通常の2階建てで、1本の柱に2つ付けなけれなならないということは、
ミタス一級建築士事務所では、構造計画を軽視した結果だと考えています。
但し、3階建てや特殊な形状で止むを得ない場合は有り得ます。
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。
本日、2回目の連続もののアップです。
本日初めての方は、耐震性に優れている? その1 からお読み下さい。
実際の例でお話しましょう。
フラット35を申し込まれた方がいらっしゃいました。
理由は固定金利の安心感ですが、この内容との比較で考えてみます。
フラット35では、耐震面での申請をするには
性能表示制度の耐震等級2以上となっています。
この前のブログで説明したように、この等級2以上というのは、
建築基準法の1.25倍ですが、
実際は建築基準法の耐力壁をクリヤーしていればほとんど同程度の
数値になります。
性能表示の場合は、その他にも水平面の床倍率などいくつか
チェック項目がありますが、
私がこの方の設計をした住宅は、
建築基準法での計算で壁量安全率が1.9倍~2.9倍あります。
1階と2階、それぞれ4方向で確認をしますので、それぞれ数値は
違います。この中で一番小さい値、1.9倍をとります。
この建物を住宅性能表示制度の耐震等級の計算方法で計算すると
2倍を軽く超えます。ちなみに耐震等級3は、1.5倍です。
耐震等級は最高3までしかありませんが、
敢えて等級をつくると、これは耐震等級5相当になるでしょう。
2階がリビングの方のプランですが、この場合での私の設計は
だいたいこの程度の強さになります。
1階がリビングの方の場合は、もう少し小さな値になりますが、
等級3がどうのこうのというレベルは、当然クリアーしています。
構造的には、2階リビングの方が強いとお勧めしている根拠の
ひとつです。
また、全体の強さだけでなく、壁のバランスの問題があります。
これは、偏心率という数値を計算してあれば、それを確認します。
木造2階建てでは、その数値が0.3以下であればOKとされていますが、
ミタス一級建築士事務所では、0.15以下としています。
この方の場合は、0.06、0.14、0.08、0.12と全く問題のない優良バランスです。
さらに、このように壁量を多くしますと、逆に柱に大きな引抜力が掛かってしまう
ことがよくあります。
これもチェックしてバランスを取ります。木造2階建てで同じ柱に
ホールダウン金物が2箇所必要とならないようにするのです。
このブログの最初に載せた写真のような例を避けるのです。
これらのチェックは、スタッフが自分で考えて入力した後、私がチェックし
スタッフに指示をして、すべてのバランスを数値と図面を観ながら
修正していきます。
価格は高いですが、このためのソフトを購入してチェックしていますので、
簡単にすべての計算ができます。
操作はスタッフがしますが、どこをどうするかは、すべて私が指示をしています。
画面と数値を観ながら、どこをどうすればさらに良くなるか、構造の計算を
知っているというレベルではなく、その意味を良く理解していなければ
指示はできません。
プランの段階で、これらの耐震を考慮しながら作成していますので、
このような数値に無理なくもっていけるのです。
当然、構造ブロックや直下率も考えながらプランします。
建売や注文住宅さえも、こういうことを考えないで作ったプランですと
いくら後から調整しても苦労するだけでなく、
ここまでの数値やバランスを求めるのは無理でしょう。
性能表示制度で確認する床倍率も、28ミリの構造用合板を剛床として
一律採用していますし、吹き抜けなどにも化粧火打ちを入れて、
見映えより構造面を重視しています。
リビングなどの大きな吹き抜けの梁についても、ジョイント部分を
考慮し、台風時に風圧で梁が横にたわまないかどうか、通常必要のない
その部分の構造計算を行ってチェックしています。
また、その梁のサイズも、安全を考えながら大きものになっています。
というように、少なくとも耐震面や構造面などではフラット35や住宅性能表示
の最高レベルよりよりはるかに高いレベルで、もともと当たり前のように
設計して監理をしてます。
わざわざ低いレベルの規定に合わせてお伺いを立てる書類を作成することに
私の貴重な時間を使いたくない、
余計な設計上の足かせをわざわざ、はめたくないという気持ちがあるので、
積極的にやっていないのです。
もちろん、余分に費用を支払うからそれでもお願いしたいという
場合は、行っています。
本日は、ややこしくて長い文章になってしまいました!
理解できましたでしょうか…?
わかりませんよね…。(^^)ゞ
設計監理 一級建築士事務所
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