みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。
梁については、その大きさ(高さや太さ)には目が行きがちですが、
もうひとつ大切な部分があります。
それは、どこで継ぐかということです。
写真の梁は、無垢乾燥材の6メートル物を使ってもらいました。
通常は4メートル物を使います。足りない場合は、通常はせいぜい5メートル物までです。
長さが長いと、特に無垢材では値段がグンとあがります。
一般の住宅を見ていると、いかに部材を少なくして、コストを落とすか
ということを考えています。当然ここでも、変わってきます。
両側から4メートル物を2本使い、間に空いた部分を1メートル位の
長さの梁を使って、両側を継ぐという場合が珍しくありません。
でも、これは問題です。
どこで継ぐかというのは、上からの荷重はもちろんですが、
下からや水平力のかかり方、
柱の位置関係や筋交い、火打ち張りの位置なども考慮して決めなければなりません。
部材を少なくするために自動的にコンピューターで作成したものは、
こういったことは、全く考えていないのです。
あきらかに造る側の視点であり、コストダウンの視点です。
継ぎ手は必ず出てくるので、止むを得ないのですが、
ミタス一級建築士事務所では、
大きさだけでなく、どこで継ぐのが良いかを考えて、指定します。
場合によっては今回のように、止むを得ず6メートの大きな梁を使ってもらうこと
があります。住む側から考えて設計しているからです。
同じ太さでも、継ぐ場所によって、大地震時などに梁の強さが変わります。
梁を継いだ部分は補強しても、継がない部分と比べて3分の1の強度が限界、
という実験データーがあります。
▲最初の写真の反対側の梁も、同じ高さの6メートル物を使ってもらいました。
横浜市 住宅 設計監理
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