高校1年になったうちのボウズ
17年間(正しくは、髪の毛が生えそろった15~6年間)
ずっと私が髪の毛を切らされている
小さい頃は、髪の量が少なくて柔らかく(そして今よりかわいげもあった)
散髪屋さんに行ったところで切るところもあまり無さそうなので
私が少しだけハサミを入れたらそれなりにカッコがついたものだった。
幼稚園、小学生と大きくなるにつれ
ボウズの髪は固い、クセッ毛になりだした
それでも何年か切ってると、自分の子のカットは、なんとか手慣れたもので、
そのうちだんだん自分の子供はおろか、一緒によく遊んでた息子のお友達のママまで
「ウチの子も切って」と言われて切っていた。
遊んでいるみんながなんとなく同じヘアスタイルで、
「誰が誰か、ようわからんなあ」と、よく大笑いしたものだ
子供は切ってる間じっとしているのが苦痛で
途中からGAME BOYをしながら…がいつものパターン
「ちょっとだけ前向いてじっとしててね」
小4になって、野球を始めても、ハサミ1本で限りなくボウズ頭に近付けた
我ながら(よく節約できてる)と自画自賛
中学になると、何かとおしゃれも気になりだして
「ここは長めに、ここんとこは、もっと梳いてくれ!」と
なんだかんだ、注文がつきだし
ボウズは自分の思った通りにならないと「ボケ!」だの「カス!」だのとキレだし
その口の悪さに、今度はこちらが頭に来て
「アンタ親になんていう口の利き方してんのー!」と毎度毎度のお決まりの茶番が始まる。
私的には、親が息子の髪形をヘンにしてやろうなんて、ハナっから思うハズがないのに
どこがおかしいのか、さっぱりわからず
「何がヘンかわからんー!」と私がいうと
「こんな髪の毛じゃ学校行かれへん!」と、涙まじりに激怒する。
翌朝、
「もうイヤヤ。今日休もかな…」息子がブチブチ文句を言いながらも学校へ行くと
「今日友達に『イケメンやん』って言われた」と、苦笑いで帰ってきた。
お母さんは思う
(昨日のアノ私への罵倒はなんやったの?
あの時間は、なんとストレスの残る愚かな時間だったのだろうか)
そうしてまた毎度毎度、
「ちょー、髪の毛切ってや」と、言ってくる
最後は、大ゲンカになるのが見えていて、いい加減嫌気もさしてきて
「もうそろそろ美容院行って切ってくれへん?」とゆうてもみたが
やれ「面倒くさい」だの、「時間が無い」だのと
結局なんだかんだと、最後は私が切らされるハメになる。
やがて、ボウズも高校生。
高校生にもなるとさすがにもう
『お母さんカット』も無いだろう…
と思い、主人行きつけの美容室に一緒に連れてってもらった。…そして自分でも何度か行った。何度かは…。
今日もボウズは私に
「なあ~髪の毛切ってや~」と言ってくる。
時は流れ、カレのその両手には、
GAME BOYがいつしかDSになり…
気づくとスマホになっていた