
津市岩田、国道23号沿い、工事中の百五銀行本店の南、
三重三菱自販㈱のあった場所が、現在は更地になっています。
画像の茶色い部分が社屋や倉庫のあった箇所で、
左の砕石の部分が、社員駐車場だったようです。
この社員駐車場の隅に、寺院の遺物らしき、石造物群を見つけました。

会社があった当時は、どの方向からも建物に隠れてしまっていたようですが、
更地になって、23号線からも見えるようになりました。
宝篋印塔が1基、大きな地蔵さんが1基、
ほかに墓石等々が10数基ありました。

地蔵さんは後背が3分割され、
顔だけ、別の種類の石材で彫って嵌め込まれたように見えます。

四角い石には「権大僧都○○上人」という文字と年号が刻まれていて、
江戸時代にここにあった、寺院の僧侶の墓石のようです。

このような状態で置かれているのを見る限り、
これらの石造物群は、昔は寺院の境内にあったものと推察されますが、
その後、寺院が廃寺となり、
石造物だけコンパクトに並べ直したように見えます。
昔の地図をお待ちの方ならば、
ここにあった寺院の名前を調べることも可能でしょう。

さらに、周囲を探索してみると、
冒頭の画像の、錆びた倉庫の裏側に、秋葉神社がありました。
秋葉神社は、火除け(火災予防)の神様として知られていますが、
石の鳥居や祠の基石などは非常に新しく、
近年になって改修されたものと思われます。
津市の昔の地名~久留島(津市岩田)
この界隈は、藤堂高虎公が伊予国来島から連れて来た家臣が住んだことに由来して
江戸時代は「久留島」と呼ばれていました。
乙部寺町ほど有名ではありませんが、
久留島~佐伯町の界隈には、多くの寺院があり、またここから300m南には大市神社もあり、
大市神社から南へ500mには、この地で戦死した北畠満雅の顕彰碑もあり、と
この「国道23号より西のエリア」も、なかなか見どころが多いと感じました。
北畠満雅と長野満高