みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。
明日2007年7月15日の台風の直撃は避けられそうにありません。
本日は現場で台風対策の指示と最終確認に行ってきました。
サッシが付いた状態で、風が入らないところまで現場が進んでいれば問題はないのですが、外壁合板を張り始めたところで終わるのが一番不安です。
そのため、窓が付く予定の部分も含め、すべて合板で囲ってしまい、風が入らないように至急完了させます。屋根も葺き終わりたいところです。
皆さんが現在お住まいの家でも、窓を開けっ放しで台風の直撃を迎えると屋根が飛ぶ可能性はかなりあります。
現場でも同じで、骨組みだけの状態で風が自由に抜ければ良いのですが、そうでない状態であれば、壁を塞ぐしかありません。
また、当然ですが足場に張っている養生ネットも畳んでおきます。一見風が抜けそうな養生ネットでも、足場を倒してしまうことがあります。
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▲これが、前日の指示前の状態です。
窓や玄関部分もまだ完全に塞がれておらず、ネットも畳んでいません。
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▲足場のネットを束ねて、窓は塞ぎます。
玄関入り口も最後に塞ぎますが、対策完成は一番上の写真です。
では、本日の本題です。工事中に台風や地震で家がつぶれてしまったらどうなるのでしょうか?誰が責任を取るのでしょうか?
請負契約すなわち注文住宅なら、発注者である みなさん です。
売買契約の建売なら、販売者すなわち業者です。
工事中の地震や台風の天変地変のリスクは、請負工事の場合原則として発注者のリスク負担です。
原則というのは、工事業者が善良な対応や対策を取っていた場合です。この見極めが難しいですね。ハウスメーカーなどの契約書には、問答無用で発注者の負担と書いてあることもあります。
但し、火災に関しては人災ですので、工事業者負担であり、業者の加入している火災保険が適用されます。
このため、心配な現場では私が事前に指示を行い、確認を行って台風を迎えます。本来は現場監督の仕事ですから、設計事務所の私が指示や確認をすることではありません。
私が設計監理している現場では、私を信頼して依頼されたかただけですから、こういう大きなリスクの可能性を秘めている場合は、陣頭指揮を取ります。
私がまだ勤めていた頃、かなり昔の現場のことです。大雨の日に現場監督のミスで雨が家に流れ込んでいる状況を現場の観回りで見つけました。
その日は、会社の決起集会、というか慰安会で社員全員が本社に集まって、報奨金をもらい、立食パーティーのあと仲間同士で飲みに行く日で、他のみんなは既に出発していました。携帯電話の存在さえない時代でしたので、ずぶ濡れになりながらも、急いで応急の処置を施しました。応急といってもひとりで2時間以上は掛かりました。決起集会にも当然行くことはできませんでした。雨の中で夜にひとり、現場監督のミス、楽しみの決起集会が流れ…ということで強烈に覚えています。現場の手直し作業自体は、もっと強烈な想い出はたくさんありますが、まあ、楽しい想い出でもありますね。
昔から何でもやるべきポイントは、何がなんでも妥協せずにひとりでもやるという主張をいつも激しくしていますので、
私の性格を知っている現場監督や工務店社長、職人さんは雨に濡れながらでも文句を言わずに仕事をしてくれます。
レベルや意識の低い現場監督の場合は、必然的に私から怒鳴られることになります。お客様の中には、私が激しく担当者や現場監督を叱責している場面に出くわした方が何人もいらっしゃいます。
基本的には、感謝しながら、ほめながら、お願いしながらという気持ちでいるのですが、社内のスタッフに対しても同じで、
具体的なミスのことを叱ることはなく、その甘い考え方に対して、つい我慢できずに叱責してしまうようです。まだまだ人間的に未熟ですが、裏を返せば、そういう熱い部分があるから、365日24時間対応と言いきれるのではないかと思います。
今回の台風は日曜に直撃予定なので、プライベートな部分はすべて排除して対応できるようにしています。
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