一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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ユニットバスの断熱と防湿

2011年09月03日 13時46分21秒 | 住宅ノウハウ・実例
 



ユニットバスについて、現在、工事中のユーザーから
ご質問を頂いたので、ブログで回答し

ミタス一級建築士事務所の仕様と考え方をオープンにいたします。



1階にユニットバスの浴室が在る場合、

長期優良住宅の申請を希望されない場合、
私は、浴室を外部扱いにすることが多いのです。

昔、カナダの住宅に詳しい建築家とも
考え方をかなり議論したのですが、
「これが良い」という結論は、でませんした。

その後、私が考えた方法を
現在は、設計と監理で行っています。


なぜ、私が外部扱いにするかというと

ユニットバスといえども、

水蒸気がかなり発生して
ユニットバスの外部に漏れるのです。

このことによる結露を心配してのことです。



内部扱いにすると、ハウスメーカーでは
床下の通気を、浴室部分すべてを塞ぎます。

そして、防火上の問題で、石膏ボードで
ユニットバスと構造体の間を囲ってしまうことがあります。

閉じられた空間にユニットバスが入る方法です。

この状態で外壁に断熱材を入れ、
完全とは言えない防湿フィルムで囲います。

ここで、心配しているのは
ユニットバスから漏れて、閉じられた空間に
入った水蒸気の行き場です。

基本的には、どこにもないのです。



その不安を避けるために、

ミタス一級建築士事務所では、
浴室を外部扱いとしています。

その代わりに、余分にしなければならないことがあります。


・ユニットバスを床・壁・天井とも断熱材仕様とすること。
(これは、浴室の断熱対策です)

・床下の通気を塞がず、水蒸気を完全に逃がすこと。
(防湿フィルムだけでは、不完全だからです)

・洗面脱衣室の壁にも断熱材と防湿フィルムを施工すること。
(洗面脱衣室の断熱対策です)




ユニットバスを使わなかった、昔の浴室の造り方では
その部分の外壁には断熱材を入れませんでした。

理由は、水蒸気の結露で内部が腐るからです。

そのため、浴室はもちろん、洗面脱衣も
冬は考えられないくらい、寒かったのです。

でも、耐久性を考えると、
こちらを優先せざるを得なかったわけです。



私の方法は、結露防止を優先させた上で、

ユニットバスそのものに断熱材で保温させ、

洗面脱衣も、外部扱いとしたユニットバス側を
断熱材で囲ってしまい、防寒対策を施しています。


構造体の強度は当然です。

耐久性をいかに向上させていくかは、

木造住宅の場合、水、水蒸気の対策は
大変重要になります。

長期優良住宅の考え方は、この部分が
不足しているのは、

まだまだ結露に対する知識や認識が
日本の建築技術者は、甘いからだと思います。



水蒸気、すなわち結露防止は
断熱性能を上げれば上げるほど

厳密に行うことが必要で、

設計上だけでなく、いかに正しく工事を
行うかに、かかっています。



……………………………………………………………………………

ご意見があれば、お気軽にどうぞ!

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