半筒茶碗
祖母懐の印がある茶碗で、以前は祖母懐茶碗として紹介しておりましたが
その後詳細が判明したと思い志戸呂焼としたのですが、またもわからなくなりました。
志戸呂焼は遠州七窯のひとつに挙げられていますが、
その七窯のうちで唯一室町時代から制作されていたとされる窯です。
有名なものとして祖母懐の銘のある茶壺があります。
本品もこの雰囲気からいったん室町時代の志戸呂としました。
が、
同じく祖母懐印のある焼物もほかにありまして、
・17世紀半ばの尾張藩御庭焼の戸山焼(楽々園焼)、
・おなじく17世紀の御深井焼、
・19世紀前半の尾張藩戸山別邸(新宿区)、
など。
本品がどれに相当するのか不明です。
当方は志戸呂焼第二期にあたる16世紀後半の作品だと思っています。
特質は鉄分の多い土と堅牢性、
本品はそのことばの通り磁器の音がするほどに堅く焼きあげられた茶碗です。
画像の通り、見込みと高台脇、ボディ腰に金直しがあります。
共箱は例によって失われているため、保存箱と包み裂が付属します。
楽の長次郎などに匹敵する古格ある茶碗です。
径 約12.3センチ前後
高さ 約6.5センチ前後