「しかし、先生。先日の菊の名前の終了、是で良かったのですか。」
そんなことを、現在担当している細倉先生に聞いてみた。
「そうねぇ。」
先生が虚空を見ているのが分かる。
質問している人間は誰かって?
浦賀恭一というちんけな三下編集者である。
今いるところは東京にある韓国宮廷料理の店だ。
この料理のイメージだけれども、先日見た映画だかドラマで出てきた
位のイメージしかない。だから初体験である。
「今回の連載が終わったら、次はどんな物を書いてみたいですか?」
先生の答えは、
「次は、ダンテの新曲かしら.」
である。
「ダンテですか・・・。ええと・・・。」
私は些か分からなかった。何分大学は理系の学校を卒業したので。
「彼のことをご存じないようね。イタリアの詩人・作家で」
彼女の蘊蓄にうんうんという顔で聞いている。
「イタリアが舞台なんですか。先日の菊の名前が元ネタにした
ウンベルト・エーコがイタリア出身だと聞いています。」
先生は、私を小馬鹿にした顔で
「そうなのよ。彼はイタリア出身ね。私たちが座っている席の後ろを見てご覧なさいよ。」
と先生が言うので、私は振り返った。
墨書が存在している。
「萬魔殿と読めますね。」
と草書体の文章をおそるおそる拝見してみた。
「私も書道がないけれども、ダンテの新曲には萬魔殿が登場するからそれに挑戦してみたか
ったんだ。」
つづく
そんなことを、現在担当している細倉先生に聞いてみた。
「そうねぇ。」
先生が虚空を見ているのが分かる。
質問している人間は誰かって?
浦賀恭一というちんけな三下編集者である。
今いるところは東京にある韓国宮廷料理の店だ。
この料理のイメージだけれども、先日見た映画だかドラマで出てきた
位のイメージしかない。だから初体験である。
「今回の連載が終わったら、次はどんな物を書いてみたいですか?」
先生の答えは、
「次は、ダンテの新曲かしら.」
である。
「ダンテですか・・・。ええと・・・。」
私は些か分からなかった。何分大学は理系の学校を卒業したので。
「彼のことをご存じないようね。イタリアの詩人・作家で」
彼女の蘊蓄にうんうんという顔で聞いている。
「イタリアが舞台なんですか。先日の菊の名前が元ネタにした
ウンベルト・エーコがイタリア出身だと聞いています。」
先生は、私を小馬鹿にした顔で
「そうなのよ。彼はイタリア出身ね。私たちが座っている席の後ろを見てご覧なさいよ。」
と先生が言うので、私は振り返った。
墨書が存在している。
「萬魔殿と読めますね。」
と草書体の文章をおそるおそる拝見してみた。
「私も書道がないけれども、ダンテの新曲には萬魔殿が登場するからそれに挑戦してみたか
ったんだ。」
つづく
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