フリンジつきの丁寧な縫製の薔薇色のバッグを貰った
大好きな君に似合うと思って。。。って貰ったんだ
あたしは、とても嬉しかったけれど、心のどこかで
(これに似合うお洋服も靴もないなぁ) って思った
欲しかったロングコートはグレーに近い青紫のバックスキン
あつらえたように体にぴったりだったのに
諦めた
夜明け直前の海岸で
あなたはキャンドルに光をつけて
アイスクリームの入ったプラスチックボールに
溶けかけた薔薇の形のチョコレートをのせた
溶けかけは、ほんのり冷たくて甘くて
海の少しうっとうしい匂いに混ざって
パーティでのキスを思い出した
なめった後の重い銀色のテーブルスプーンに唇を映す
溶けかけが好きなあたしは 溶けかけの薔薇を味わう
うすい青紫になったテトラポットの上で
。。。うすいピンクの薔薇か 僕はまだ見たことない蒼い薔薇のイメージだよ。。。
はじめて会ったとき あなたが言った
ロマンチックだと思った
あなたは今 どんな薔薇なのだろう
あたしは今 どんな薔薇なのだろう
描きかけのハアトの薔薇にどうしても棘が描けずに
あたしは 思った。。。。