今徳之島にいる。
私はそこの「加賀美屋」という旅館で働いている。
けして望んでここに着たわけじゃない。
此処の女将に無理矢理連れてこられた。
加計呂麻島の実家でゴロゴロしているとき、
引っ張り出された。
女将の出身地は古仁屋である。
ほぼ同郷。
やたらと、私を見たらしかりつける。
他の人はほったらかしなのに私ばかり。
大学在学中、関東は神奈川県に住んでいた。
その時見た映画を女将に投影してしまう。
福島県のスキーリゾートを舞台にした作品だったけれども
ヒロインはお題目のように
「左前になったスキーリゾートをまほうのくににしたい」
と述べていた。
一緒に見ていた人間もげんなりしたけれども・・・。
でも凄い印象に残った映画だったんだ。
あの映画のヒロインみたいに女将は「まほうのくに」に
此処の旅館をしたいのかな。
それで大女将と衝突している。
私は彼女のまほうのくにという物語に付き合うのだろうか。
溜め息を付きながら、倉庫から緋毛氈を取ってくる。
おわり
私はそこの「加賀美屋」という旅館で働いている。
けして望んでここに着たわけじゃない。
此処の女将に無理矢理連れてこられた。
加計呂麻島の実家でゴロゴロしているとき、
引っ張り出された。
女将の出身地は古仁屋である。
ほぼ同郷。
やたらと、私を見たらしかりつける。
他の人はほったらかしなのに私ばかり。
大学在学中、関東は神奈川県に住んでいた。
その時見た映画を女将に投影してしまう。
福島県のスキーリゾートを舞台にした作品だったけれども
ヒロインはお題目のように
「左前になったスキーリゾートをまほうのくににしたい」
と述べていた。
一緒に見ていた人間もげんなりしたけれども・・・。
でも凄い印象に残った映画だったんだ。
あの映画のヒロインみたいに女将は「まほうのくに」に
此処の旅館をしたいのかな。
それで大女将と衝突している。
私は彼女のまほうのくにという物語に付き合うのだろうか。
溜め息を付きながら、倉庫から緋毛氈を取ってくる。
おわり