一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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阪神大震災から13年

2008年01月17日 19時13分18秒 | 建築家の日記
みなさん、こんばんは。

阪神大震災から13年経ちました。

朝の出勤中のラジオでは、神戸で地震があったということくらいしかなかった情報が、午後になってテレビで神戸の街の状況が写し出されると、思わず誰もが信じられない光景に愕然とし、驚いた日でした。

「まさか!三宮駅前のあのビルが…」

「え~!阪神高速道路が…。」


老朽化した木造住宅が大地震で倒れるのは、まだ理解できても、鉄筋コンクリート造など構造計算を行っているビルが倒れることは、我々建築に従事している者が、学んできたことを完全に否定するものでした。

工事の多少の手抜きや施工誤差を考慮し、安全率を見込んだ構造計算を行っているので、大丈夫なはずだったのです。

それ以降、被害から学び建築に対する反省が行われたはずです。


13年経った現在、どうなったでしょう?

木造2階建ては、最低限の筋交い計算さえ建築確認申請に添付する必要がなくなっているのです。誰が、どこでチェックするのでしょう。


おかしいですね。現在、建築確認申請の厳格化のため、申請が降りず建築着工数が減っていると報道されています。安心になったと皆さんは思われていますね。

木造の2階建住宅に関して述べると、厳格化というのは、構造には全く関係ない書類をたくさん添付させ、僅かな変更や誤字でさえも許されない、建築の実務をしている誰もがおかしいと感じる厳格化です。

最近ようやく国土交通省も前線で行われている審査が、意図と異なりずれていることに気づき、通達を出しました。

しかし、まだ筋交い計算の添付の義務化は行われていません。阪神大震災のこの13年間は、一体何だったのでしょうか?

建築士が研鑽をするのは当然ですが、報道しているマスコミをはじめ、一般の方には、難しくてわかりにくいことなので、状況把握はできていないのが、現状だと思います。

日本の住宅が、いつになったら先進国に輸出できる日がくるのでしょう。







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