ブルーシャムロック

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ケーブルテレビで発見した女性

2013-12-14 05:36:38 | 信・どんど晴れ
私松本佳奈は、旅館の休憩所で加賀美屋が加盟しているケーブルテレビの
「ふるさとチャンネル」というチャンネルを見ていた。
様々なケーブルテレビに加盟している地域が毎回紹介されるけれども
こんかいは、関東地方の加盟チャンネルがさまざまな関東のTerritoryを紹介する番であった。
「女将、横浜ですか、どういうものが紹介されるのでしょうか ? 」
私は女将に質問した。
「さあ。」
女将はただ一言言うだけ。
實を言うと、私達は女将の甥である加賀美柾樹君の婚約者である、横浜出身の朝倉夏美という
女性を食中毒事件の咎を追わせて追放したのだ。あまりにも厚かましく
「女将になります。」
と言ってきたのが我々からすれば腹が立っていた。
で、彼女のせいにしなければいけなかったのを徳之島の祭りをきっかけに追放した。
かえってこれが私の後継体制の強化につながっていったのだけれども。
「横浜でまさか朝倉さんが紹介さたりして、」
女将は意地悪く話した。
女性レポーターが
「今日は横浜の元町にあるケーキ屋ル・ヴィサージュに着ています。
オーナーの橘恵美子さんです。」
橘恵美子となのる女性は、落ち着き払って、
「オーナーの橘です。もともとこのル・ヴィサージュは、他人のものですが、我が
橘社が買い取ったものです。これが絶品のシブーストです。」
この女性は、かつては新一さんの妻だった人だったけれども、ゆえあって新一さんと離婚して、
二人の子供の親権者になって、現在小田原で暮らしていると言ったわけだが。
「あの、恵美子さんがオーナーを務める店だったとは驚きですね。」
私と女将は目を見やった。
「でも、ル・ヴィサージュって、どこかで聞いたことがあるんだよね。」
女将がふとつぶやく。
「まさかぁ。横浜だったら洒落た店はたくさんありますよ。私もそのすぐ近くに住んでいましたし。」
私はそれに対して苦笑した。
女将は私の顔を見て口を黙って口をとんがらかせた。
元町だけれども、比較的電車でいける距離にあったけれども、ROOMMATEがバイトしていた
ぐらいのイメージしかない。
番組が 10 分ほどたったぐらいだろうか。
厨房の紹介に移っていた。
恵美子さんに連れられて、レポーターは厨房の作りかけの菓子を紹介していた。
でも、そこの調理長はあまり顔を見せたくないような感じで、
恵美子さんはそれをみて、レポーターを制止しているようだった。
「もしかしたらル・ヴィサージュといえば朝倉さんじゃないかな。」
女将は言う。
「朝倉さんですか・・・。」
私は一瞬考えた。
もし、朝倉さんだとしたら、柾樹さんとはなにかで別れたのだろう。その代わりに恵美子さんがいる。
実に悲しい。私と女将は TV モニターの横浜を見ながら、口に酢を思いっきり入れたような顔になった。
私は女将に、ここに留め置かれて加賀美屋の新時代を背負うように考えられている。
恵美子さんも朝倉さんももしかしたら徳之島や加賀美屋に復讐したいのだろうか。
おわり
コメント
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