日常っぽい午前中をすませて、薔薇色のワインをのむ。
つみ重なるCDからお気に入りのあの歌声を探すことが出来ず、トラウマの曲を恐る恐る流す。
相変わらず意味の解らない甘いフランス語だけれど、あの日あの時ループして聴いた曲だけれど、今の私には、そのままの居心地として 部屋の中に 扇風機の風に添って流れるんだ。
きっと、ハアトは意味が解っているのだろう・・・と思う。
夏の木陰でキミの膝枕で本を読んでいる。
「ナルチスとゴルトムンド」だよ。
かすかにリンゴのにおいがする。
季節は、秋に傾いているんだ。
子ガラスが大人の真似をして、口を開けっ放しで鳴いてみせてるし
裏庭で葡萄を見つけた。
空家になった他人の庭からこぼれる最後のガクアジサイをつんだ。
お星さまみたいな 花だ
青い葡萄の上で・・・・
私の答えをまっている
蒼い時間には、ここを発つね
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