久々に歌舞伎を堪能してきました。
一昨年の12月に、坂田藤十郎を襲名された3世雁治郎(昔の扇雀さん)の、近松座歌舞伎公演のチケットを頂いたのです。南座での襲名披露に行けなかったもので、嬉しくて!!
今回の場所は、だんじりで有名な岸和田にある「波切りホール」
5年前にできたばかりの、とてもきれいなホールで、ここの杮落としに来られたのが当時の雁治郎さん。そのご縁で、今回の近松座公演も、岸和田からのスタート。
当時の衣装も展示されてました。
昨日は1時から「お練り」があり、岸和田駅からホールまで約1kmの道のりを、坂田藤十郎はじめ、「近松座歌舞伎」に出演の皆さんが人力車でパレードされたようです。
今回の演目は、予定と少し順番が代わり、まず藤十郎さんの「お目見え(ご挨拶)」、「廓文章・吉田屋」、そして最後が、藤十郎さんのお孫さんに当たられる中村壱太郎さんの「鏡獅子」の3番でした。
坂田藤十郎という、上方歌舞伎における大名跡を231年ぶりに復活された雁治郎さん。少しもお年を感じないどころか、ますます艶っぽく、一分のすきもない身のこなしや足さばきにうっとりしてしまいます。それでいて、何とも言えない可愛らしさまで滲み出ておられるようで・・・
憧れの坂田藤十郎を襲名され、20年以上にわたる近松座の公演も国内外で大盛況。
ますます攻めの姿勢で芸を深めておられるお姿に、ただただ感動です!
実はこの藤十郎さん、もう25年も前になるでしょうか・・・
まだ扇雀さんでいらした頃、押絵の作品の為にお写真を撮らせていただきたくお願いしたところ、松竹座の楽屋へお招きくださり、最初の着付けから全部順を追って見せてくださいました。その時、大失敗が・・!
あまりに写しだすのが早すぎて、ほとんど下着1枚だけになられたところへを向けた途端、「ダメよ!こんなとこ、まだ撮っちゃ!!」って、女形の扇雀さんからお叱りを受けました。
今でも、とても貴重な、懐かしい思い出です。
日本の素晴らしい伝統芸に触れるたび、その端っこの端っこにしがみついている身として、「和」に根ざした心の表現を忘れてはいけないと教えていただける気がします。