あの時 心は揺れていたけれど
流されないでよかったなあと思うことがある。
2年ほど前あるお母様から質問を受けた。
《この前、娘を連れて
お友達の通うピアノ教室の発表会に出かけてきました。
そしたらそのお教室は、自分の弾きたい曲を弾いていいらしく、
うちの娘と同級生なのに
ブルグミュラーのアラベスクを弾いてました。
先生はいつもきれいな音で・・・とおっしゃるし
その意味もわからないではありません。
でも、うちの子は
将来音楽の道に進ませるつもりは毛頭無いし、
基礎だけをしっかりやってもねえ・・・
っていう気持ちも正直あります。
その発表会で弾いた子の演奏は
きっと ここの教室ではあり得ないですよねえ》
弾きたい曲を弾くことに関しては私も賛成だ。
ただ、音符をただ鍵盤に置換して
それで弾けたという風にはどうしても思えなかったし、
自分の生徒さんにはそんな風にはしたくなかった。
専門に進むのか、趣味でピアノをやるのか。
指導する時その違いがある本には
こんな風に書いてあったと記憶している。
《専門に進むためには
その生徒さんが○歳の時にはここまでやって・・・
とスケジュールが決まっている。
趣味でやる生徒さんは
その人のペースに任されているということであって、
趣味なら 基礎はおろそかにしても良い
と言うことではけっしてないはずだ》と。
私自身、小さいころに受けたレッスンは
今考えると信じられないくらい手抜きのレッスンだったので、
それを自分で気づいた時のショックはとても言葉では言い表せない。
あのころの私と同じ気持ちには
生徒さんを絶対にしたくないというのが、
たぶん私のレッスンの底辺になっているように思う。
ってわけで、その時のお母様の言葉にはかなり揺れて
自分の中で葛藤はあったけれど
「うちの教室では、
たぶんそのお教室と同じような価値観ではやれないと思います。
いろんな教室があって、
それぞれに大切にしていることが違うので、
あとはどんなレッスンを希望するかで
教室を選ぶことが大切だと思います」と話した。
あれから2年。
「先生、先週ね。
お友達のピアノ教室の発表会を聞きに行ってきたの。
アラベスクを弾いている子がいたんだけど
もうめちゃくちゃ!
テンポも 速くなったり遅くなったり。
でも平気な顔してた。あれはアラベスクじゃないよ~」
もうすぐMちゃんはブルグミュラーに入る。
夢にまで見たアラベスクももう目の前だ。
でも、ブルグミュラーを弾くことより何より、
彼女が 私が一番大切に思うことを
しっかり感じ取れる子に成長してくれていることが
なによりうれしかったある日の一こま。
流されないでよかったなあと思うことがある。
2年ほど前あるお母様から質問を受けた。
《この前、娘を連れて
お友達の通うピアノ教室の発表会に出かけてきました。
そしたらそのお教室は、自分の弾きたい曲を弾いていいらしく、
うちの娘と同級生なのに
ブルグミュラーのアラベスクを弾いてました。
先生はいつもきれいな音で・・・とおっしゃるし
その意味もわからないではありません。
でも、うちの子は
将来音楽の道に進ませるつもりは毛頭無いし、
基礎だけをしっかりやってもねえ・・・
っていう気持ちも正直あります。
その発表会で弾いた子の演奏は
きっと ここの教室ではあり得ないですよねえ》
弾きたい曲を弾くことに関しては私も賛成だ。
ただ、音符をただ鍵盤に置換して
それで弾けたという風にはどうしても思えなかったし、
自分の生徒さんにはそんな風にはしたくなかった。
専門に進むのか、趣味でピアノをやるのか。
指導する時その違いがある本には
こんな風に書いてあったと記憶している。
《専門に進むためには
その生徒さんが○歳の時にはここまでやって・・・
とスケジュールが決まっている。
趣味でやる生徒さんは
その人のペースに任されているということであって、
趣味なら 基礎はおろそかにしても良い
と言うことではけっしてないはずだ》と。
私自身、小さいころに受けたレッスンは
今考えると信じられないくらい手抜きのレッスンだったので、
それを自分で気づいた時のショックはとても言葉では言い表せない。
あのころの私と同じ気持ちには
生徒さんを絶対にしたくないというのが、
たぶん私のレッスンの底辺になっているように思う。
ってわけで、その時のお母様の言葉にはかなり揺れて
自分の中で葛藤はあったけれど
「うちの教室では、
たぶんそのお教室と同じような価値観ではやれないと思います。
いろんな教室があって、
それぞれに大切にしていることが違うので、
あとはどんなレッスンを希望するかで
教室を選ぶことが大切だと思います」と話した。
あれから2年。
「先生、先週ね。
お友達のピアノ教室の発表会を聞きに行ってきたの。
アラベスクを弾いている子がいたんだけど
もうめちゃくちゃ!
テンポも 速くなったり遅くなったり。
でも平気な顔してた。あれはアラベスクじゃないよ~」
もうすぐMちゃんはブルグミュラーに入る。
夢にまで見たアラベスクももう目の前だ。
でも、ブルグミュラーを弾くことより何より、
彼女が 私が一番大切に思うことを
しっかり感じ取れる子に成長してくれていることが
なによりうれしかったある日の一こま。