なぜ間違っているかがわからなくて、
全国の工務店やハウスメーカーから
出版社にクレームがたくさん入りました。
今でも、間違っている現場は珍しくありません。
2017年10月25日(火)の朝のテレビ番組の中で、
「日本の携帯が毎年550万台破棄され、
そこに入っている金の量が165トンもある。」
という文字表示と説明がありました。
東京オリンピックのメダルを廃棄された携帯から
金を回収して造るという話の中でした。
『えっ、そんなに入ってる?』と思って
暗算で計算してみると、やはり有り得ない数字でした。
『165トンではなく、165キロだったのかな?
金ではなく、金属だったのかな?』
私の見間違いか、聞き違いかなとタイムシフトで
再度確認してみると
やはり、そのようにコメントも表示もされていました。
その数字が本当なら、
「携帯1台に含まれている金が30グラム」となってしまいます。
現在、使われている携帯の数を考えると、世界中の金を
携帯だけに使っても間に合わないということになってしまいます。
どうでもいいことなのですが、
こんなコメントをわざわざするのは、建築の世界でも
「これは、明らかに間違っている!」と
大切な構造で思うことがときどきあるからです。
建築確認申請で、構造の大切な筋交い計算書を
添付していた時代がありました。
現状の不具合が多くて、ご心配になった家の調査依頼を受けた時のことです。
建築確認申請を見せてくださいとお願いしたら、
図面に書かれた筋交いの少なさに、「これは有り得ない」と感じました。
計算書を調べると、筋交いの量を表す数字のゼロを1つ多くしていたのです。
ひとけた多いのです。
単位の間違いか、勘違いでしょう。
その計算で、確認申請はOKとなっていたのです。
計算する前に、筋交いを配置した時点で、
足りるわけがないと感じて当たり前の量しかなかったのです。
実はごく最近、先月の話ですが、
依頼された耐震診断で、確認申請を出してもらったら
同じようなことがあったのです。
これは、新耐震といわれる1980年以降の建物なので
耐震診断の自治体の援助はなく、自費で直接、
ミタス一級建築士事務所に依頼されたものです。
これも計算間違いというより、そもそも地震力や風圧に対して
建築物がどのようになっていなければならないか、
さらにその計算方法を知らないのでは?
という根本的で基本的な理屈をわかっていないとしか
思えない間違いでした。
理屈や理論がわかっていれば、途中の数字を
ひとめ見ただけでおかしいと思う間違いなのです。
建築確認申請書でチェックされ、それでOKが出てしまったのも残念ですが、
結論の数字だけを見ると、見落としてしまうのでしょう。
現在は、コンピューターを使っての計算が多く
理屈がわかっていなくてもインプットが間違っていても
答えがでてきます。
逆にいえば、なおさら理論がわかっていないと
インプットでの間違いを含めて
とんでもない間違いを起こしていても、
全く気付かないということになります。
ミタス一級建築士事務所では、
スタッフがコンピューターを使っていますが、
構造に関しては、全て最終確認を私が行うようにして
よりよくするために、毎回、必ず修正を行って完了しています。
重要なことに関しては、根拠や理由、理論を知っておかないと
明らかにおかしい、ということでも疑問に思わないということが
怖く感じます。
住宅の欠陥は、設計者、工務店、現場監督、職人も
気付いていない、または正しい方法や、なぜそうしないといけないかを
知らないというケースが多いのです。
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ご意見があれば、お気軽にどうぞ!
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横浜市 一級建築士事務所