関東に帰っても
つきあいが長くなりそうだね。おそらく電話番号とかメアドの交換
とかやっているんじゃないかな。」
と淡雪は窓の外に目をやった。
「そうかもね。でも私が気になるのは彰ちゃんとあなたが不仲になった理由。」
久留美が心配な顔をした。
そう、赤い漆塗りの重箱を見て
高槻久留美が横手淡雪をみた。
「久留美ちゃん、重箱を選ぶセンスがいいわね。どこで。」
淡雪の母親が、久留美に目を細めている。
「実家が石川で伝統工芸を扱う仕事をして居るんです。
九谷焼のような陶磁器や輪島塗みたいな塗り物とか扱って居るんで、
子供の頃から、こういう物には目が利くんです。」
彼女は些か遠慮しているようだった。
「すごいんですね。輪島塗の高級品ですよ。」
と蒔絵の重箱を手にとって見せた。
「所で、彰ちゃんと佳奈ちゃんだけれども、関東に帰っても
つきあいが長くなりそうだね。おそらく電話番号とかメアドの交換
とかやっているんじゃないかな。」
と淡雪は窓の外に目をやった。
「そうかもね。でも私が気になるのは彰ちゃんとあなたが不仲になった理由。」
久留美が心配な顔をした。